科学

2019年1月13日 (日)

2019 数字あそび

(全体の目次はこちら


2019 数字あそび

- 降順と昇順の傑作 -

 

2019年が始まった。

ここに書いた通り、
数学好きと言うか、数字好きな人は
数字を見るとまずは「素数」に
反応してしまうようだが、
一見素数のニオイがするものの
「2019」は素数ではない。

(「素数」とは中学で習った
 「1より大きい自然数で、正の約数が
  1と自分自身のみであるもののこと」
 小さいところだと
  2, 3, 5, 7, 11 ・・・)

2017 は素数だったが、
2018 = 2 x 1009 (2 x 素数)
2019 = 3 x 673  (3 x 素数)

ちなみに、次に素数となる年号は
一見素数のような気がしない
つまり約数があるような気がする
2027。

2017年に「2017」を使った
数字あそびを書いたので、
今回は「2019」を使った数字あそびを
紹介したい。

(えっ、2017の次は2019で、
 2018年ネタはないの?
 なる反応があるとも思えないが、
 2019ネタを始める前に
 ひとつだけ2018年関連ネタを。
 
 2018年10月19日。
  [  20181019 ]:素数!
  [    181019 ]:素数!
  [      81019 ]:素数!
  [        1019 ]:素数!
  [          19 ]:素数!)

 

では、2019ネタを始めたい。

(AA) 【降順(・・4, 3, 2, 1・・)で】
 ではこれが見事。

210 + 29 + 28 + 27 + 26 + 25 + 24 - 23 - 22 - 21 + 20 = 2019

10 x 9 x 8 x 7 / 6 / 5 x 4 x 3 + 2 + 1 = 2019

 

(BB) 【昇順(1, 2, 3, 4 ・・)で】
 の傑作は3乗で揃えたこれ。

13 - 23 - 33 + 43 - 53 + 63 - 73 + 83 + 93 + 103 = 2019

 

(CC) 【3つの「素数の2乗」の和】
 6通りで記述できる最小数らしい。

(1) 72 + 112 + 432 = 2019

(2) 72 + 172 + 412 = 2019

(3) 132 + 132 + 412 = 2019

(4) 112 + 232 + 372 = 2019

(5) 172 + 192 + 372 = 2019

(6) 232 + 232 + 312 = 2019

 

(DD) 【2019の数字の並びそのまま2回使って】

201 x 9 + 201 + 9 = 2019

 

(EE) 【その他べき乗を使って】

74 -63 -53 -43 +33 -22 = 2019

64 +54 +34 +24 +14 = 2019

55 -45 -34 -14 = 2019

37 -35 +34 -32 +31 = 2019

211 -24 -23 -22 -20 = 2019

 

(FF) 【こんな長いものも】

12 + 22 + 23 + 24 + 25 + 26 + 27 +
32 + 33 + 34 + 35 + 52 + 53 +
62 + 63 + 72 + 102 + 112 + 122 +
132 + 142 + 152 = 2019

 

発見した方々に敬意を表して、
記録としてここに留めておきたい。

「2017」の時と同様、
「だからナンだ」と聞かれても
返す言葉はないのだけれど。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2018年12月16日 (日)

初めての中国・上海 (3)

(全体の目次はこちら


初めての中国・上海 (3)

- バイクの防寒対策とエレベータの制御 -

 

前回に引き続き、
2018年11月、出張で行った
中国・上海で印象に残ったことを
写真を添えて紹介したい。

 

【女性比率】
「共働きが基本」の中国だからだろうが、
訪問した中国企業内を案内していただくと、
オフィス内の男女比がほぼ1対1。

私自身は、日本で
男性の多い職場で働いているせいか、
妙に女性が多く感じる。

「一緒に働いてみると
 女性は男性よりも仕事ができる人が多いし、
 事実、管理職の女性比率も高いンですよ」
とは、訪問した会社の人の弁。

 

ほぼ同数が働いているわけだから
朝の通勤の様子も当然ながらほぼ同数。
女性の年齢層も幅広い。
電車・バスだけでなく、
自転車やバイクも通勤によく使われている。
子供を乗せた二人乗り、三人乗りも
よく見かける。

 

【バイクの風よけ】
通勤時間帯のバイク。
すごい数だ。

Pb022186s

ほとんどが電動バイク。
排気ガスの出るエンジンではない。
「もう95%以上はモータだよ」
と現地の方。

Pb022188s

PM2.5を含め
大気汚染の浄化計画の一部として
電化が進んだらしい。

Pb022189s

バイクの電化だけが理由ではないだろうが、
一時期に比べ
空気は相当きれいになった、とのこと。

実際に街を歩いていても、
大気汚染は特に気にならない。

Pb022191s

で、このバイク、
風を切って寒いのはわかるが、
日本では見ない防寒対策をとっている。

どれもオシャレとはほど遠いものの
効果はありそうだ。

Pb032332s

ダウンのものは軽そうだが、
日本の「どてら」のような
ずっしりと重そうなものもある。

Pb022196s

空気がきれいになった一方で、
大量にゴミとして破棄される
バッテリーの処分が
大きな社会問題となっているらしく、
話を聞いた中国人の言葉を借りると
「電化によって、
 ここにあった問題が
 あっちに移っただけ

言い得て妙だ。

解決案って、解決しているようで実は
「あっちに移っただけ」ということが多い。
「あっち」を見ないようにさえすれば
「ここ」の問題は
解決したかのように見えるけれど、
「あっち」には新たな問題が発生している。

いろいろなところで使えそうな
深い言葉だったゆえ
思わずメモってしまった。

ただ、英語で聞いたコメントを
一旦日本語で解釈してしまうと、
意味はわかっても
もとの英語には戻せないことが多い。
悲しい、というか情けないのだけど。

 

電化されてモータになったせいで、
走行時ほとんど音がしない。

大量に「静かな」バイクが走っているが、
運転のお行儀はあまりよろしくない。

なので、街中で歩いていて
一番気をつけないといけないのは
バイクかもしれない。

ほんとうに静かなンで
何度もヒヤッとさせられた。

 

【エレベータの制御】
訪問した会社は
新しい大きなオフィスビルの15階。

ここのエレベータも初めてのタイプだった。

複数台のエレベータが並ぶ
エレベータホールの入り口付近に
操作パネルがあり、まず最初に
「行きたい階」を押す。
押した瞬間にエレベータの箱を示す
記号(例えば[D])が表示される。

あとは、[D]の前で待って、
来たエレベータに乗り込む。
乗り込むと
当然ながらすでに行き先階のボタンは
押してある。
あとは乗って到着を待つだけ。
箱内ではなにも操作する必要がない。

通常日本で繰り返している
(a) [上下のボタンを押して待つ]
(b) [乗り込む]
(c) [箱内で行き先階を押す]

の(a)と(c)2回押しのアクションが
「最初に行き先を押す」という
1回の操作だけで済む。

こうすれば、
乗る人の操作が減るだけでなく
同じ階に行く人を事前にまとめる等、
グルーピングも可能で、
各階にひとりずつ、という非効率な運行を
事前に避けることもできる。

実際にどんなロジックを使っているのか
もちろんそこまではわからなかったが、
ちょっと賢いロジック(AI)を使えば
エレベータの回転率を
かなり効率化できそうだし、
すでにそうなっているのかもしれない。

オフィスビルでのエレベータの乗り方、
こういったまさに「枯れた」操作系も
まだまだ改善の余地はある、ということか。
エンジニアとしては、
「ボーっと生きてんじゃねえよ!」
と言われた気がした。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2018年11月18日 (日)

完全版 小町算・変則小町算 全解答一覧

(全体の目次はこちら


完全版 小町算・変則小町算 全解答一覧

- わずか3項、2項による解も -

 

以前公開した記事、
完全版 テンパズル (10puzzle) 全問題 全解答一覧
読者の方から
「変則小町算の完全解もお願いします」なる
リクエストをいただいた。

「オーストリア旅行記が終わったら
 記事にしてみます」
と返答し、お約束していたので、
「はまめも」復帰の第一弾は
このネタにトライしてみたい。

 

「小町算」は知っているが
「変則小町算」って何?

まずは定番、小町算から。

【小町算】は、
1□2□3□4□5□6□7□8□9
の□の中に「+ - * /」の
四則演算子を入れて式を作り、
その計算値が100となる計算式
探し出すパズルだ。
なお□の中には四則演算子の他、
「何も入れない」という選択肢もあり、
その場合は、隣り合った数字を
複数桁の数字として扱うことになる。
数字の位置の入れ替えと、
演算順位を変えるかっこの利用は禁止。

つまり、
1□2□3 を、
123 としても、
12*3 としても、
1/23 としても、
1+2*3 としても扱うことができる。

【変則小町算】は、同じルールで、
計算値が「ゼロ」になる計算式
探し出すもの。

 

【全計算式】
数と数の間が8個で、そこに
「四則演算子+空白」の5種の記号の
どれかが入って式が一意に確定するので、

式の数は 5 ^ 8 = 390,625。

全部で約39万式。
そのうち、
計算値が100になるものが小町算で、
計算値がゼロになるものが変則小町算
ということになる。

プログラムを使って
簡単に解くことができるが、
テンパズルと違って
式の整理や
同一式のチェックが必要ないので、
式の発見と同時に
公開一覧表もすっきり作ることができる。

小町算の式の数が101、
変則小町算の式の数が167、
これが全解答数。

小町算では、
「12/3 + 4*5*6*7/8 - 9」
のように3項で解けるものが4式、

変則小町算では、
「12*3 - 4*56/7/8*9」
のようにわずか2項で解けるものが7式も
ある。
しかもその中には、
「12*3/4*56/7/8 - 9」のように
「12*3/4*56/7/8」という
8つの数字を使った項が登場するものも
2式ある。

 

【小町算 全解答一覧】
小町算:計算値が100になる式
■■は構成項数が最小[3]のもの。
■■は5つ以上の数字で構成される項を含むもの。
■■は構成項数が最大[8]のもの。

第一演算子まで No. 小町算
(計算値が「100」になる式)
項の数 5つ以上の
数字を使う項
123 + 1 123 + 45 - 67 + 8 - 9 5
2 123 + 4 - 5 + 67 - 89 5
3 123 + 4*5 - 6*7 + 8 - 9 5
123 - 4 123 - 45 - 67 + 89 4
5 123 - 4 - 5 - 6 - 7 + 8 - 9 7
12 + 6 12 + 34 + 5*6 + 7 + 8 + 9 6
7 12 + 34 - 5 + 6*7 + 8 + 9 6
8 12 + 34 - 5 - 6 + 7*8 + 9 6
9 12 + 34 - 5 - 6 - 7 + 8*9 6
10 12 + 3 + 4 + 5 - 6 - 7 + 89 7
11 12 + 3 + 4 - 56/7 + 89 5
12 12 + 3 - 4 + 5 + 67 + 8 + 9 7
13 12 + 3*45 + 6*7 - 89 4
14 12 + 3*4 + 5 + 6 + 7*8 + 9 6
15 12 + 3*4 + 5 + 6 - 7 + 8*9 6
16 12 + 3*4 - 5 - 6 + 78 + 9 6
12 - 17 12 - 3 + 4*5 + 6 + 7*8 + 9 6
18 12 - 3 + 4*5 + 6 - 7 + 8*9 6
19 12 - 3 - 4 + 5 - 6 + 7 + 89 7
20 12 - 3 - 4 + 5*6 + 7*8 + 9 6
21 12 - 3 - 4 + 5*6 - 7 + 8*9 6
12* 22 12*3 - 4 + 5 - 6 + 78 - 9 6
23 12*3 - 4 - 5 - 6 + 7 + 8*9 6
24 12*3 - 4*5 + 67 + 8 + 9 5
12/ 25 12/3 + 4*5 - 6 - 7 + 89 5
26 12/3 + 4*5*6 - 7 - 8 - 9 5
27 12/3 + 4*5*6*7/8 - 9 3 4*5*6*7/8
28 12/3/4 + 5*6 + 78 - 9 4
1 + 29 1 + 234 - 56 - 7 - 8*9 5
30 1 + 234*5*6/78 + 9 3 234*5*6/78
31 1 + 234*5/6 - 7 - 89 4 234*5/6
32 1 + 23 - 4 + 56 + 7 + 8 + 9 7
33 1 + 23 - 4 + 56/7 + 8*9 5
34 1 + 23 - 4 + 5 + 6 + 78 - 9 7
35 1 + 23 - 4 - 5 + 6 + 7 + 8*9 7
36 1 + 23*4 + 56/7 + 8 - 9 5
37 1 + 23*4 + 5 - 6 + 7 - 8 + 9 7
38 1 + 23*4 - 5 + 6 + 7 + 8 - 9 7
39 1 + 2 + 34 - 5 + 67 - 8 + 9 7
40 1 + 2 + 34*5 + 6 - 7 - 8*9 6
41 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8*9 8
42 1 + 2 + 3 - 45 + 67 + 8*9 6
43 1 + 2 + 3 - 4 + 5 + 6 + 78 + 9 8
44 1 + 2 + 3 - 4*5 + 6*7 + 8*9 6
45 1 + 2 + 3*4 - 5 - 6 + 7 + 89 7
46 1 + 2 + 3*4*56/7 - 8 + 9 5 3*4*56/7
47 1 + 2 + 3*4*5/6 + 78 + 9 5
48 1 + 2 - 3*4 + 5*6 + 7 + 8*9 6
49 1 + 2 - 3*4 - 5 + 6*7 + 8*9 6
50 1 + 2*34 - 56 + 78 + 9 5
51 1 + 2*3 + 4 + 5 + 67 + 8 + 9 7
52 1 + 2*3 + 4*5 - 6 + 7 + 8*9 6
53 1 + 2*3 - 4 + 56/7 + 89 5
54 1 + 2*3 - 4 - 5 + 6 + 7 + 89 7
55 1 + 2*3*4*5/6 + 7 + 8*9 4 2*3*4*5/6
1 - 56 1 - 23 + 4*5 + 6 + 7 + 89 6
57 1 - 23 - 4 + 5*6 + 7 + 89 6
58 1 - 23 - 4 - 5 + 6*7 + 89 6
59 1 - 2 + 3 + 45 + 6 + 7*8 - 9 7
60 1 - 2 + 3*4 + 5 + 67 + 8 + 9 7
61 1 - 2 + 3*4*5 + 6*7 + 8 - 9 6
62 1 - 2 + 3*4*5 - 6 + 7*8 - 9 6
63 1 - 2 - 34 + 56 + 7 + 8*9 6
64 1 - 2 - 3 + 45 + 6*7 + 8 + 9 7
65 1 - 2 - 3 + 45 - 6 + 7*8 + 9 7
66 1 - 2 - 3 + 45 - 6 - 7 + 8*9 7
67 1 - 2 - 3 + 4*56/7 + 8*9 5
68 1 - 2 - 3 + 4*5 + 67 + 8 + 9 7
69 1 - 2*3 + 4*5 + 6 + 7 + 8*9 6
70 1 - 2*3 - 4 + 5*6 + 7 + 8*9 6
71 1 - 2*3 - 4 - 5 + 6*7 + 8*9 6
1* 72 1*234 + 5 - 67 - 8*9 4
73 1*23 + 4 + 56/7*8 + 9 4
74 1*23 + 4 + 5 + 67 - 8 + 9 6
75 1*23 - 4 + 5 - 6 - 7 + 89 6
76 1*23 - 4 - 56/7 + 89 4
77 1*23*4 - 56/7/8 + 9 3
78 1*2 + 34 + 56 + 7 - 8 + 9 6
79 1*2 + 34 + 5 + 6*7 + 8 + 9 6
80 1*2 + 34 + 5 - 6 + 7*8 + 9 6
81 1*2 + 34 + 5 - 6 - 7 + 8*9 6
82 1*2 + 34 - 56/7 + 8*9 4
83 1*2 + 3 + 45 + 67 - 8 - 9 6
84 1*2 + 3 + 4*5 + 6 + 78 - 9 6
85 1*2 + 3 - 4 + 5*6 + 78 - 9 6
86 1*2 + 3*4 + 5 - 6 + 78 + 9 6
87 1*2 - 3 + 4 + 56/7 + 89 5
88 1*2 - 3 + 4 - 5 + 6 + 7 + 89 7
89 1*2 - 3 + 4*5 - 6 + 78 + 9 6
90 1*2*34 + 56 - 7 - 8 - 9 5
91 1*2*3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8*9 6
92 1*2*3 - 45 + 67 + 8*9 4
93 1*2*3 - 4 + 5 + 6 + 78 + 9 6
94 1*2*3 - 4*5 + 6*7 + 8*9 4
95 1*2*3*4 + 5 + 6 + 7*8 + 9 5
96 1*2*3*4 + 5 + 6 - 7 + 8*9 5
97 1*2*3*4 - 5 - 6 + 78 + 9 5
98 1*2/3 + 4*5/6 + 7 + 89 4
1/ 99 1/2*34 - 5 + 6 - 7 + 89 5
100 1/2*3/4*56 + 7 + 8*9 3 1/2*3/4*56
101 1/2/3*456 + 7 + 8 + 9 4 1/2/3*456

 

【変則小町算 全解答一覧】
変則小町算:計算値がゼロになる式
■■は構成項数が最小[2]のもの。
■■は5つ以上の数字で構成される項
  または分数項(整数にならない項)を含むもの。
■■は構成項数が最大[8]のもの。

第一演算子まで No. 変則小町算
(計算値が「ゼロ」になる式)
項の数 5つ以上の
数字を使う項
or 分数項
123- 1 123 - 4 - 5 - 6*7 - 8*9 5
12+ 2 12 + 34 - 56 - 7 + 8 + 9 6
3 12 + 34 - 5 + 6 - 7*8 + 9 6
4 12 + 34 - 5 - 6*7 - 8 + 9 6
5 12 + 3 + 4 - 5 - 6 - 7 + 8 - 9 8
6 12 + 3 - 45 + 6 + 7 + 8 + 9 7
7 12 + 3 - 45 - 6*7 + 8*9 5
8 12 + 3 - 4 + 5 - 6 + 7 - 8 - 9 8
9 12 + 3 - 4*56/7 + 8 + 9 5
10 12 + 3 - 4*5 - 67 + 8*9 5
11 12 + 3*4 - 5*6 + 7 + 8 - 9 6
12- 12 12 - 34 + 5*6 - 7 + 8 - 9 6
13 12 - 3 + 4 + 56 - 78 + 9 6
14 12 - 3 + 4 + 5 + 6 - 7 - 8 - 9 8
15 12 - 3 - 4 - 5 + 6 - 7 - 8 + 9 8
16 12 - 3 - 4 - 5 - 6 + 7 + 8 - 9 8
17 12 - 3*4 + 5 + 67 - 8*9 5
18 12 - 3*4 - 5 - 67 + 8*9 5
12* 19 12*3 + 45 + 6 - 78 - 9 5
20 12*3 + 4 + 56 - 7 - 89 5
21 12*3 + 4 - 56*7/8 + 9 4
22 12*3 + 4 - 5*6 + 7 - 8 - 9 6
23 12*3 - 4 - 56 + 7 + 8 + 9 6
24 12*3 - 4*56/7/8*9 2 4*56/7/8*9
25 12*3 - 4*5 - 6 + 7 - 8 - 9 6
26 12*3 - 4/56*7*8*9 2 4/56*7*8*9
27 12*3*4 - 5 - 67 - 8*9 4
28 12*3/4 + 56 + 7 - 8*9 4
29 12*3/4 + 56 - 7*8 - 9 4
30 12*3/4 + 56/7 - 8 - 9 4
31 12*3/4 + 5 - 6 - 7 + 8 - 9 6
32 12*3/4 - 56 + 7*8 - 9 4
33 12*3/4 - 56/7 + 8 - 9 4
34 12*3/4 - 56/7/8*9 2 56/7/8*9
35 12*3/4 - 5 + 6 + 7 - 8 - 9 6
36 12*3/4*56 - 7*8*9 2 12*3/4*56
37 12*3/4*56/7 - 8*9 2 12*3/4*56/7
38 12*3/4*56/7/8 - 9 2 12*3/4*56/7/8
39 12*3/4/56*7*8 - 9 2 12*3/4*56/7*8
12/ 40 12/3 + 4 + 56/7/8 - 9 4
41 12/3 - 45 + 6*7 + 8 - 9 5
42 12/3 - 45 - 6 + 7*8 - 9 5
43 12/3 - 4 + 5 + 67 - 8*9 5
44 12/3 - 4 - 5 - 67 + 8*9 5
45 12/3 - 4*5 + 6 - 7 + 8 + 9 6
46 12/3/4 - 5 - 6 - 7 + 8 + 9 6
47 12/3/4*5 + 67 - 8*9 3
1+ 48 1 + 23 - 4 + 5 - 6*7 + 8 + 9 7
49 1 + 23 - 4 - 5*6 - 7 + 8 + 9 7
50 1 + 23 - 4*5 + 6 + 7 - 8 - 9 7
51 1 + 23 - 4*5*6 + 7 + 89 5
52 1 + 23*4 - 5 - 6 + 7 - 89 6
53 1 + 2 + 3 + 4 - 56/7/8 - 9 6
54 1 + 2 + 3 + 4 - 5 + 67 - 8*9 7
55 1 + 2 + 3 - 4*5 + 6 + 7 - 8 + 9 8
56 1 + 2 + 3*4*5 + 6 - 78 + 9 6
57 1 + 2 - 34 - 56 + 78 + 9 6
58 1 + 2 - 3*4 + 56 - 7*8 + 9 6
59 1 + 2 - 3*4 + 56/7 - 8 + 9 6
60 1 + 2 - 3*4 + 56/7/8*9 4
61 1 + 2 - 3*4 + 5 - 6 - 7 + 8 + 9 8
62 1 + 2 - 3*4 - 56 + 7*8 + 9 6
63 1 + 2 - 3*4 - 56 - 7 + 8*9 6
64 1 + 2 - 3*4 - 56/7 + 8 + 9 6
65 1 + 2 - 3*4 - 5 + 6 + 7 - 8 + 9 8
66 1 + 2 - 3*4*56/7/8 + 9 4
67 1 + 2 - 3*4/56*7*8 + 9 4
68 1 + 2*3 + 45 - 6*78/9 4
69 1 + 2*3 + 4 + 5 - 6 + 7 - 8 - 9 8
70 1 + 2*3 - 4 - 5 - 6 + 7 - 8 + 9 8
71 1 + 2*3*4 + 5 + 6*7 - 8*9 5
72 1 + 2*3*4 + 5 - 6 - 7 - 8 - 9 7
73 1 + 2*3*4 - 56/7 - 8 - 9 5
74 1 + 2/3 - 4 + 5 + 6 - 78/9 6 2/3,  78/9
75 1 + 2/3*45/6 - 7 - 8 + 9 5 2/3*45/6
76 1 + 2/3*45/6 - 7 - 8 + 9 5 2/3*45/6
1- 77 1 - 23 + 4*5 - 6 + 7 - 8 + 9 7
78 1 - 23 - 4 - 56 - 7 + 89 6
79 1 - 23*4*5 + 6*78 - 9 4
80 1 - 2 + 3 + 45 + 6*7 - 89 6
81 1 - 2 + 3 + 4 - 5*6 + 7 + 8 + 9 8
82 1 - 2 + 3 + 4*5 + 67 - 89 6
83 1 - 2 + 3 - 45 + 6*7 - 8 + 9 7
84 1 - 2 + 3 - 4*5 - 6 + 7 + 8 + 9 8
85 1 - 2 + 3*4 + 5 - 6 + 7 - 8 - 9 8
86 1 - 2 + 3*4*5 + 6 + 7 - 8*9 6
87 1 - 2 + 3*4*5 + 6 - 7*8 - 9 6
88 1 - 2 + 3*4*5 - 6*7 - 8 - 9 6
89 1 - 2 - 34 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 8
90 1 - 2 - 34 + 5 - 6*7 + 8*9 6
91 1 - 2 - 34 - 5*6 + 7*8 + 9 6
92 1 - 2 - 34 - 5*6 - 7 + 8*9 6
93 1 - 2 - 3 + 45 + 6 - 7*8 + 9 7
94 1 - 2 - 3 + 45 - 6*7 - 8 + 9 7
95 1 - 2 - 3 + 4 + 5 + 67 - 8*9 7
96 1 - 2 - 3 + 4 - 5 - 67 + 8*9 7
97 1 - 2 - 3 + 4*5 - 6 + 7 - 8 - 9 8
98 1 - 2 - 3 - 4 - 56/7/8 + 9 6
99 1 - 2 - 3*4 - 56 + 78 - 9 6
100 1 - 2 - 3*4 - 5 - 6 + 7 + 8 + 9 8
101 1 - 2*3 + 4 + 5 + 6 + 7 - 8 - 9 8
102 1 - 2*3 - 45 + 67 - 8 - 9 6
103 1 - 2*3 - 4 + 56 - 7*8 + 9 6
104 1 - 2*3 - 4 + 56/7 - 8 + 9 6
105 1 - 2*3 - 4 + 56/7/8*9 4 56/7/8*9
106 1 - 2*3 - 4 + 5 - 6 - 7 + 8 + 9 8
107 1 - 2*3 - 4 - 56 + 7*8 + 9 6
108 1 - 2*3 - 4 - 56 - 7 + 8*9 6
109 1 - 2*3 - 4 - 56/7 + 8 + 9 6
110 1 - 2*3 - 4 - 5 + 6 + 7 - 8 + 9 8
111 1 - 2*3 - 4*56/7/8 + 9 4 4*56/7/8
112 1 - 2*3 - 4*5 + 6*7 - 8 - 9 6
113 1 - 2*3 - 4/56*7*8 + 9 4 4/56*7*8
114 1 - 2*3*4 + 5 - 6 + 7 + 8 + 9 7
115 1 - 2*3*4 - 56 + 7 + 8*9 5
116 1 - 2/3*4*5*6 + 7 + 8*9 4 2/3*4*5*6
1* 117 1*23 + 45 - 67 + 8 - 9 5
118 1*23 + 4 - 5 + 67 - 89 5
119 1*23 + 4*5 - 6*7 + 8 - 9 5
120 1*23 - 45 - 67 + 89 4
121 1*23 - 4 - 5 - 6 - 7 + 8 - 9 7
122 1*2 + 34 + 5 + 6 - 7*8 + 9 6
123 1*2 + 34 + 5 - 6*7 - 8 + 9 6
124 1*2 + 34 - 5*6 - 7 - 8 + 9 6
125 1*2 + 3 + 45 - 67 + 8 + 9 6
126 1*2 + 3 + 4 + 56 + 7 - 8*9 6
127 1*2 + 3 + 4 + 56 - 7*8 - 9 6
128 1*2 + 3 + 4 + 56/7 - 8 - 9 6
129 1*2 + 3 + 4 + 5 - 6 - 7 + 8 - 9 8
130 1*2 + 3 + 4 - 56 + 7*8 - 9 6
131 1*2 + 3 + 4 - 56/7 + 8 - 9 6
132 1*2 + 3 + 4 - 56/7/8*9 4 56/7/8*9
133 1*2 + 3 + 4 - 5 + 6 + 7 - 8 - 9 8
134 1*2 + 3 + 4*56/7/8 - 9 4
135 1*2 + 3 + 4*5 - 6*7 + 8 + 9 6
136 1*2 + 3 + 4/56*7*8 - 9 4 4/56*7*8
137 1*2 + 3 - 4 - 5 - 6 - 7 + 8 + 9 8
138 1*2 + 3*4*5/6*7 - 8*9 3 3*4*5/6*7
139 1*2 - 34 + 56 - 7 - 8 - 9 6
140 1*2 - 3 + 4 - 5 - 6 + 7 - 8 + 9 8
141 1*2 - 3 - 4 + 5 + 6 - 7 - 8 + 9 8
142 1*2 - 3 - 4 + 5 - 6 + 7 + 8 - 9 8
143 1*2 - 3*4 + 56/7/8 + 9 4
144 1*2 - 3*4 + 5 - 67 + 8*9 5
145 1*2 - 3*4*5/6 + 7 - 8 + 9 5
146 1*2 - 3/4 - 5 - 6*7/8 + 9 5
147 1*2*34 + 5 + 6 - 7 - 8*9 5
148 1*2*34 - 5 + 6 - 78 + 9 5
149 1*2*3 + 4 - 56/7/8 - 9 4
150 1*2*3 + 4 - 5 + 67 - 8*9 5
151 1*2*3 - 4*5 + 6 + 7 - 8 + 9 6
152 1*2*3*4 - 5*6 + 7 + 8 - 9 5
153 1*2/3*45 + 6*7 - 8*9 3
154 1*2/3*45 - 6 - 7 - 8 - 9 5
1/ 155 1/2 + 3/4 - 5 - 6*7/8 + 9 5
156 1/2 - 3 - 45/6 - 7 + 8 + 9 6
157 1/2 - 3*4/56*7 - 8 + 9 4
158 1/2*34 + 5 + 67 - 89 4
159 1/2*34 + 5*6 - 7*8 + 9 4
160 1/2*34 - 5 - 6 - 7 - 8 + 9 6
161 1/2*34*5 - 6 - 7 - 8*9 4
162 1/2*3 - 45/6 + 7 + 8 - 9 5
163 1/2*3 - 4/56*7 + 8 - 9 4
164 1/2*3*4 - 5*6 + 7 + 8 + 9 5
165 1/2*3*4*5 + 6*7 - 8*9 3
166 1/2*3*4*5 - 6 - 7 - 8 - 9 5
167 1/2*3/4*5 + 6 - 7/8*9 3

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2018年2月 4日 (日)

オーストリア旅行記 (24) ウィーン自然史博物館

(全体の目次はこちら


オーストリア旅行記 (24) ウィーン自然史博物館

- 向かい合って建つ双子博物館のひとつ -

 

前回書いた
リンク通りの整備と共に建てられた
建築物のひとつが「ウィーン自然史博物館」
完成は1889年8月。
日本でいえば明治22年。

右下を歩く人の大きさから
その規模が想像できるだろうか。

P7148731s

博物館まで行くと、
マリア・テレジア広場と呼ばれる
マリア・テレジアの像のある広場を挟んで、
ほぼ同じ外観の大きな大きな建物が
向かい合って建っている

まさに双子博物館。

【マリア・テレジア広場】

P7148750s

こちらが
【ウィーン自然史博物館】

P7148748s

そしてこちらが
【ウィーン美術史博物館】

P7148747s

ちょっと見では区別がつかない。

マリア・テレジアの像は
この2つの建物の真ん中にあって
こんな感じ。
奥に見えているのは美術史博物館。

P7148746s

どちらの博物館も
オーストリアはもちろん、
世界的に見ても主要な博物館の
ひとつと言われている。

美術史の方は後日改めて訪問、と
計画していたので、
今日は自然史博物館のみ。

ここの蒐集品は、
マリア・テレジアの夫
フランツ1世のコレクションが
その起源になっているが、
その数は現在
3千万点にもなっているという。

ちなみに、
このフランツ1世と
マリア・テレジアとの間に生まれた
16人の子どものひとりが
マリー・アントワネットだ。

 

この博物館、
内部のコレクションもすごいが
入るとまず建物自体に圧倒される。

P7148737s

ミュージアムショップの絵葉書には
中央階段からホールを見上げた写真も。

Natur2s

中央階段回りも宮殿のよう。

P7148743s_2

カフェテリアも

P7148735s

カフェテリアから見上げる丸天井も

P7148740s

どこを見ても風格があり美しい。

以前は宮殿だったものを転用、
というわけではない。
リンク通りの整備の一環で
博物館のために、
博物館用に建てられたもの、
というのだからもっと驚く。

 

館内は写真撮影が禁止されていたので、
写真で紹介することはできないが、
生物、地学関連の蒐集品を中心に、
さまざまな展示が続く。

重さ117kgもあるトパーズやら、
マリア・テレジアが夫に贈ったという
2800個もの宝石がちりばめられている
高さ50cm、重さ2.8kgの
「宝石のブーケ」
などもある。

とガイドブックにはあったのだが、
残念ながら我々が訪問したときには、
「宝石のブーケ」は貸出し中で、
実物を見ることはできなかった。

ミュージアムショップの絵葉書だと
こんな感じ。
夫から「もらった」ではなく、
夫に「贈った」もの。

Natur1s

上に貼った
中央階段の写真中央下にも写っているが、
フランツ1世が、
鉱物コレクションを観察している絵もある。
これもミュージアムショップの絵葉書。

Natur3s

この時点で、彼の回りの棚は
コレクションですでに
埋め尽くされていることがわかる。

 

鉱石、化石、
動物の剥製、昆虫の標本、
巨大な恐竜の骨格、
さらには、地球や宇宙に関する展示も。
隕石だけでも相当な数がある。

多くの展示品の中、
今回実物を見たかったもののひとつが
「ヴィレンドルフのヴィーナス」

写真は撮れなかったので、またまた
ミュージアムショップで買った
絵葉書の写真を添えておきたい。

Venus_s

世界史の教科書等で目にしたことが
あるのではないだろうか。

なぜこれを見たかったのか。
高校時代の
小さな思い出と繋がっているから。

次回はその話から始めたい。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2017年8月20日 (日)

「数学する言葉」

(全体の目次はこちら


「数学する言葉」

- かむかう -

 

雑誌「新潮」の2017年2月号に、
独立研究者の森田真生さんが
寄せている
「数学する言葉」という
16ページほどの文章を読みながら、
「数学」と「言葉」について、
ちょっと考えてみたい。
(以下水色部
 「数学する言葉」からの引用)

 

・・・
紙の上に書かれた「3」は、
三そのものではない。

紙に書かれた「リンゴ」の文字が、
それ自体リンゴではないのと同じことだ。
紙に書かれた「リンゴ」を、
まさか食べようとする人はいまい。

本当のリンゴは、どこか別の所にある。
そんなことは百も承知で、
人は文字を読む。

 区別をはっきりさせるために、
記号としての「3」や「三」のことを
「数字」と呼び、
数字が指し示している対象の方を
「数」と呼ぶことにする。

「3」という数字に対応する数については、
<三>と書くことにしよう。

 このとき<三>が、食べたり、掴んだり、
香りを嗅いだりできるような、
知覚の対象でないことは明らかである。

<三>には、大きさもなければ色もなく、
形もなければ味わいもない。
数について、
人はただ純粋に考えることができるのみだ。

「図形」もそうである。

(中略)

数学とは徹頭徹尾このように、
考えることしかできない事物についての
探究
なのだ。

五感で感じられないものを
言葉で考えるのは
数学に限ったことではないでしょ、
そう思った方、
ハイ、まさにその通り。

その通りではあるが、
実は数学を支える言葉には、
ほかにはない大きな特徴がある。

もちろん、
その場にない物事について考えるのは、
数学者だけではない。

言葉を知る者ならば、
誰でも過去について、
可能性について、
死者や地球の裏側について、
考えることができる。

現にそこにあるわけではないものを、
その場に立ち上げてしまうのが
言葉の魔力である


知覚できない数や
図形を現出させる数字や図もまた、
この魔力を継承する「言葉」なのだ。

 だが、数字や図、数式など、
数学を支える言葉には、
自然言語にはない機能
もある。

両者の間には、
無視することのできない差異がある。

いったい、どんな差異があるのだろう?

<五十七>を意味するために「57」と書く。
このとき、
記号に過ぎないはずの「57」を、
人はじかに割ったり掛けたりできる

このあと詳しく見ていくが、
これは自然言語ではできないことである。

「リンゴ」という言葉で
リンゴの存在を喚起し、
「六本足の馬」という言葉で、
不可能な馬の存在を
立ち上げることはできても、
「リンゴ」という言葉を齧ったり、
「六本足の馬」という言葉の上に
跨ったりすることはできない。

そう考えると、
「57」という言葉の上で、
掛けたり割ったり、数学的に可能な
あらゆる行為を実行できることが、
あらためて不思議に
思えてきはしないだろうか。

数学の言葉は、
数や図形の存在を呼び起こすだけでなく、
そうして存在を喚起された
数や図形について、
言葉の上でじかに計算したり、
推論したりすることを可能にする
のだ。

数学の言葉は数学者にとって
「行為(=計算、推論)の足場」
として機能する
のである。

 自然言語もまた
推論の足場ではないか、と
反論する人がいるかもしれない。

確かに人は、自然言語の力を借りて、
様々な推論をする。
しかし、
ある言葉を用いて推論することは、
ある言葉において推論することと
同じではない。

このあと、本文では
アメリカの哲学者ダニエル・マクベスの
「数字を用いて(on numbers)」
計算するのではなく
「数字において(in numbers)」
計算できるようになった、という

インド・アラビア式の
「算用数字」の登場についての
言葉を紹介しながら、
「数字において」
計算できるようになったことの意味を
詳しく説明していくが、

今日は、この
言葉のうえでじかに計算できる
という指摘の紹介に留めておきたい。

我々は小さなころから
あまりにも現在の算用数字に
慣れ親しんでしまっているために、
どんなに大きな数でも
「0」から「9」の組み合わせだけで
書けてしまうことに、
その革新性を感じることは難しい。

本文では算用数字が登場するよりも
前の時代の例を挙げながら、
対比によって今の算用数字の
すばらしさを説いているが、
ポイントは、もちろん単に表記できる、
という点だけではない。

どんなに大きな数も、
算用数字で書いてしまえば、
それを割ったり掛けたりできる。

そうして、
巨大な数に「触れる」ことができる。
たとえば、その数が23で割り切れること、
あるいは約数を複数持つことなどを
「体感」することができる

こうして、
割ったり掛けたりする行為を通じて、
数字に固有の「意味」が
浮かび上がってくるのだ。

 このとき、数字の意味する内容は、
もはや外部の世界を
参照することによってではなく、
数字とのダイレタトな接触によって、
数字の世界において作り出される

「図」も数学の言葉だ。

ユークリッドの『原論』
(紀元前300年頃)
を例に、
古代ギリシアの幾何学者たちが、
必ず図を描きながら推論した事実を示し、
数学者たちの言葉が、
作図行為とともに
発せられた
ことを説明している。

・・・・・
かくして直線AB上に
正三角形が作図できることの証明は、
図において遂行される。

図を描いていくうちに、
そこに正三角形が生じるのであって、
幾何学者が
「頭の中」で見出した正三角形を、
記述したり
描写したりしているのではない。

 本居宣長の説によれば、
「かんがふ」という言葉は
「かむかふ」の音便で、
もともと、
むかえるという意味の言葉だそうだ。

小林秀雄は、
この「むかふ」を
「身交(むか)う」と読んで、
考えるとは、
 物と親身に交わる事だ
」と
エッセイ「考えるという事」の中に
記している。

古代ギリシア人にとって、
図形について「考える」とは、
まさしく
図と親しく交わることであった。

図は、
脳内で思考したことの表現ではなく、
図を描く行為が即ち
「かむかふ」ことだったのである。

「行為(=計算、推論)の足場」
として機能する数学の言葉。

先人は、数や図形と「かむか」って、
様々な意味を見出して来たが、
世界はいまなお至るところで、
考えることをやめていない。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2017年8月13日 (日)

鏡の中の不思議な立体

(全体の目次はこちら


鏡の中の不思議な立体

- 円が四角に -

 

ベーグルによるメビウスの輪でも書いた通り、
錯視・錯覚ネタは大好きだ。

錯覚を利用した世界大会
Best Illusion of the Year Contestで
2010年、世界第一位に輝いた
杉原厚吉さんのこの作品。

この作品をはじめとして、
杉原さんは実に様々な
錯覚作品の新作を発表している。

昨年(2016年)9月に
横浜で開催されていた
「エッシャー展」。

Pa105800s

その最後のコーナに展示されていた
杉原さんの作品も
新しい視点の驚くべきものだった。

そのコーナだけ
写真撮影可だったので、
その時の写真を2枚添えたい。

Pa105808s

静物を鏡で映しているだけ。

Pa105813s

でもご覧の通り、そこには
にわかには信じられないものが
映っている。

 

これらの立体オブジェを含む本(!?)が
この夏出版された。

鏡で変身!?
ふしぎ立体セット
驚きの錯覚 不可能立体の世界

監修 杉原厚吉
東京書籍

思わず購入してしまったので、
ちょっと中身をご紹介。

まずは箱の表紙にもなっている
この作品から。

Mirror1

エッシャー展では、
(壊れないように、というよりも)
展示物の位置や角度がずれないよう
ケースに入っての展示だったため、
手に取ることはできなかったが、
もちろん、今回は手に取って
いろいろな角度から
その変化を楽しむことができる。

Mirror2

鏡の前の物体は、左から
四角形、五角形、六角形なのに、
映ったもの(写真上部)はすべて円!

小さい作品だが、
これもインパクトが大きい。

Mirror3_2

矢印の向きが逆転。
しかも鋭角の矢印の先が、
鏡の中では丸いきれいな弧を描いている。

 

簡単なペーパクラフト作品も
入っている。

これは、鏡に映すと
「屋根」も「屋根のニワトリ」も
消えてしまうというもの。

Mirror4

これくらいになると、
もう写真ではとても伝えられない。

手に取って、オブジェを
違う角度から眺めてみて、
その発想に驚いてみてほしい。

仕組みを知って見ても、
何度でも楽しめる。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2017年8月 6日 (日)

独自言語で会話を始めた人工知能

(全体の目次はこちら


独自言語で会話を始めた人工知能

- 今、必要なものは? -

 

最初に知ったのは
通勤途中のラジオだったのだが、
先週、衝撃的なニュースがあった。

帰って来て調べてみると、
関連記事がネットにある。
ただ、現在公開されている記事が
いつまで読めるのかわからないので、
個人的な記録のために
その一部をここで取り上げておきたい。

代表で選んだ元の記事は
2017年8月2日付のこちら
人工知能(AI)についてのニュースだ。
記事のタイトルは、
「終わりの始まり…?
 独自言語で話しはじめた人工知能、
 Facebookが強制終了させる」

(以下水色部は記事からの引用)

Facebook(フェイスブック)が行なう
人工知能の研究開発において、
近未来SF映画のような
事態が起きていました。

会話をさせていた
2つの人工知能ボブとアリスが、
独自の言語を生み出し、
話し始めたのです。

人間には理解しがたい言葉を話す
2体のAI。

Facebookの開発チームは、
これを受けて人工知能の
マシンラーニングプログラムを
強制終了させました。

人工知能(AI)が人間の能力を超える
技術的特異点、
シンギュラリティ(Singularity)なる言葉を
耳にすることも多くなっているが、
それにしてもこの記事の恐ろしさは、
表現のしようがない。

人間には理解できない独自の言語で
AI同士が会話を開始した、というのだ。
ついに、ここまで来てしまったのか。

 

私自身は、門外漢の素人ながら
一エンジニアとして
AIの進歩を楽観的かつ好意的に
見つめている。
どんどん進歩すればおもしろい、
と思っている。

それなのに、このニュースには
どこか別な部分が反応してしまった。
それはいったどこなのだろう?

個人的には、身体を持たない
知能だけのシンギュラリティの議論は
ナンセンスだと思っているので、
単純な
「もしそうなったら人類の終焉だ」
「終わりの始まりだ」
みたいな極論には全く与(くみ)しないが、
次々と新しいネタが飛び出してくる
AI関連のニュースからは目が離せない。

 

松尾 豊 (著)
人工知能は人間を超えるか
ディープラーニングの先にあるもの

(角川EPUB選書)
(以下緑色部は本からの引用)

にこんな記述がある。

言語の果たす役割とも関係があるが、
社会が概念獲得の「頑健性」を
担保している可能性がある。

複数の人間に共通して現れる概念は、
本質をとらえている可能性が高い。

つまり「ノイズを加えても」
出てくる概念と同じで、
「生きている場所や環境が
 異なるのに共通に出てくる概念」は
何らかの普遍性を持っている
可能性が高いのだ。

言語は、こうした頑健性を
高めることに
役立っているのかもしれない。

人間の社会がやっていることは、
現実世界のものごとの特徴量や
概念をとらえる作業を、
社会の中で生きる人たち全員が、
お互いにコミュニケーションを
とることによって、
共同して行っている

考えることもできる。

身体だけでなく、
社会やコミュニケーションが
裏にあってこその概念獲得。

ロジックやデータだけに基づく進化に
直感的な危うさ、怖さを感じるのは、
そういった裏の支えがないことが
原因なのかもしれない。


著者の松尾さんはこうも書いている。

いずれにしても、
まず議論すべきは、
「人工知能が将来持つべき倫理」
ではなく、
「人工知能を使う人間の倫理」や
「人工知能を
 つくる人に対する倫理」である。

最初の記事に戻ると、実際、
AI同士が意味のわからない言葉で
会話を続けることに直面したエンジニアも

米メディアの多くが
この件を報じており、
パニックでプラグを引っこ抜いたとか、
システムをシャットダウンした
などと言われています。

なる行動をとってしまったようだ。

エンジニアとしては乱暴なその行為を
反射的にとってしまった
今のFacebookのエンジニアには、
ちょっとホッとするところがある。

今、「作る人」に必要なものは
ナンなのだろう。

恐ろしくなって、
「プラグを引っこ抜いたり」、
「シャットダウンしてしまったり」、
そういう『恐ろしさ』を感じる気持ちは
持っていてもらいたいと思う。
それが倫理や論理に
基づくものかどうかはともかく。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2017年7月30日 (日)

昭和初期の『小学生全集』

(全体の目次はこちら


昭和初期の『小学生全集』

- 児童図書を支えていた人たち -

 

前回に引続き、

中沢弘基(著)
生命誕生
地球史から読み解く新しい生命像
講談社現代新書

(以下水色部、本からの引用)

から、
もう少しエピソードを紹介したい。

当時としては画期的な
ヴェーゲナーの「大陸移動説」が
学界ではまだ認められていなかったころ
ここ、日本ではどんな動きがあったのか。

一通の手紙で貴重な証言が寄せられた。

 大陸移動説は
大学や学界で消えていましたので、
もちろん世の中一般には
知られていないものと思っていましたが、
2006年に出版した拙著の書評として
いただいた手紙の中に、
次の一文があって驚きました。

「ヴェーゲナーについては、出会いは
 小学校の時代にさかのぼるのです。

 当時
 『小学生全集』と言うシリーズものが
 あって(昭和初期の刊行)、
 その中で、ヴェーゲナーと言う
 奇矯な学者が『大陸漂移説』を唱えた、
 と絵入りの説明がありました」

と書かれていたのです。

「その後、学校の教室でも、
 地理の時間に、世界地図を前にして
 "大陸を移動させると南米と
 アフリカ大陸の凸凹がぴったり合う、
 生息していた生物も見事に一致する"
 との話をききました」 

と続いていました。

昭和初期生まれの
著名な思想家(政治家)の手紙でした。

学界の外では
大陸移動説は消えていなかったのです。

学界でも認知されていないような説を
小学生相手に紹介してしまう
「小学生全集」とは
いったいどんな本だったのだろう?

しかも、昭和の初期の話だ。

 調べたところ、『小学生全集』は
菊池寛と芥川龍之介が指導と編集をして
文藝春秋社・興文社から、
昭和2年から昭和4年にかけて
刊行された児童図書で、
「世界の少年少女文学や童話」に加えて
「電気、動植物、物理化学、
 算数、生物学、生理衛生」など、
広い範囲の「子供にわかる本」、
88巻でした。

 少年少女文学の
菊池寛や芥川龍之介に加えて、
科学や工学は
当時の東京帝国大学の教授たちや
牧野富太郎、横山桐郎、鷹司信輔ら

植物、昆虫、鳥の権威者が
みずから筆を執っています。

大正デモクラシー当時の
学界指導者たちには、
少年少女教育を
国家百年の計とする見識
があり、
当時の世相も、
学者たちが論文や特許ではない
少年少女向けの文を書いている"ゆとり"を
むしろ好しと認めていたのです。

「小学生全集」の編集にこの面々!

そして、国家百年の計は
「少年少女教育」!!

この計は、この見識は
今、いったいどこに
行ってしまったのだろう。

 昭和4年(1929年)は、
ヴェーゲナーが遭難死する1年前ですから、
刊行されたのは論争の真っ最中です。
「大陸漂移説」は

小学生全集(上級用)
 第60巻、『海の科学・陸の科学』

 東通太郎・辻村太郎著」

にありました
(手紙の主の「70年以上も前」の記憶です)。

 辻村太郎は当時
東京帝国大学理学部地理学科の助教授で
その師の、優れた地理学者の山崎直方は、
世界のおおかたが空想として否定していた
「ヴェーゲナーの大陸漂移説」を
評価して普及に努めていましたので、
同説が記述されたものでした。

大陸移動説が世の一般には
知られていないと思っていたのは、
専門家の端にいる筆者の不見識でした。

一通の手紙をきっかけに、
ていねいな調査をしたうえで
筆者は自身の不見識を認めているが、
それにしても、
菊池寛、芥川龍之介、牧野富太郎などなど
錚々たるメンバが
児童図書に関わっていたなんて。

 

 いまだ評価の定まらない
論争中のドイツの学説が翻訳されて、
小学生でも知る機会があったのですから、
当時の日本の
少年少女教育の程度の高さは驚き
です。

そして読んだ
"少年少女たち"の知力も、です。

この小学生全集を読んだであろう
まさに知力のある少年に、
こんな人物もいた。

 調べてみると、
著名な漫画家の手塚治虫
手紙の主と同世代で、
少年時代に読んだ「大陸漂移説」を
覚えていた一人でした。

まだ"戦後"を引きずっていた
1950年から1954年にかけて連載された
『ジャングル大帝』は、
ロマンと平和と正義感にあふれる名作として
今や世界中に知られていますが、
その第1話は、
アフリカ大地溝帯の説明から始まります。

アフリカ大地溝帯は、
現在アフリカ大陸が
東西に分裂しつつある地域のことです。

 そして、大陸を分裂させる力のある
「月光石」(話の中の架空の石)を
探す学者が登場して、

「これはドイツの地質学者
 アルフレッド・ヴェーゲナー博士が
 いい出したことです」といいつつ、

大陸移動の図を示します。

最終話では、
「月光石」を探す学者に、

「大陸を分裂させた大きなカは何か? 
 最近ではマントル対流の
 せいだともいう…」といわせて、

大陸移動説の復活を暗示する
一コマもあります。

『ジャングル大帝』のストーリーの背景は
ヴェーゲナーの大陸移動説
そのものだったのです


 手塚治虫は
『ジャングル大帝』を描いた動機を

「(ヴェーゲナーの壮大な大陸移動説を)
 子どものときに読んで
 夢をふくらませ
」て描いたと、

NHK文化講演会(1982年)で述懐しています。

手塚治虫の「子どものとき」は、
手紙の主と同じ昭和初期ですから、
"読んだ"のは同じ
「小学生全集(上級用)第60巻」
だったのかもしれません。

 

著者の中沢さんは、
こんな言葉で「小学生全集」を
紹介した節を結んでいる。

 学界では消えていたにもかかわらず、
手塚治虫は「子どものときに読んだ」
ヴェーゲナーの大陸漂移説を
理解してふくらませて、
日本が世界に誇るストーリー漫画
『ジャングル大帝』に羽化させました。

しかも1950年、同説が日本はもとより
世界中の学界で
無視されて消えていたときに、です。

素直な少年期の”直観”で
納得していたのでしょう。

”大正デモクラシー”といわれる
太平洋戦争前の高い自由主義文化に
浴した少年少女たち
が、
戦争を生き延びて、戦後の
日本の新しい文化を創出したことを、
”消えなかった”大陸漂移説が
しめしているようです。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2017年7月23日 (日)

巨大大陸「パンゲア」

(全体の目次はこちら


巨大大陸「パンゲア」

- 学界から消える大陸移動説 -

 

前回に引続き、

中沢弘基(著)
生命誕生
地球史から読み解く新しい生命像
講談社現代新書

(以下水色部、本からの引用)

から、
もう少しエピソードを紹介したい。

ヴェーゲナーの「大陸移動説」
の話から始めよう。

20世紀中頃、
ナチスが台頭するまでは、
ドイツ科学の隆盛期でした。

その時代、
ドイツのマールブルク大学で
気象学を教えていた
アルフレート・ヴェーゲナー
(Alfred L. Wegener, 1880-1930)
は、

今離れている大陸は
 みんな もともと一つだった


という"おかしな"考えを、
1912年フランクフルトや
マールブルクで発表し、
1915年に
著書『大陸と海洋の起源』の第一版を
著しました。

「今、海洋で大きくへだてられている
 二つの大陸の両方に、
 同一種の生物の化石が発見される
のは、
 その生物が生きていた当時、
 両大陸は一体であって、
 その後二つに分裂したためである」 

というのです。

今からちょうど100年くらい前のこと。

ヴェーゲナー自身が
「世界地図を見て、
 大西洋の両岸の海岸線の凸凹が
 よく合致するのに気がついた」
と言うように、最初は
小学生でも気がつくような
小さな発見がスタート地点だった。

それを「気がついた」だけでなく、
ちゃんとした説として
発表できるところまで持っていくことは
誰にでもできることではない。

彼の専門は
地球物理学の中の気象学でしたが、
世界地図を見て思いついた
アイディアを証明するために、
生物学、古生物学、地質学、岩石学、
鉱物学、気象学、測地学などなど、
片端から
当時の最新の論文を読み漁って読破し、
証拠となる事実を探しました。

 そして、
南アメリカ大陸とアフリカ大陸のように、
現在は離れている両大陸間に、
海を渡ることのできない
カタツムリや淡水魚、
あるいは
植物などの同じ種がいる
ことや、
両大陸の凸凹が
ジグソーパズルのように嵌(は)まる両岸に
同じ化石や同じ岩石・鉱物が産出して、
かつて地層がつながっていたことを
見つけました。

 それらの事実を証拠として、
上記の『大陸と海洋の起源』を出版し、
現在の大陸は古生代終わりの
ペルム紀(約2.99億~2.52億年前頃)まで
みんな一つにまとまった
巨大大陸「パンゲア」であって、
中生代最初の三畳紀(約2.52億年前頃)から
徐々に分裂が進み、
白亜紀(約1.45億~0.66億年前)
に離れ離れになったと主張しました。

広い視野で研究できたものだけが
到達できた見解。
ところが、この発表は、学界では
ほとんど受け入れられなかった。

パンゲア大陸については
Wikipediaにある動画がわかりやすいので、
リンクを貼っておきたい。(こちら

ところで、「大陸は動かない」説を
支持している人たちは
離れた大陸にある共通の化石を
どう説明していたのだろう。

 しかし20世紀初頭の発表当時は、
あまりにも常識とかけ離れていたため、
学界ではほとんど理解されませんでした

「大陸が動くはずはない」とする
当時の″正当的″な考えでは、
二つの大陸に共通する化石の存在は、
かつて両大陸が細い″陸橋″で
つながっている時代があったから
であると
説明するのです。

陸橋は二つの大陸をつなぐ
細長い陸地や潮が引いて現れる
島伝いの道のことで、
それを伝って海を渡れない生物が
移動したと考えるのです。

ちなみに、この『大陸と海洋の起源』は
今読んでもおもしろい本らしい。
調べてみると、
岩波文庫にも講談社学芸文庫にもある。

まだ読んでいないが、下記を読むと
読んでみたくなる。

『大陸と海洋の起源』は
文字どおり地球科学全般にわたる
さまざまなデータを用いた、
ていねいな論理展開で、
出版から約100年も経った今読んでも
痛快な推理小説を読むようです。

もちろん、現在の知識からすれば
大陸の構造や移動の原因などの考察には
誤りもありますが、
大陸が移動したことをしめす証拠の論述は
合理的で感心するばかり
です。

専門性が進むことによって
細分化されていく学問がもつ問題点は、
彼の説に対する学界の反応を見ると、
(不幸なことではあるが)
じつにわかりやすい。

 気象学者のヴェーゲナーが
大陸移動説の根拠としたのは、
生物や化石や地質など専門の異なる
「巨大な量の文献を読破・
 渉猟(しょうりょう)した」
論文でした。

化石や生物の専門家は
個々の化石や動・植物については
通暁(つうぎょう)していても、
大陸を動かす力を論ずる
地球物理学の論文は読めません
し、
逆に、
地球物理学者は
地震・重力など全地球規模の現象を
理論的・定量的にあつかいますが、
化石や生物のしめす定性的な事実から
何億年もかかって移動する
大陸を推定する想像力に欠けていました。

 専門家は
それぞれの高い専門性のゆえに、
ヴェーゲナーの言を
どちらの側からも理解できなかったのです。

結局、彼の説は
一旦学界から消えてしまう。

常識を正面から否定したヴェーゲナーは、
米国を中心とする学者の反感を
一手に買って論争になりましたが、
むしろ
「圧倒的多数は彼の論拠を
 まじめに聞こうとしなかった」
といわれています。

論争になったのも彼の生存中だけで、
彼が大陸移動の原因を求めて
グリーンランドの探検で
1930年に遭難死すると、
大陸移動説は学界から
完全に消えてしまいました


 あれだけ物理・化学が発展して
原子や電子の「ミクロの世界」が
明らかにされた20世紀前半でも、
地球は
「海も大陸も動かない、
 冷えて固まった地球」
の見方のまま残されたわけです。

彼の説が
学界から消え去ってしまったころ、
ここ日本ではある意外な、
ほんとうに意外な分野で動きがあった。

その話は次回に。 

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2017年7月16日 (日)

「生命誕生」

(全体の目次はこちら


「生命誕生」

- 「海は生命の母」とは言えない? -

 

本棚にあるこの本

中沢弘基(著)
生命誕生
地球史から読み解く新しい生命像
講談社現代新書

(以下水色部、本からの引用)

私が購入したときの本の帯には、
池谷裕二・東京大学教授の
こんなコメントが載っている

脳髄を金槌(かなづち)で
 殴られるほどの衝撃を受けた!


帯は広告・宣伝なので、
たいていの場合は大袈裟で
ミエミエの褒め言葉に
かえって冷めてしまう場合もあるが、
殊この本については
「金槌で殴られるほどの衝撃」
はまさに言葉通りだった。

ほんとうに衝撃がある。

生命はいつどこで発生したのか?

だれもが抱く疑問に、
独自の説を丁寧に展開していくのだが、
とにかく話の運び方がうまい。

最初の方のこんな書き方だけで
おもわず引き込まれてしまう。

生命の起源は海の中、
「太古の海は生命の母」と考えるのは
広く世界の常識になっています。

 確かに水がないと
生物の体は成り立ちませんし、
生きてもいられません。

化石に残る原始的な生物は
すべて海棲(かいせい)生物で、
約5・4億年前のカンブリア紀の海で
爆発的に増殖したことも確かです。

しかし、だからといって、
生物の誕生にいたる有機分子の発生と
進化の過程もすべて水の中、
海の中であったとする根拠は
何もありません

化石で見つかった古い生物が
すべて海棲生物だからと言って、
その起源となる最初の生命の誕生
「海の中」の証拠にはならない。

なるほど。

でも、いつのころからか
「アミノ酸が多く浮かぶ
 スープのような海」
が生命誕生の舞台だと
思い込んでしまっている
どうしてなのだろう?

事実、こんな記述もある。

アミノ酸に富む
”チキンスープ”のような太古の海で
生命が発生
したと、
ほとんどの人は考えて、
海を模した水溶液中の
化学反応の研究を中心にしてきました。

 

では、なぜ、
海での生命誕生が疑わしいのか?
詳しい説明の前に、
サクッとこう提示している。

 後で述べますが、化学的には
海の中でアミノ酸などの
生物有機分子どうしが結合して
大きくなると考えるのは不自然
なのです。

多量の水の中では一般に、
結合よりも大きな分子の
分解反応が卓越します。

比熱の大きな
多量の水の中はつねに温暖で、
分子が相互に反応しなければならない
環境圧力もありません


「太古の海は生命の母」と考えるのは、
世界の常識とはいえ、
化学的にはおかしな仮定なのです。

生命を構成する原子や分子が、
アミノ酸やタンパク質を構成する配列で
分子となるためには、
構成原子や分子が
そこにあるだけではもちろんダメで、
化学反応を起こし、結合させるための
ある種の「圧力」が必要になる。

その「圧力」が温暖な海にはない。
むしろ逆で、海には、
分子を分解させる方向の力がある。

との指摘も直感的にreasonable。

 

こんな導入で始まった話は、
この後、地球の歴史を大きく観ながら
本論に入っていく。

そこで提示される
生命誕生に関わる大胆な仮説については、
簡単には要約できなので
説明は本に譲りたいが、
仮説の詳細に入る前にも、
興味深いエピソードが
いくつも紹介されている。

というわけで、
この本の話、もう少し続けたい。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

より以前の記事一覧

最近のトラックバック

2019年1月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ