ニュースや数字を通して考えると
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ニュースや数字を通して考えると
- 普段は見えていなかったものが、 -
4月7日に発出された緊急事態宣言。
すでに7週間近くが経過しているが、
本日5月24日
「政府は北海道、埼玉、千葉、東京、
神奈川の5都道県で続く
新型コロナウイルスの
緊急事態宣言について、
今月末の期限を待たず、
25日に全面解除する方針を固めた」
なるニュースが流れてきた。
世界に目を遣ると5月23日時点で
累計感染者数 520万人超
累計死者数 33万人超
1日あたりの新規感染者数 10万人超
1日あたりの死者数 5千人超
と感染拡大自体は
依然として衰えていないが。
日本の外出自粛の影響は、
今後いろいろな角度から
分析・検証されることになるであろうが、
今日はふたつのデータを見てみたい。
ひとつ目は消費動向の一部、
「消費財の販売金額(前年比)」
について。
市場調査会社のインテージが
前年より「売れた」商品
消費財の販売金額(前年比)上位30品目
と
前年より「売れなくなった」商品
消費財の販売金額(前年比)下位30品目
を2020年4月分について発表している。
リンクをクリックする前に、
どんな商品がそれぞれの上位に来るのか、
まずは考えてみてほしい。
対象は、
[ 食品、飲料、アルコール、
雑貨、化粧品、医薬品 ]
まさに生活につながる身近なものだ。
外出自粛の生活で
「売れたもの」と
「売れなくなったもの」には、
何があるだろう?
BEST30とその詳細については
リンク先を参照いただきたいが、
TOP10だけ見てみよう。
前年比で売れたものBEST10
1. うがい薬
2. エッセンス類
3. プレミックス
4. ビデオテープ
5. 殺菌消毒剤
6. 小麦粉
7. ホイップクリーム
8. 石鹸
9. 家庭用手袋
10. 住宅用クリーナー
* うがい薬 / 殺菌消毒剤 /
石鹸 / 家庭用手袋
などは、予想通り、といった感じだろう。
衛生に関連するもの群。
* エッセンス類 / プレミックス /
小麦粉 / ホイップクリーム
などはいわゆるお菓子作り関連群。
お子さんの学校が休み、ということもあろう。
「家でお菓子でも作ろう」
の機運が高まったのだろう。
* 家庭用手袋 / 住宅用クリーナー
などのお掃除用品関連群
も在宅時間が長くなっていることを考えると
納得できる。
全く意味がわからないのが
* ビデオテープ
リンク先を見ると、
順位を決める4月第3週の値のみ
値が突出したため
たまたまベスト10に入ってしまった、
という感じだが、
仮に第3週だけだったとしても
2020年の4月、
何があれば「ビデオテープ」が
売れるのであろう?
前年比で売れなくなったものBEST10
1. 鎮暈剤(ちんうんざい)
2. 口紅
3. 日焼け・日焼け止め
4. 強心剤
5. テーピング
6. 写真用フィルム
7. ほほべに
8. ファンデーション
9. コールド&マッサージ
10. おしろい
* 鎮暈剤(ちんうんざい)
酔い止めの薬は、長距離の外出、計画が
減っているので当然だろう。
通常4月はゴールデンウィークに向けて
子供向けの薬も
売れていた時期ではないだろうか。
* 口紅 / 日焼け・日焼け止め /
ほほべに / ファンデーション /
コールド&マッサージ / おしろい
このあたり購買層は圧倒的に女性だろう。
Stay Homeとマスクは
化粧品関連にダイレクトに
響いてくるようだ。
* テーピング
スポーツ大会の休止、運動部の休部、
スポーツジムの閉鎖等の影響か。
* 強心剤
これはどうも外国人観光客による
購買が減ったことが響いているもよう。
処方箋なしで買える市販薬は、
訪日中国人観光客が爆買いしていく
製品の1つなのだとか。
* 写真用フィルム
チェキのような
その場で写真となるフィルムは
今でもライブ会場では大人気らしい。
アイドルや出演者と一緒に撮って・・・。
ことごとく休止となってしまったライブは
こんな商品にも影響を与えているようだ。
もちろんどれも想像だが、自分の消費動向と
すべてが直結しているわけではないので、
理由を考えてみるのはおもしろい。
対照的なもうひとつのデータは、
「4月の自殺者の数」
TBSなどが報じたという
exciteニュースの記事がここにある。
4月の自殺者数、前年比約20%減
厚労省などによると、
4月の全国の自殺者数は
前の年の同じ月に比べ
359人少ない1455人で19.8%減った、
とのこと。
少なくとも最近5年間では
最も大きな減少幅らしい。
ちなみにコロナによる死者の数は
2020年4月
日本において偶然にも359人。
いずれにせよ、コロナ死者数の
4倍もの人が自ら命を絶っている。
一方で、20%も減った自殺者が、
今回の自粛要請と関係があるとするなら、
「学校に行くくらいなら死んだほうがいい」
「仕事に行くくらいなら死んだほうがいい」
そう考えている人が相当数いた、
ということになるのだろうか?
他にも
「大型連休中(4月24日~5月6日)に
成田空港(千葉県成田市)から
出国した日本人は850人(速報値)と、
前年同期比99・8%減の
記録的な落ち込みとなった。
(前年同期34万8630人)」
「出入国在留管理庁は5月14日、
4月の外国人新規入国者数(速報値)が
1256人だったと発表。
(前年同月約268万人)」
35万人が850人に、
268万人が1256人に、
など、驚くべき数字を伴ったニュースが
次々と入ってきている。
どんなニュースであれ
単にニュースを読んだだけで
なにかを断定することは
もちろんできない。
しかし、なんとなく意識はしつつも
普段は見えていなかった、
あるいは見ようとしていなかったものが
緊急事態という特殊な条件と
合わせて考えることで、
別な角度から光が当てられたようになって
自分の意識の中に
浮かび上がってくることは確かにある。
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