雑誌『Interface』512号 (1)
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雑誌『Interface』512号 (1)
- 46年続く硬派技術雑誌 -
雑誌『Interface』が2019年年末発売の
2020年2月号で通算512号を迎えた。
記念の512号が「熱い」特集記事を
組んでいたので簡単に紹介したい。
いまや最新刊ではないが
今日(2020年2月2日)時点では
下記でもまだ購入可能だ。
(以下水色部は本からの引用)
雑誌『Interface』(CQ出版)は
「コンピューター・サイエンス&
テクノロジ専門誌」として
46年前の1974年に創刊された。
メーカのエンジニアとして
長く仕事をしてきた私は
ほんとうにお世話になった雑誌のひとつで
思い出も多い。
一般書店に並ぶ雑誌のひとつではあるが
硬派の技術雑誌ゆえ、
読者はかなり限られていることだろう。
ただ、多くのコンピュータ関連雑誌が
次々と廃刊となる中、
40年以上もちゃんと生き残って来たのは、
まさにその硬派の部分を
真摯に守ってきたからだと思っている。
十進数では中途半端な512を
記念にしているのは、
512を2進数で表わしたときに
10 0000 0000
( 8進数で1000
16進数で 200 )
になるからだが、
この雑誌を手に取る人にとっては
反射的に区切りのいい数字なので、
いかにもこの雑誌らしい「記念号」だ。
出版元のCQ出版社は
「Interface 512号記念オフ会」まで
開催するらしい。
「Interface512号記念特設ページ」
も開設している。
特設ページを覗くと
なつかしい表紙が並んでいて壮観だ。
ざっくり表紙のトーンで分けると、
第1世代
第2世代
第3世代
といった感じだろうか。
第一世代から知っているオジさんとしては
もうこの表紙だけでも
なつかしくて、なつかしくて。
さて、本題に移ろう。
512号の特集は、
組み込みコンピュータ技術512
9章に分けて、512の技術を網羅している。
詰め込んでいるため各項目の紹介は
名称と要点のみの簡単なものに
なってしまっているが、
選択眼と網羅率はさすがだ。
目次を見ているだけでワクワクする。
詳しくはもちろん
雑誌の方を参照してもらいたいが、
目に留まったキーワードの中から
一部を紹介しながら今の技術の世界を
眺めてみたい。
まずは、流行(はやり)のAI技術から。
第1章 | これからAI技術42+α |
1-1 | ディープ・ラーニングの2大フレームワーク |
1-2 | これまでも使われてきたAIアルゴリズム16 |
1-3 | これから注目の人工知能アルゴリズム4+α |
1-4 | これまでの/これからの自然言語処理16+α |
1-5 | AI における法律の勘所4 |
(CQ出版が公開している
第1章のページへのリンクはこちら)
1-1で紹介されている2大フレームワークとは
(1) Tensor Flow と
(2) PyTorch
(1) Tensor Flow
* 世界で最もよく利用されているため、
ネット上の情報、日本語の書籍も多い。
* 動的にNNモデルを
生成できるようになったので
ニューラル・ネットワークの定義が
書きやすくなった。
* プロダクション・レベルの実装が
もっともやりやすい。
* 初心者向けのチュートリアルも充実。
* デプロイツールが提供されており
Raspberry Piなどの
エッジ・コンピュータでも
アプリケーション開発が容易。
(2) PyTorch
* 特に研究者に好まれ近年急成長中。
* 研究開発、新しい論文が出ると
その手法のPyTorch実装が
すぐに行われることもよくある。
といった要領を得た簡潔なコメントが並ぶ。
限られた紙幅の中
日本は特殊で「Chainer」が
TensorFlowと良い勝負を
続けていた時代があったが、
Chainerの開発が終了したとの
ニュースもあり、日本も2大勢力に
巻き込まれていくだろう。
といった内容のコメントまである。
供給元は
Tensor Flow が Google
PyTorch が Facebook
この分野もこの2社に
ガッツリ掴まれてしまっている。
記念の512号、
他の章ももう少し見ていきたいと思う。
続きは次回に。
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