黒目川 (1) 遡行
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黒目川 (1) 遡行
- 古墳に寄り道してからのスタート -
国土地理院のページの
「好きな色で標高を色分けした地図が作れる」
の案内に従うと、標高を色分けした地図を
誰でも簡単に作ることができる。
色ごとに標高値の細かい設定が
自由にできるので、設定を変えるたびに
地形の様々な姿が色で浮かび上がり、
何時間でも遊べてしまう。
低いところに集中してみようと
標高0mから5mおきに60mまで色を変えて
高低差地図を作ってみたら
こんな感じになった。
この図で、埼玉県と東京都の境、
埼玉県の新座市、朝霞市あたりを
中心に見てみると、
大きく削られている二筋がはっきりわかる。
武蔵野台地の東端になるが、
まさに河岸段丘による崖線だ。
二本見えるノの字、
左側が柳瀬川によるもの、そして
右側が黒目川によるものだ。
というわけで、今回はこの黒目川の方を
歩いてみよう、ということになった。
黒目川は、東京都の
小平霊園内「さいかち窪」を水源とし、
埼玉県朝霞市で新河岸川に合流する
約17kmの川。
最上流:水源「さいかち窪」 :黄矢印
最下流:新河岸川との合流地点:赤矢印
第1回目の今日は、
赤矢印から茶矢印の遡行について
記録しておきたい。
まずは最下流、
新河岸川との合流地点を目指す。
いつもの川歩きメンバで集まり、
JR武蔵野線 北朝霞駅より、
朝霞市コミュニティバスわくわく号に乗った。
今回は、合流地点に行く前に、
ちょっと寄り道をすることにした。
バス停「第二小学校」で下車。
【一夜塚古墳】
現在の朝霞第二小学校の
敷地内に位置するため
校内までは入れないが、
「一夜塚古跡保存会」による掲示板が
校外からも読める位置に立っている。
「朝霞第二小学校児童の皆さん、
この小学校は今から1500年程前に
この地方を治めていた
豪族のお墓だったといわれる
一夜塚古墳跡に建っています・・・」
「この小学校は元お墓」、小学生なら
それだけでかなり盛り上がれそうだ。
そこから歩いて2分ほどのところには、
こんな案内図があり
【柊塚(ひいらぎづか)古墳】
がある。
案内図の左下丸くなっている緑の部分は、
前方後円墳の円墳の部分だ。
後円部の径48m。
この円墳部分を含め今は整備された
歴史広場という公園になっている。
中には、古墳の復元模型とともに
朝霞市教育委員会による
「柊塚古墳は、黒目川を臨む
武蔵野台地の東端に位置し、
今から約1500年前に造られた
有力者の墓です。
古墳の形は前方後円墳で、
前方部の墳丘は
後世の耕作などにより削られていますが、
後円部の墳丘は、
よく保存されています」
という丁寧な説明もある。
かつては、周辺に一夜塚古墳をはじめ、
多くの古墳が造られ、柊塚古墳を中心に
根岸古墳群を形成していたらしい。
まさに武蔵野台地の東端、
ここから川に向かって一気に下るが
古墳は高台にあり、
埼玉の大宮、浦和方面を臨むと
さいたま新都心の高層ビル群も小さく見える。
古墳への寄り道はここまで。
そこから黒目川と新河岸川の
合流地点までは歩いて10分ほどだ。
途中、川岸を見ると、
二ヶ領用水の時も見た
蛇籠が護岸に使われている。
川沿いの一部は、2024年10月27日時点で、
キバナコスモスをはじめコスモス満開で
ほんとうに美しい。
合流点までやってきた。
左側が新河岸川で、右側が黒目川。
手前から奥に流れている。
ちょっとわかりにくいので、
Googleマップの衛星写真に助けてもらおう。
川は左から右(⇒)に流れており、
上が新河岸川、下が黒目川、
合流点の写真は、Y字の股の先端から
下流方向を撮ったものだ。
上流方向にV字に見える細い道と
黒目川を見ると
こんな感じだし、
まさにV字の道をセンターから見ると
こんな感じ。
ここを黒目川最下流のスタート地点として、
ゆっくり遡行することにした。
黒目川の最も下流、
最初に出合う橋が東(あずま)橋
ここには大きな水道管(水色)が
並行して走っており、
水道橋にもなっている。
これは荒川で取水した水を
都内の浄水場に送る導水管らしく、
そう聞くと、立ったまま人が歩けるほどの
巨大とも思える太さも頷ける。
帰ってから調べてみると
(1) 埼玉県朝霞市にある
東京都水道局の朝霞浄水場 から
(2) 東京都板橋区にある
東京都水道局の三園浄水場 まで
の導水管らしい。
試しに(1)と(2)の浄水場間を
直線で結んでみると
まさに東橋の部分を通過している。
水道橋以外の管の敷設位置はわからないが、
最短経路の一部であることは
間違いなさそうだ。
それにしても(1)、
東京都水道局の浄水場が埼玉にあるなんて。
途中、コサギかダイサギか
白い鳥をよく目にする。
黒目川には付近の多くの水が流れ込むのか
こういった樋管(ひかん)が
両側の土手に数多くある。
よく見ると、
「きけん・ひなん」
「ちゅうい」「たいき」と
水位を測るゲージまでついている。
もちろん、黒目川の水位上昇時
逆流しないよう樋管として仕組みも
ガッチリ万全だ。
水位のゲージはあちこちにある。
下の地図、赤矢印から茶矢印まで、
まだ河口から2km程度しか来ていないが、
黒目川遡行、次回も続けたい。
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