名盤 CANTATE DOMINO
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名盤 CANTATE DOMINO
- 美しいエコーに包まれて -
今年(2023年)は、
クラシックCDの専門誌「レコード芸術」が
6月20日発行の7月号を最後に休刊となった。
創刊1952年、70年以上も続いていた雑誌も
音楽媒体を含めた環境の変化に
ついていけなかったようだ。
新譜CD店もレンタルCD店も
驚くほど閉店してしまい、
いまや音楽は、
スマホから小さなイヤホンで聴く、が
主流になってしまった。
CDで聴かない、
ステレオのスピーカで聴かない、
そういった時代となった今、
「お薦めCD」だの
「超優秀録音」だのと言った言葉も
事実上死語なのかもしれない。
と、そこまでわかっていながらも
今日は
「超優秀録音」の「お薦めCD」
について書きたいと思う。
紹介したいのは、
毎年12月になるとかけたくなる
CANTATE DOMINO
Oscar's Motet 合唱団
Torsten Nilsson, 指揮
Alf Linder, オルガン
Marianne Melläs, ソプラノ
スウェーデンのPROPRIUSというレーベル。
ストックホルムのOscar教会で、
1976年に録音されたもの。
オルガンと合唱による
クリスマス音楽をメインにした選曲ゆえ
この時期に聴くのにピッタリだ。
どんなCDか? まずは2曲、どうぞ。
Cantate Domino
White Christmas
パイプオルガンの響き、
合唱の透明感、
ホールエコーの美しさ、
そしてなによりも、
左右のスピーカから広がる
立体的な音場感がすばらしい。
revoxのA77という
民生用のオープンリールデッキと
たった2本のマイクだけで
録音したというのだから、
録音エンジニアは
まさにプロ中のプロなのだろう。
「弘法は筆を選ばず」だ。
Stille Nacht
Lullaby
今回、ブログを書くにあたって
公開されているものもあるかな?と
YouTubeをのぞいてみたのだが、
なんと全曲版まであった。
「超優秀録音」の「お薦めCD」ゆえ
可能ならCDで、かつ
できるだけいいステレオセットの
スピーカから、大きめな音量で
少し離れて聴くことを強くお薦めしたいが、
もしそれが叶わなかったとしても
その録音と音楽のすばらしさは
間違いなく伝わることだろう。
私が輸入盤CDとして購入したのは
もう30年近くも前。
いまだにSACD-HYBRID版が流通しており
簡単に購入できるというのも
より多くの人に
知ってもらえることに繋がるので
ファンとしては嬉しい限りだ。
CANTATE DOMINO 全曲版
12月には、なぜか人の声による
「うたもの」がよく似合う。
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