初めての中国・上海 (6)
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初めての中国・上海 (6)
- 見下ろす景色と豫園と -
すでに6日も経ってしまいましたが、
あけましておめでとうございます。
=========
安倍首相、
新元号は「4月1日公表」と正式発表
=========
なる見出しが「産経ニュース」で流れ、
それに対して
「えっ! 新元号って
『4月1日公表』っていう名前に
なったっていうこと?」
と白々しい誤解のコメントで
ツイッターが盛り上がるのは
そんなにきらいじゃぁないのですが
その中に、
「読み方は、
『わたぬききみひら』でしょ」
なるコメントがあって
さらに気に入りました。
四月一日になると
綿の入っている着物を脱いで
あわせの着物になる事から
四月一日(四月朔日)を
『わたぬき』と読むのだとか。
世界はいろいろなところから
広がるものです。
とまぁ、
自分自身への備忘録を兼ねた
ブログではありますが、
気ままに続けていきたいと
思っていますので、
今後ともどうぞよろしくお願いします。
皆様にとって素敵な一年となりますよう。
***************
というわけで(?)
前回に引き続き、
2018年11月、出張で行った
中国・上海で印象に残ったことを
写真を添えて紹介したい。
今日はその最終回。
仕事が終わって日本に帰る土曜日。
飛行機の出発時間までの半日、
上海観光をしようと思っていた。
すると、私が「上海は初めて」、
と言っていたせいか、
訪問先の会社の方のおひとりが
気を遣って下さり、
休日にもかかわらず、
「案内しますよ」
と言って来て下さった。
初めての国であっても、
自分であれやこれや悩みながら
観光することはちっとも苦ではなかったし、
自分ペースで回れるほうが
気が楽だと思っていたし、
なにより相手のお休みの日を
私のために使わせてしまうのは
申し訳なかったので、
一旦は丁寧にお断りした。
ところが、金曜日
私の固辞を忘れたかのように
「明日はどこに行きたい?」
とかなり積極的。
熱意におされて
今回は厚意に甘えることにした。
現地中国人による英語のガイド付き
半日ツアー、贅沢な時間だ。
こうなれば、逆に任せてしまおう。
土曜日の朝、
ホテルまで来てくれた彼が
最初に「行こう!」と
連れて行ってくれたのは、
黄浦江という川の東側「浦東エリア」。
高層ビルが多い地域の中でも、
特に目立っているビルのひとつ。
ここに上って、まずは上から眺めよう、
ということになった。
展望台があるような高い塔やビルは
他にいくつもあるのに、
「ここは日本の森ビルが作ったンですよ。
エレベータも東芝のもので
すごく静かで速いンです」
と日本人が少しでも喜びそうな
日本に関連の深いビルを選んでくれる
その心遣いがうれしい。
91階のレストランを目指す。
「上海環球金融中心」
2008年に日本の森ビルが
15年の歳月をかけて完成させた。
高さは494mもある。
日本一の「あべのハルカス」でも300mだ。
91階からの眺め。
正面の赤い玉を持つ塔は、
上海のシンボルタワー
「東方明珠塔」高さ462m。
下の写真右側の高層ビルは
「金茂大厦88層観光庁」
高さ420.5m、88階建ての高層ビル
前夜、金曜日の夜
こんなふうにライトアップされていた
対岸のバンドエリアも
全景がよく見渡せる。
川沿いのビルをライトアップすることは、
regulationで決まっているらしい。
照明の電気代も
税金で払われているのだとか。
79階から94階には5つ星のホテル
「パークハイアット上海」が入っている。
なんて高いところにあるホテルなんだ。
(値段も高いらしいけれど)
ここは、ホテルの朝食にも
使われているレストランゆえ
景色だけでなく雰囲気もいい。
降りてくると、すぐとなりには
2016年に完成したばかりの
「上海中心(上海タワー)」。
高さはなんと632m!!
もう一度書く、
日本一の「あべのハルカス」でも300mだ。
91階から頭部が見えていた
金茂大厦88層観光庁も
下から見るとこんな感じ。
竹をモチーフにした外観らしいが、
言われてみるとわからなくもない。
近代的な超高層ビル群を
見たあとは、
川の対岸、
「豫園(よえん)」に向かった。
豫園は
江南古典庭園の名園と称されるところだが、
まわりは豫園商城と呼ばれる
土産物屋が並ぶ
一大観光スポットとなっている。
まずはチケットを買って
豫園(よえん)見学。
入り口の門は小さいが、
見上げると石の彫刻がすごい。
漸入佳境と呼ばれる遊廊。
仰山堂からの庭の眺め。
仰山堂は1866年に創建された。
足元を見ると、
敷き詰められた石の模様が
エリアによって違っていておもしろい。
くり抜き門が随所に見られる。
石の配置に特徴のある庭園
瓦にも細部まで手の込んだ施しが。
屋根も独特な形状をしている。
「龍壁」と呼ばれる塀。
思わず写真を撮りたくなるが、
同行の中国人によると
再建時に観光用に作られたもので
もともと古くからあったものではない、
とのこと。
ガジュマルで作られた家具や彫刻のある
建物もある。
池や遊廊との組合せも絶妙。
内園と呼ばれる
7m四方の舞台を囲む空間。
窓の格子も細かくて美しい。
豫園を出ると、
同じトーンで作られた
巨大な土産物屋が目の前に迫ってくる。
豫園の外ながら、隣接して建つ
「上海緑波廊酒楼」。
中国十大レストランの1つに名を連ねる
上海料理の名店だ。
ちょうど季節ということもあり、
ここで有名な「上海蟹」を
食べることにした。
昼食時は予約ができないらしく、
受付で名前を登録して順番を待つ。
もちろんお知らせはスマホに来る。
なので、入り口付近でじっと待たずに
近くの土産物店をウロウロしながら
待つことができるのだが、
土曜日の昼時、園周辺は観光客で大混雑。
呼ばれてもサクサクと移動できないので、
ついつい入口付近で待つ人が多くなる。
ここで待っているとき、同行の中国人が
おもしろいことを言った。
「このお店は、
観光地のベストロケーションにあるので
観光客でいつも溢れかえっている。
レストランの名店としても
よく知られていて、
大統領や王様級のお客様も来る。
つまり商売としては大繁盛なのだが、
お店はgovernmentがやっている。
なので、お客様で大賑わいなのに、
店員にはお客への笑顔がないンだ。
見ててみて。
笑わないから」
思わずその視点で店員を見てしまう。
なるほど、キビキビと動き、
事務的に忙しそうに働いてはいるが、
愛想笑いも含めて笑顔がない。
忙しくて機嫌が悪い、
というわけではないようだ。
笑顔がなくても、
対応自体が悪いわけではない。
上海蟹を頼むと、調理前の
数杯の蟹をザルに入れて持ってきて
「選べ」と言う。
もちろん私には選べないので、
同行の中国人に頼んでしまった。
「どこを見て選ぶの?」
会話が弾む。
2杯決定!
しばらく待つと、
この状態で目の前に再登場。
食べ方(解体の仕方)を
教わりながら初上海蟹。
蟹を食べると皆静かになってしまうのは
洋の東西、というか国を問わないようだ。
手も汚れてしまったので
以降写真なし。
独特な甘みもあって
ほんとうにおいしい蟹だった。
半日ではあったが、
ガイド付きの贅沢な観光終了。
丁寧に礼を言い、空港に向かった。
もし、彼が日本に来た時は、
ぜひともこの御礼をしたいと思うのだが、
さて、半日あったとして、
東京ならどこに案内しよう?
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はまさん、明けましておめでとうございます。
上海は超近代的な高層ビル群と古い街並みも残る素敵な都市ですね。
現地の中国の方の案内でより良い観光が出来て良かったと思います。私はまだ食べたことがないのですが、上海蟹は有名でやはり美味しいのですね。
まだヨーロッパがメインですが、時間が出来たらいつか上海を訪ねてみたいです。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
投稿: omoromachi | 2019年1月 6日 (日) 21時47分
omoromachiさん、
明けましておめでとうございます、
そしてコメントをありがとうございました。
ブログを拝見するとomoromachiさんも
たった一泊ながら台北での新年を迎えられた由。
精神的にも肉体的にもたいへんなお仕事が続く中
大きな気分転換になったのではないでしょうか。
自分への備忘録を兼ねて自己満足で続けているブログではありますが、
こうしてコメントをいただけるとほんとうに励みになります。
今年もどうぞよろしくお願いします。
投稿: はま | 2019年1月 6日 (日) 23時02分