トポロジカルな研究分野
(全体の目次はこちら)
トポロジカルな研究分野
- あらゆる進化理論は「仮説」 -
武村 政春 (著)
DNAとはなんだろう
「ほぼ正確」に遺伝情報をコピーする
巧妙なからくり
ブルーバックス 講談社

(書名または表紙画像をクリックすると
別タブでAmazon該当ページに。
以下、水色部は本からの引用)
を読みながら、
* DNAは生物の設計図にすぎないのか?
* 遺伝の常識からの逸脱
* 動く遺伝因子「トランスポゾン」
* 細胞外DNA・環境DNA
* DNAの「行動力」
について書いてきた。
DNAの「行動力」をさまざまな視点から
見せてくれる点が本書の大きな特徴だ。
最後に2点、
どうしても残しておきたい記述があったので、
その部分を紹介したい。
(1) トポロジカルな研究分野
東京から静岡あたりまで、
200キロメートルほど
延びているとしよう。
そのとき、その細長い糸を
バスケットボール程度の大きさの
球体の中にこんがらがらないように
収められるだろうか?
ヒトの細胞核一個に、
直径2ナノメートルのDNAが
2メートルも収められていることを、
このようなたとえで表現しているが、
もちろん、グチャグチャに
押し込められているわけではない。
きちんとした法則に従って、
決まった空間配置をとって
規則正しく細胞核の中に
収まっている、ということが
わかってきた」
つまり、細胞核の外側に位置する部分と
内側に位置する部分は決まっている、
ということだ。
DNAの損傷などが、じつは
「ほんとうはランダムではなく、
ある特定の空間配置にあるDNAに
集中して生じる」
といった可能性は、
決して否定できないのである
紫外線や放射線、発がん物質との接触等
空間上の配置の違いがある以上
突然変異がランダムに起きる、は
かなりあやしい。
DNAの格納だけでなく、
タンパク質の形状等、
化学式だけでは表現しにくかった
トポロジカルな面での
解析や研究は
これから大きな発見が続く分野の
ひとつという気がする。
(2) あらゆる進化理論は「仮説」
生物の進化は、基本的には
「過去に起こった現象」である。
もはや観察することができないので、
たとえ「再現性が高い」と
考えられる実験結果を得たとしても、
それがほんとうに
「現実に起こった進化」を
再現しているのかどうかを検証する
術がない。
だから、
ほとんどすべての生物学者が
そうだろうと考えるような
完璧な進化理論であっても、
「仮説」の域から抜け出ることは
できないという実情がある。
100%再現できる実験だとしても
それが実際に起こったことだとは
検証できない。
有力な仮説の域をでない、ということだ。
強い仮説を目にすると
現実もそうであったと思ってしまう傾向が
明らかにあるような気がする。
わかりたい、というか
わかった気になりたい、という欲求が
あるからだろうか。
「確かにそうなる。
でも現実に起こったことは
違ったかもしれない」
を常に忘れてはならない。
「過去に起こった現象」を
「仮説」と「想像力」で楽しめるから
研究とその成果はおもしろい。
(全体の目次はこちら)



















最近のコメント