二ヶ領用水(3) 久地の合流地点まで
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二ヶ領用水(3) 久地の合流地点まで
- 五ヶ村堀との再会 -
二ヶ領用水歩き、
多摩川の上河原堰取水口から歩き始め、
* 二ヶ領用水(1) 三沢川との立体交差まで
* 二ヶ領用水(2) 向ヶ丘遊園駅付近まで
と、
下の地図、左上からの青い線のルートで
小田急線向ヶ丘遊園駅付近
五反田川との合流地点(赤丸)まで来た。
その先も、二ヶ領用水は
地図上の黄色い線のように続いているが
五反田川との合流地点を見たあとは、
二ヶ領用水のもう一つの取水口、
宿河原堰取水口を目指すことにした。
(地図上の赤い点線矢印)
宿河原堰取水口に到着した。
上河原堰取水口の約3.5km下流に
位置することになる。
堰は、元は上流のここで見た
蛇籠(じゃかご)による築造だったらしいが、
1949年にコンクリート製に。現在の堰は、
1974年に堤防が決壊した狛江水害を機に
1999年に改築されたもの。
堤防が決壊した狛江水害時には、
宅地が濁流にえぐり取られ、
建っていた住宅19戸が流された。
そのときに家を失った被害者の声が、
昨年(2023年)11月に亡くなった
脚本家山田太一さんのTVドラマ
「岸辺のアルバム」(1977年) の
構想の元となっている。
山田さんが43歳のときの作品だ。
ドラマでは実際の
堤防決壊の報道映像が使われていた。
写真左方向に二ヶ領用水が始まっている。
こちらも親水歩道が整備されており
我々同様、歩いている人も多い。
すぐにJR南武線の
登戸駅-宿河原駅間の下を
くぐることになるが、ここは、
腰をかがめないと通れないほど
高さがなく、
見上げたときの線路の近さに驚く。
こんな角度で、こんなに近くで、
線路を見ることはない。
一部桜も咲き始めているので、
花見気分で
遊歩道で飲食を楽しんでいる人も。
宿河原駅付近の北村橋の手前では
他の用水(左)との合流もある。
整備された散策路が続いており、
多くの人が水辺を楽しんでいる。
八幡下圦樋(はちまんした いりひ)付近
八幡下圦樋については
多摩区観光協会のページに
こんな解説がある。
二ヶ領用水宿河原取水口からの
水量を調整し、
下流の洪水を防ぐための排水路として
明治43年(1910年)に設置された。
その排水は圦樋をつくって堰止め、
余った水を「堰の長池」に流し、
多摩川に放流した。
近年になって、
圦樋が逆に洪水発生要因となり、
昭和63年(1988年)に撤去、
記念碑建立。
【圦樋 (いりひ)】とは
川の水を引き入れ、
または川へ水を吐き出すための、
水門に設けられた樋(とい)。
下流の洪水を防ぐために造ったものが、
逆に洪水発生要因になってしまったとは。
設置から撤去までの78年間に
どんな変化があったのだろう?
八幡下圦樋のすぐ下流、
五ヶ村(ごかそん)堀と二ヶ領用水、
つまり水路と水路の立体交差。
上を流れるのが五ヶ村堀。
この五ヶ村堀、
小田急線向ヶ丘遊園駅の近くに
二ヶ領用水からの取水口があった
あの五ヶ村堀だ。
取水口から2km強流れて
ここまで来ている。
こんな形で再会(?)することになるとは。
その下流にも整備された親水遊歩道が続く。
と、ここまでの写真で気づいた方も
いらっしゃるかもしれないが、
宿河原堰取水口から八幡下圦樋の
すこし下流までは桜の名所でもある。
二ヶ領用水歩きをした日とは別の日
桜を見るためだけに歩いてみた。
満開の桜の時期はこんな感じになる。
上3枚の桜の写真だけ
撮影日は2024年4月7日
二ヶ領用水歩きに戻ろう。
大人がギリギリ通れるほど低い
小さな鳥居のある稲荷神社を抜けると
東名高速道路の高架が迫ってくる。
高速道路高架下に
【徒然草 第百十五段 石碑】
がある。
第百十五段が
「宿河原(しゅくがはら)といふ
ところにて、
ぼろぼろ多く集まりて・・・」
と始まっているので、
宿河原と呼ばれる
この地に建っているようだが、
「一説にはここの宿河原のこと」と
言われるレベルのものらしい。
その内容は、
宿河原のぼろぼろ(遁世者)が
自分の師の敵討ちをする話。
河原へ出て決闘し、
差し違えて死んだ話を伝え聞いた
兼好法師が、いさぎよく思えたので
「徒然草」に書き留めた、とのこと。
東名高速道路の下に、
鹿島田菅線と呼ばれる道路、
その下に二ヶ領用水という
3重構造を抜けて先に流れる。
JR南武線久地駅のそば、
下の地図の赤丸地点まで来た。
向ヶ丘遊園の方から流れてきた
二ヶ領用水(上図黄色線:下写真左)と
歩いてきた二ヶ領用水(青線:下写真右)が
合流する。
合流した二ヶ領用水は
こんな大きな流れとなって
JR南武線久地駅から先、流れていく。
二ヶ領用水歩きの見所のひとつ
久地円筒分水まではもうすぐだ。
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