科学

2019年5月12日 (日)

算術から崩れた身分制度

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算術から崩れた身分制度

- 数学的能力がもつ力 -

 

幕末から明治にかけての
金沢藩猪山家の家計簿を読み解く、
この本

磯田道史(著)
武士の家計簿 ―
「加賀藩御算用者」の幕末維新
新潮新書

(以後、水色部は本からの引用)

は、映画の原作にもなった
おもしろい本だが、
家計の詳細に入る前に
「算術」と「身分制度」の関係について
たいへん興味深い話を
提供してくれている。

今日は、その部分を紹介したい。

 

 猪山家に転機が訪れたのは、
五代目の猪山市進のときである。

享保16(1731)年に、はじめて
前田家の直参に加わったのである。

「御算用者」
としての採用
であった。
栄転といってよい。
御算用者になるには
「筆算」の才が要る。

つまり、筆とソロバン
優れていなければならない。

猪山家は菊池家の家政を担うなかで、
ソロバンをはじき帳簿をつける
「およそ武士らしからぬ技術」
を磨いており、
これが栄転につながったのである。

猪山家は「算術」ができたために
「栄転」できた。

ところが江戸時代、
武士社会で「算術」は
次のように考えられていたらしい。

武士とくに上級武士は、
算術を賤しいものと
考える傾向があり

算術に熱心ではなかった。

熱心でないどころか
「学ばないほうがよい」
とさえ考えていた。

上級武士の子弟には
藩校で算術を学ばせないように
していた藩がかなりある。

鳥取藩などは、その例であり、
下級武士にだけ算術が教えられた

ソロバン勘定などは
「徳」を失わせる小人の技
であると
考えられていたからである。

「徳」を失わせる小人の技、か。
それでは熱も入らなかったであろう。

また、必要な技能ながら、
当時の世襲制度になじまない面もあった。

加賀藩は数学の盛んな藩であったが、
それでも算術の人材は不足していた。

近世武士の世界は世襲の世界である。

算術は世襲に向かない
個人の出来・不出来が如実に
あらわれるからである。

親は算術が得意でも、
その子が得意とは限らない。

したがって、藩の行政機関は、
どこもかしこも厳しい身分制と
世襲制であったが、
ソロバンがかかわる職種だけは
例外になっており、
御算用者は比較的身分にとらわれない
人材登用がなされていた

なるほど。

親が得意でも子が得意とは限らない。
身分にとらわれない登用を
せざるを得なくなっていくわけだ。

このことは、もちろん
藩だけではなく幕府においても
同じ状況だったようだ。

幕府の勘定方も同様であったことは、
笠谷和比古氏
(国際日本文化研究センター教授) 
の指摘するところである。

御算用者も世襲ではあったが、
家中の内外から
たえず人材をリクルートしていたし、
算術に優れた者が
「養子」のかたちで入ってきていた。

そうしなければ
役所が機能しない
からである。

ちょうどソロバン関係職が
「身分制の風穴」になっており、
猪山家はうまく
その風穴に入りこんだといえる。

ソロバン関係職が「身分制の風穴」に
なっていたとは。

 

この流れ、日本だけでなく、
18世紀における
世界的な流れでもあったようだ。

実は
「算術から身分制度がくずれる」
という現象は、
18世紀における
世界史的な流れであった。

それまで、ヨーロッパでも日本でも、
国家や軍隊をつくる原理は
「身分による世襲」であった。

ところが、
近世社会が成熟するにつれて、
この身分制はくずれはじめ、
国家や軍隊に新しいシステムが
導入されてくる。

近代官僚制というものである。

官吏や軍人は
「生まれによる世襲」ではなく
「個人能力による試験選抜」によって
任用
されるようになる。

とは言え、いきなり
すべてを変えられるわけではない。

 最初に、この変化がおきたのは、
ヨーロッパ・日本ともに
「算術」がかかわる職種であった


18世紀には、数学が、
国家と軍隊を
管理統御するための技術として、
かつてなく重要な意味をもつように
なっており、まずそこから
「貴族の世襲」がくずれた
軍隊でいえば、
「大砲と地図」がかかわる部署である。

フランスでもドイツでも、
軍の将校といえば
貴族出身と相場がきまっていたが、
砲兵将校や工兵、
地図作成の幕僚に関しては、
そうではなかったという。

弾道計算や測量で
数学的能力が必要なこれらの部署は
身分にかかわらず、
平民出身者も登用
されたのである。

このあたりは『文明の衝突』で有名な
S・ハンチントンの著作
『軍人と国家』や

中村好寿
『二十一世紀への軍隊と社会』
に詳しい。

「大砲と地図」がかかわる部署には
平民出身者も登用
か。

確かに、武力における数学的能力の価値が
近代になって
飛躍的に高くなっていたことは間違いない。

 

 日本でも、同じことがいえる。
十八世紀後半以降、幕府や藩は、
もともと百姓町人であった人々を登用し、
彼らの実務手腕に依存して
行政をすすめるようになる


百姓や町人の出身者に
扶持・苗字帯刀・袴着用などの
特権をあたえて、
武士の格好をさせ、
行政をゆだねる傾向が強まった。

武士と百姓町人の中間身分の存在が
政治に大きな影響を
あたえるようになったのである。

 京都大学名誉教授朝尾直弘氏
によって提唱されたこの学説を、
歴史学界では「身分的中間層論
とよんでいる。

江戸時代は士農工商の
厳しい身分制社会のように言われるが、
文字通りそうであったら、
社会はまわっていかない。

近世も終わりに近づくにつれ、
元来、百姓であったはずの庄屋は
幕府や藩の役人のようになっていく


彼らはソロバンも帳簿付けも
得意であり実務にたけていた。

猪山家のような陪臣身分や
上層農民が実務能力を武器にして
藩の行政機構に入り込み、
間接的ながら、
次第に政策決定にまで
影響をおよぼすようになるのである。

猪山家は、
その典型例であったといってよい。

さらにいえば、
明治国家になってからも、
このような実務系の下士が、
官僚・軍人として重要な
役割を果たすことになるのである。

算術から崩れた身分制度。

そう言えば、
近年インドで技術者熱が高まって、
優秀な技術者が多く輩出されているのも、
背景に
技術には身分制度を超える力があったから、
と聞いたことがある。
コンピュータエンジニアなんて
ちょっと前までなかった職業なのだから。

「数学的能力」が歴史や社会制度の中で、
どんな力を持っていたのか。
単なる計算や解法のノウハウに留まらない
「社会的側面における価値」
が見えてきておもしろい。

 

 

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2019年5月 5日 (日)

技術との共生、歩み寄り

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技術との共生、歩み寄り

- 「はさみの法則」と英国の自販機 -

 

ラジオを聞いていたら
VoiceTra(ボイストラ)
という
翻訳アプリケーションの話をしていた。

ボイストラは、
個人の旅行者の試用を想定して作られた
研究用の音声翻訳アプリで、
無料ながら
なんと31言語に翻訳できるらしい。

音声翻訳なので、
スマホにインストールして
あとは話しかけるだけ。
31言語に翻訳してくれる。

すごい時代になったものだ。

で、その利用方法の説明の際、
より正確な翻訳となるよう、
「はさみの法則」を意識してほしい、
なるコメントがあった。

はさみの法則」とは、
 * っきり言う、
 * いごまで言う、
 * じかく言う
の最初の文字を繋いだものとのこと。
法則、という言葉の違和感はともかく、
アプリケーションが話者の意図を
より正確に理解するために、
話者にこんなポイントで
歩み寄ってほしい、と言っているわけだ。

アプリケーションや新規機器の開発に
長年携わって、というか苦労してきた
エンジニアのひとりとして、
この「利用者からの歩み寄り」は
大きなテーマのひとつだ。

「勝手にやってほしい」
「自動でやってほしい」
は、新製品開発のきっかけとなる
要望のひとつではあるが、
どんなもの(アプリケーションや機器)でも
利用する際には必ず
「利用者からの歩み寄り」を
必要としている。

ここのところ実現度が
急速に高まっている自動運転も
実現された暁には、
「昔は自動車があっても、
 目的地に行くためには
 自分で運転をしなければ
 ならなかった
らしいよ」
なんて会話がなされるのかもしれない。

「はさみの法則」も「運転」も
技術との共生に必要な歩み寄りのひとつだ。

共生への歩み寄りと言えば、
ずいぶん前に読んだ、
英国の自販機のエピソードが
なかなかおもしろかった。

古い文章だが、「共生」を
ちょっと違う角度から考えさせるネタを
含んでいたのでここで紹介したい。

翻訳家の永井淳さんの
「イギリスという国」
という題のエッセイの一部。
(雑誌「現代」1992年1月号
 以下水色部、本からの引用)

 イギリスは
煙草の値段が高いうえに、
街を歩いていても
日本のように煙草屋が多くない。
ヘヴィ・スモーカーには
不便なところだが、
さいわいホテルにはたいてい
自動販売機が置いてある。

そこでは
一箱二ポンドなにがしかする煙草が
どの銘柄もきっかり二ポンドで買える。

 これなら街で買うより
安あがりだと喜んだのは早計だった。

しばらくして気がついたのだが、
20本あるべき中身がすかすかで、
かぞえてみると17本しか入っていない。

 しかもよく見るとその旨ちゃんと
断わり書きしたテープが
箱に巻いてある。

つまり自動販売機が
銘柄による値段の違いを区別したり、
釣銭を出したりするほど
賢くないために、
煙草会社に自販機専用のパックを
わざわざ製造させている
のだった。

 こういう物の考え方が
合理的かどうかを問題にする前に、
日本だったらそんな旧式の機械は
さっさと追放して、頭のよい機械と
入れ替えてしまうだろう。

既定サイズの2ポンドのものだけ扱える、
そんな自販機に合う、
そんな自販機で売れる「商品」を
メーカ(この場合は煙草会社)に
作ってもらう。

商品に合う自販機を作る、のではなく
自販機に合う商品を作る。
なんとも強烈な歩み寄りを
メーカ側に求めていて興味深い。
(さすがに開発時は違ったと思うが、
 値上げ等により
 機器の仕様が現物に
 fitしなくなったのであろう)

 

 同じことが
地下鉄切符の発券機にもいえる。

そこではちゃんと
釣銭の出る新式の機械と並行して、
釣銭は出ませんと断わった
旧式の機械も依然として
使われている
のだ。

 小銭をきっかり
持ち合わせている人は
古い機械でも不自由はない
わけで、
たんに古くなったからというだけで
あっさりお払い箱にしてしまう習性は、
かの国にはないらしい。

技術部分への歩み寄り以上に、
「多少不便でも
 作ったものは長く使おう
という価値観が
大きく働いている結果なのかもしれない。

いずれによせ、
技術との共生は、共生感の変化は、
単なる便利なものの登場以上に
興味深い分野だ。

純粋な、技術的な課題であっても
国ごとの、あるいは民族ごとの
文化的価値観のなかで
最適解を模索していく感じが
またおもしろい。

 

 

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2019年4月14日 (日)

「保存」と「変革」の矛盾の解決

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「保存」と「変革」の矛盾の解決

- 「岡崎フラグメント」の妙 -

 

中屋敷均 (著)
生命のからくり
講談社現代新書

(以下水色部、本からの引用)

は、たいへん内容の濃い本で、
まさに「生命のからくり」に
興味のある方には、
自信をもってお薦めしたい一冊だが、
その中でも
「岡崎フラグメント」の話が
特に印象的だったので、
今日はその部分を紹介したい。

 

本では、遺伝子やDNAについても
丁寧に説明しているが、
今日の紹介では、
そのあたりは全部前提知識として
省略したい。

DNAの複製について、
詳しいことはともかく

「二本鎖のDNAがほどけて
 一本鎖が2本できる。
 それらが各々鋳型になることで
 新生鎖を1本ずつ合成していき、
 最終的には、
 2本の二本鎖DNAになっていく」

ということは理解している、
を前提に話を進めていきたい。

さて注目すべきは
2本に別れた一本鎖が、
鋳型となって、新生鎖を合成する
その瞬間の合成の仕方
だ。

なんとこの2本、同じ方法で
新生鎖を合成するわけではない。

その部分、ちょっと引用したい。
子鎖とは、ほどけた一本鎖を指している。
ヘリカーゼとは二重螺旋のDNAを
部分的にほどいていくタンパク質のこと。

右側の子鎖は、DNAの二本鎖が
ほどけると同時に合成が
連続的に進んでいくが、

左側の子鎖では合成が
へリカーゼの進行方向と
逆向きに行われ、
不連続な短いDNA断片を
次々と合成しては、
それをつなげていくという形で
DNA複製が起こる。

イメージとしては、
前向きに押しながら
どんどん雑巾がけをしていく
作業と、

後ろ向きに
ちょっと下がっては前を拭き、
またちょっと下がっては前を拭く
という行為を繰り返すことで
雑巾がけをしていく
作業との
違いのようなものである。

明らかに後者は、作業効率が悪く、
また作業ステップも
複雑になってしまう。

上手な喩えを思いついたものだと思うが、
「雑巾がけ」はイメージがしやすい。

一気に直線的に
前向きに押しながら拭いていくか、
後ろ向きに下がっては前を拭き、
下がっては前を拭き、を繰り返しながら
全体を拭いていくか。

この「拭く」時に、
新生鎖が合成されると思えばよい。

ちなみに後者のような
DNA複製様式が起こっていることを
証明したのは、
名古屋大学の岡崎令治であり、
その業績を称えて、
これらの短いDNA断片は
「岡崎フラグメント」
と呼ばれている。

このような複雑な
DNAの複製様式が存在することは、
発見当時、
非常な驚きをもって受け止められ、
夭逝した岡崎が生きていれば、
ノーベル賞は確実だったと言われている。

日本の分子生物学の歴史に
輝く業績である。

生物のDNAの複製が、このような
複雑な様式になってしまうのには
理由がある。

DNAの複製を担う酵素の特性上、
シンプルに両側で連続的に複製することが
困難なのだ。

炭素の連結が絡む説明の詳細は
本に譲りたいが、
DNA開鎖の進行方向に背を向けて、
短いDNAをいくつも作って
後でつなげる
という
複雑な複製様式になっている現実は、
もう一方の
連続的な複製との対比で考えたとき
たいへん興味深い。

44歳という若さで世を去ってしまった
岡崎令治氏。

このふたつの複製様式の存在は
古澤満氏らが1992年に発表した
「不均衡進化論」に繋がっていく。

連続鎖と不連続鎖を生む合成様式の差は、
遺伝子の突然変異率に差を生むからだ。

連続してスムーズに合成が進む
連続鎖と比べて、
合成の過程が複雑な不連続鎖は
ステップが多くミスが生じる確率、
つまり突然変異率が高い。

つまりこのことにより、
これまでに書いてきた
生物の根源的な矛盾、
「情報の保存」と
「情報の変革」の共存が
実にスマートに解決される


すなわち子孫DNAのうち

変異の多いものが
「情報の変革」を担当し、

変異が少ないものが
「情報の保存」を担当すれば良い。

シンプルだが、なんと画期的な
アイディアなのだろう。

古澤はこれを
「元本保証された多様性の創出」
と称しているが、

子孫の中に

親の形質をよく保存したものと、

親の形質から
大きく離れたものを作り出す仕組みを
持つことで、

常に
継続した生命の存続を担保しながら、
変異によってできた
新たな遺伝子型を
次々と試すことが可能になる


変異したものの中に
親より環境に適応したものが現れれば、
今度はそれを出発点として
この過程を繰り返すことで、
さらなる発展が可能となる。

これはまさに元本を2倍にして、
一方のみをギャンブルに使う
『ふしぎなポケット』戦略である。

種の「保存」と「変革」という
生命の持つ相反する要求を
どう共存させているのか?
そのひとつの解が
ここにあるのかもしれない。

この不均衡進化論では、
DNAの複製という
生物の最も根源的な機構に、
生物の持つ
二つの対立する根源的な性質を
うまく織り込んでいることが、
実に象徴的である。

DNAの2本の鎖は、その1本から
「自己の保存」を担う、
言うなれば「静」の子孫が、

そしてもう1本からは
「自己の変革」を担う
「動」の子孫が生まれてくる。

その2本の鎖が、
しっかりと手をつなぎ、
螺旋の姿で絡まり合い、
私たちの細胞に収められている。

「情報の保存」と「情報の変革」という
矛盾を解決するために、生物が生み出した
元本保証された多様性の創出」という
優れた戦略を支える機構は、
ここまでに紹介して来た
非対称牲による
不均衡な変異の創出だけではない

実に興味深い
生物が持つ「生命のからくり」だ。

 

 

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2019年4月 7日 (日)

恒温動物とは恒時間動物

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恒温動物とは恒時間動物

- 右と左の同期、人間と社会の同期 -

 

東京地方は、桜が咲いたあと
肌寒い気温が続いたせいか
満開をいつもよりながく楽しめる
4月第一週となった。

4月、新社会人の皆さんはどんな思いで
スタートをきったことだろう。

「ビジネスにはスピードが求められる」的な
新社会人へのメッセージを
耳にする機会が多い年度始め、
「スピード」で思い出した話があるので
今日はそれを紹介したい。

 

参考図書はコレ。

本川達雄 (著)
生物学的文明論
新潮新書

(以下水色部、本からの引用)

 車とコンピュータ。
20世紀前半の
技術を代表するのが車で、
後半から今を代表しているのが
コンピュータでしょう。

そのどちらもが、エネルギーを使って
時間を速めるものなのです。

 これらだけではありません。
身のまわりのほとんどの機械が、
エネルギーを使って
時間を速めるものばかりです。

飛行機、携帯、工場の生産ライン、
家庭内では全自動洗濯機や電子レンジ。
これら文明の利器と言われるものは、
便利なものです。

「便利」とは速くできること
言い替えられますから、
結局、エネルギーを使って
時間を速めるのが
文明の利器なのですね。

一見、速度には影響がないような
クーラーやコンビニエンスストアも
言うまでもなく
間接的には速度向上に役立っている。

 

あらゆる面で高速化が進む我々の社会。

ここで、ちょっと我々自身の体のことを
生物の視点で考えてみよう。

動物には、外部の温度に応じて
体温が変化する変温動物
外部の温度の影響を受けず
自らの体温を維持できる恒温動物がいる。

 変温動物は体温が下がっている時には
動けません。
動くためには、まず体を温めて、
それから、やおら動く。

車にたとえれば、
普段はエンジンを切っておいて、
走るときにスイッチを入れ、
エンジンを暖めて、
そうしてはじめて走り出せるのです。

一方、恒温動物は...

それに対し恒温動物は、
エンジンをかけっぱなしにしておき、
いつでもダッシュできるよう
準備しています。

「いつでもどこでもすぐに」
を目指しているのが恒温動物なのです。

 

言うまでもなく、人間は恒温動物。
体温が一定になると、
どんな良い点があるだろう?

 

筋肉の収縮も、
もちろん化学反応が
基礎になっていますから、
温度が高ければ速く縮むし
遅ければゆっくりと縮みます。

つまり体温が下がっていれば、
さっきと同じタイミングで
餌を捕まえようとしても
体の動きはゆっくりになり、
餌を逃してしまうおそれも
出てくるのです。

それに対して体温が一定ならば、
すべての事象が
いつも同じ速度で繰り返せるので、
予測もたてやすくなりますし、
体内の統制もとりやすくなるでしょう。

(中略)

結局、恒温動物とは
恒時間動物
なのですね。

体温を一定にして、
時間の速度を
常に一定に保っているのが
恒温動物です。

しかも人間の場合、
体温は約37度もあるので、
外気温との比較で考えると
高温動物であるとも言える。

高温は「体内の反応が速い」
ことにも繋がるが、
この「速い」を活かすためには
もうひとつ重要な要素がある。

高い体温にして、
体の中のさまざまな反応が
速くなればなるほど、
各反応間のタイミングを合わせるには、
時間がぴったりそろう必要があります。

つまり、各反応がぴったり揃って初めて
「速い」動きが実現されることになる。
単純な例だが、速く走れることだって
左右の足の動きの同期があってこそだ。

足をいくら速く動かせても
左右がバラバラでは、
速く走ることはできない。

各反応が速いだけでは速くならない

この同期の問題は、
体内だけでなく、社会においても同じ。

現代人は社会の時間を
超高速度にしています。

超高速だからこそ、
少しでも遅い部分があると、
たちどころに渋滞が起こる

だから皆、時間をキッチリと守る
必要があるのですね。

社会も恒環境にして、
高速化とその同期が進んでいる、と
本川さんは言う。

気温という環境は、
クーラーと暖房で、
いつも快適な温度に一定。

冬でも
ハウス栽培の果物が食べられる。

 いつも働けるように
夜も明々とライトで照らす。
明るさという環境も一定。

このように環境そのものを一定にして
何でも即座にできるようにして、
時間の速度を速めています。

さて、こうなると
人間と社会の同期が問題になってくる。

「少しでも遅い部分があると、
 たちどころに渋滞が起こ」って
しまうからだ。

ところが、
社会の高速性が先行してしまい、
その同期のために、
「人間の速度」が
無理を強いられるようになってしまった。

結局、夜もおちおち寝ていられない
社会になってしまったのです。

安眠できない世界など、
地獄以外の何ものでもないと
私は思うのですけれど。

社会・環境のスピードと
人間(つまり体)のスピード。

「体」が幸せと感じられる環境
自ら破壊して、
いったい何を目指そうというのだろう。

 

 

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2019年1月13日 (日)

2019 数字あそび

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2019 数字あそび

- 降順と昇順の傑作 -

 

2019年が始まった。

ここに書いた通り、
数学好きと言うか、数字好きな人は
数字を見るとまずは「素数」に
反応してしまうようだが、
一見素数のニオイがするものの
「2019」は素数ではない。

(「素数」とは中学で習った
 「1より大きい自然数で、正の約数が
  1と自分自身のみであるもののこと」
 小さいところだと
  2, 3, 5, 7, 11 ・・・)

2017 は素数だったが、
2018 = 2 x 1009 (2 x 素数)
2019 = 3 x 673  (3 x 素数)

ちなみに、次に素数となる年号は
一見素数のような気がしない
つまり約数があるような気がする
2027。

2017年に「2017」を使った
数字あそびを書いたので、
今回は「2019」を使った数字あそびを
紹介したい。

(えっ、2017の次は2019で、
 2018年ネタはないの?
 なる反応があるとも思えないが、
 2019ネタを始める前に
 ひとつだけ2018年関連ネタを。
 
 2018年10月19日。
  [  20181019 ]:素数!
  [    181019 ]:素数!
  [      81019 ]:素数!
  [        1019 ]:素数!
  [          19 ]:素数!)

 

では、2019ネタを始めたい。

(AA) 【降順(・・4, 3, 2, 1・・)で】
 ではこれが見事。

210 + 29 + 28 + 27 + 26 + 25 + 24 - 23 - 22 - 21 + 20 = 2019

10 x 9 x 8 x 7 / 6 / 5 x 4 x 3 + 2 + 1 = 2019

 

(BB) 【昇順(1, 2, 3, 4 ・・)で】
 の傑作は3乗で揃えたこれ。

13 - 23 - 33 + 43 - 53 + 63 - 73 + 83 + 93 + 103 = 2019

 

(CC) 【3つの「素数の2乗」の和】
 6通りで記述できる最小数らしい。

(1) 72 + 112 + 432 = 2019

(2) 72 + 172 + 412 = 2019

(3) 132 + 132 + 412 = 2019

(4) 112 + 232 + 372 = 2019

(5) 172 + 192 + 372 = 2019

(6) 232 + 232 + 312 = 2019

 

(DD) 【2019の数字の並びそのまま2回使って】

201 x 9 + 201 + 9 = 2019

 

(EE) 【その他べき乗を使って】

74 -63 -53 -43 +33 -22 = 2019

64 +54 +34 +24 +14 = 2019

55 -45 -34 -14 = 2019

37 -35 +34 -32 +31 = 2019

211 -24 -23 -22 -20 = 2019

 

(FF) 【こんな長いものも】

12 + 22 + 23 + 24 + 25 + 26 + 27 +
32 + 33 + 34 + 35 + 52 + 53 +
62 + 63 + 72 + 102 + 112 + 122 +
132 + 142 + 152 = 2019

 

発見した方々に敬意を表して、
記録としてここに留めておきたい。

「2017」の時と同様、
「だからナンだ」と聞かれても
返す言葉はないのだけれど。

 

 

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2018年12月16日 (日)

初めての中国・上海 (3)

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初めての中国・上海 (3)

- バイクの防寒対策とエレベータの制御 -

 

前回に引き続き、
2018年11月、出張で行った
中国・上海で印象に残ったことを
写真を添えて紹介したい。

 

【女性比率】
「共働きが基本」の中国だからだろうが、
訪問した中国企業内を案内していただくと、
オフィス内の男女比がほぼ1対1。

私自身は、日本で
男性の多い職場で働いているせいか、
妙に女性が多く感じる。

「一緒に働いてみると
 女性は男性よりも仕事ができる人が多いし、
 事実、管理職の女性比率も高いンですよ」
とは、訪問した会社の人の弁。

 

ほぼ同数が働いているわけだから
朝の通勤の様子も当然ながらほぼ同数。
女性の年齢層も幅広い。
電車・バスだけでなく、
自転車やバイクも通勤によく使われている。
子供を乗せた二人乗り、三人乗りも
よく見かける。

 

【バイクの風よけ】
通勤時間帯のバイク。
すごい数だ。

Pb022186s

ほとんどが電動バイク。
排気ガスの出るエンジンではない。
「もう95%以上はモータだよ」
と現地の方。

Pb022188s

PM2.5を含め
大気汚染の浄化計画の一部として
電化が進んだらしい。

Pb022189s

バイクの電化だけが理由ではないだろうが、
一時期に比べ
空気は相当きれいになった、とのこと。

実際に街を歩いていても、
大気汚染は特に気にならない。

Pb022191s

で、このバイク、
風を切って寒いのはわかるが、
日本では見ない防寒対策をとっている。

どれもオシャレとはほど遠いものの
効果はありそうだ。

Pb032332s

ダウンのものは軽そうだが、
日本の「どてら」のような
ずっしりと重そうなものもある。

Pb022196s

空気がきれいになった一方で、
大量にゴミとして破棄される
バッテリーの処分が
大きな社会問題となっているらしく、
話を聞いた中国人の言葉を借りると
「電化によって、
 ここにあった問題が
 あっちに移っただけ

言い得て妙だ。

解決案って、解決しているようで実は
「あっちに移っただけ」ということが多い。
「あっち」を見ないようにさえすれば
「ここ」の問題は
解決したかのように見えるけれど、
「あっち」には新たな問題が発生している。

いろいろなところで使えそうな
深い言葉だったゆえ
思わずメモってしまった。

ただ、英語で聞いたコメントを
一旦日本語で解釈してしまうと、
意味はわかっても
もとの英語には戻せないことが多い。
悲しい、というか情けないのだけど。

 

電化されてモータになったせいで、
走行時ほとんど音がしない。

大量に「静かな」バイクが走っているが、
運転のお行儀はあまりよろしくない。

なので、街中で歩いていて
一番気をつけないといけないのは
バイクかもしれない。

ほんとうに静かなンで
何度もヒヤッとさせられた。

 

【エレベータの制御】
訪問した会社は
新しい大きなオフィスビルの15階。

ここのエレベータも初めてのタイプだった。

複数台のエレベータが並ぶ
エレベータホールの入り口付近に
操作パネルがあり、まず最初に
「行きたい階」を押す。
押した瞬間にエレベータの箱を示す
記号(例えば[D])が表示される。

あとは、[D]の前で待って、
来たエレベータに乗り込む。
乗り込むと
当然ながらすでに行き先階のボタンは
押してある。
あとは乗って到着を待つだけ。
箱内ではなにも操作する必要がない。

通常日本で繰り返している
(a) [上下のボタンを押して待つ]
(b) [乗り込む]
(c) [箱内で行き先階を押す]

の(a)と(c)2回押しのアクションが
「最初に行き先を押す」という
1回の操作だけで済む。

こうすれば、
乗る人の操作が減るだけでなく
同じ階に行く人を事前にまとめる等、
グルーピングも可能で、
各階にひとりずつ、という非効率な運行を
事前に避けることもできる。

実際にどんなロジックを使っているのか
もちろんそこまではわからなかったが、
ちょっと賢いロジック(AI)を使えば
エレベータの回転率を
かなり効率化できそうだし、
すでにそうなっているのかもしれない。

オフィスビルでのエレベータの乗り方、
こういったまさに「枯れた」操作系も
まだまだ改善の余地はある、ということか。
エンジニアとしては、
「ボーっと生きてんじゃねえよ!」
と言われた気がした。

 

 

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2018年11月18日 (日)

完全版 小町算・変則小町算 全解答一覧

(全体の目次はこちら


完全版 小町算・変則小町算 全解答一覧

- わずか3項、2項による解も -

 

以前公開した記事、
完全版 テンパズル (10puzzle) 全問題 全解答一覧
読者の方から
「変則小町算の完全解もお願いします」なる
リクエストをいただいた。

「オーストリア旅行記が終わったら
 記事にしてみます」
と返答し、お約束していたので、
「はまめも」復帰の第一弾は
このネタにトライしてみたい。

 

「小町算」は知っているが
「変則小町算」って何?

まずは定番、小町算から。

【小町算】は、
1□2□3□4□5□6□7□8□9
の□の中に「+ - * /」の
四則演算子を入れて式を作り、
その計算値が100となる計算式
探し出すパズルだ。
なお□の中には四則演算子の他、
「何も入れない」という選択肢もあり、
その場合は、隣り合った数字を
複数桁の数字として扱うことになる。
数字の位置の入れ替えと、
演算順位を変えるかっこの利用は禁止。

つまり、
1□2□3 を、
123 としても、
12*3 としても、
1/23 としても、
1+2*3 としても扱うことができる。

【変則小町算】は、同じルールで、
計算値が「ゼロ」になる計算式
探し出すもの。

 

【全計算式】
数と数の間が8個で、そこに
「四則演算子+空白」の5種の記号の
どれかが入って式が一意に確定するので、

式の数は 5 ^ 8 = 390,625。

全部で約39万式。
そのうち、
計算値が100になるものが小町算で、
計算値がゼロになるものが変則小町算
ということになる。

プログラムを使って
簡単に解くことができるが、
テンパズルと違って
式の整理や
同一式のチェックが必要ないので、
式の発見と同時に
公開一覧表もすっきり作ることができる。

小町算の式の数が101、
変則小町算の式の数が167、
これが全解答数。

小町算では、
「12/3 + 4*5*6*7/8 - 9」
のように3項で解けるものが4式、

変則小町算では、
「12*3 - 4*56/7/8*9」
のようにわずか2項で解けるものが7式も
ある。
しかもその中には、
「12*3/4*56/7/8 - 9」のように
「12*3/4*56/7/8」という
8つの数字を使った項が登場するものも
2式ある。

 

【小町算 全解答一覧】
小町算:計算値が100になる式
■■は構成項数が最小[3]のもの。
■■は5つ以上の数字で構成される項を含むもの。
■■は構成項数が最大[8]のもの。

第一演算子まで No. 小町算
(計算値が「100」になる式)
項の数 5つ以上の
数字を使う項
123 + 1 123 + 45 - 67 + 8 - 9 5
2 123 + 4 - 5 + 67 - 89 5
3 123 + 4*5 - 6*7 + 8 - 9 5
123 - 4 123 - 45 - 67 + 89 4
5 123 - 4 - 5 - 6 - 7 + 8 - 9 7
12 + 6 12 + 34 + 5*6 + 7 + 8 + 9 6
7 12 + 34 - 5 + 6*7 + 8 + 9 6
8 12 + 34 - 5 - 6 + 7*8 + 9 6
9 12 + 34 - 5 - 6 - 7 + 8*9 6
10 12 + 3 + 4 + 5 - 6 - 7 + 89 7
11 12 + 3 + 4 - 56/7 + 89 5
12 12 + 3 - 4 + 5 + 67 + 8 + 9 7
13 12 + 3*45 + 6*7 - 89 4
14 12 + 3*4 + 5 + 6 + 7*8 + 9 6
15 12 + 3*4 + 5 + 6 - 7 + 8*9 6
16 12 + 3*4 - 5 - 6 + 78 + 9 6
12 - 17 12 - 3 + 4*5 + 6 + 7*8 + 9 6
18 12 - 3 + 4*5 + 6 - 7 + 8*9 6
19 12 - 3 - 4 + 5 - 6 + 7 + 89 7
20 12 - 3 - 4 + 5*6 + 7*8 + 9 6
21 12 - 3 - 4 + 5*6 - 7 + 8*9 6
12* 22 12*3 - 4 + 5 - 6 + 78 - 9 6
23 12*3 - 4 - 5 - 6 + 7 + 8*9 6
24 12*3 - 4*5 + 67 + 8 + 9 5
12/ 25 12/3 + 4*5 - 6 - 7 + 89 5
26 12/3 + 4*5*6 - 7 - 8 - 9 5
27 12/3 + 4*5*6*7/8 - 9 3 4*5*6*7/8
28 12/3/4 + 5*6 + 78 - 9 4
1 + 29 1 + 234 - 56 - 7 - 8*9 5
30 1 + 234*5*6/78 + 9 3 234*5*6/78
31 1 + 234*5/6 - 7 - 89 4 234*5/6
32 1 + 23 - 4 + 56 + 7 + 8 + 9 7
33 1 + 23 - 4 + 56/7 + 8*9 5
34 1 + 23 - 4 + 5 + 6 + 78 - 9 7
35 1 + 23 - 4 - 5 + 6 + 7 + 8*9 7
36 1 + 23*4 + 56/7 + 8 - 9 5
37 1 + 23*4 + 5 - 6 + 7 - 8 + 9 7
38 1 + 23*4 - 5 + 6 + 7 + 8 - 9 7
39 1 + 2 + 34 - 5 + 67 - 8 + 9 7
40 1 + 2 + 34*5 + 6 - 7 - 8*9 6
41 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8*9 8
42 1 + 2 + 3 - 45 + 67 + 8*9 6
43 1 + 2 + 3 - 4 + 5 + 6 + 78 + 9 8
44 1 + 2 + 3 - 4*5 + 6*7 + 8*9 6
45 1 + 2 + 3*4 - 5 - 6 + 7 + 89 7
46 1 + 2 + 3*4*56/7 - 8 + 9 5 3*4*56/7
47 1 + 2 + 3*4*5/6 + 78 + 9 5
48 1 + 2 - 3*4 + 5*6 + 7 + 8*9 6
49 1 + 2 - 3*4 - 5 + 6*7 + 8*9 6
50 1 + 2*34 - 56 + 78 + 9 5
51 1 + 2*3 + 4 + 5 + 67 + 8 + 9 7
52 1 + 2*3 + 4*5 - 6 + 7 + 8*9 6
53 1 + 2*3 - 4 + 56/7 + 89 5
54 1 + 2*3 - 4 - 5 + 6 + 7 + 89 7
55 1 + 2*3*4*5/6 + 7 + 8*9 4 2*3*4*5/6
1 - 56 1 - 23 + 4*5 + 6 + 7 + 89 6
57 1 - 23 - 4 + 5*6 + 7 + 89 6
58 1 - 23 - 4 - 5 + 6*7 + 89 6
59 1 - 2 + 3 + 45 + 6 + 7*8 - 9 7
60 1 - 2 + 3*4 + 5 + 67 + 8 + 9 7
61 1 - 2 + 3*4*5 + 6*7 + 8 - 9 6
62 1 - 2 + 3*4*5 - 6 + 7*8 - 9 6
63 1 - 2 - 34 + 56 + 7 + 8*9 6
64 1 - 2 - 3 + 45 + 6*7 + 8 + 9 7
65 1 - 2 - 3 + 45 - 6 + 7*8 + 9 7
66 1 - 2 - 3 + 45 - 6 - 7 + 8*9 7
67 1 - 2 - 3 + 4*56/7 + 8*9 5
68 1 - 2 - 3 + 4*5 + 67 + 8 + 9 7
69 1 - 2*3 + 4*5 + 6 + 7 + 8*9 6
70 1 - 2*3 - 4 + 5*6 + 7 + 8*9 6
71 1 - 2*3 - 4 - 5 + 6*7 + 8*9 6
1* 72 1*234 + 5 - 67 - 8*9 4
73 1*23 + 4 + 56/7*8 + 9 4
74 1*23 + 4 + 5 + 67 - 8 + 9 6
75 1*23 - 4 + 5 - 6 - 7 + 89 6
76 1*23 - 4 - 56/7 + 89 4
77 1*23*4 - 56/7/8 + 9 3
78 1*2 + 34 + 56 + 7 - 8 + 9 6
79 1*2 + 34 + 5 + 6*7 + 8 + 9 6
80 1*2 + 34 + 5 - 6 + 7*8 + 9 6
81 1*2 + 34 + 5 - 6 - 7 + 8*9 6
82 1*2 + 34 - 56/7 + 8*9 4
83 1*2 + 3 + 45 + 67 - 8 - 9 6
84 1*2 + 3 + 4*5 + 6 + 78 - 9 6
85 1*2 + 3 - 4 + 5*6 + 78 - 9 6
86 1*2 + 3*4 + 5 - 6 + 78 + 9 6
87 1*2 - 3 + 4 + 56/7 + 89 5
88 1*2 - 3 + 4 - 5 + 6 + 7 + 89 7
89 1*2 - 3 + 4*5 - 6 + 78 + 9 6
90 1*2*34 + 56 - 7 - 8 - 9 5
91 1*2*3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8*9 6
92 1*2*3 - 45 + 67 + 8*9 4
93 1*2*3 - 4 + 5 + 6 + 78 + 9 6
94 1*2*3 - 4*5 + 6*7 + 8*9 4
95 1*2*3*4 + 5 + 6 + 7*8 + 9 5
96 1*2*3*4 + 5 + 6 - 7 + 8*9 5
97 1*2*3*4 - 5 - 6 + 78 + 9 5
98 1*2/3 + 4*5/6 + 7 + 89 4
1/ 99 1/2*34 - 5 + 6 - 7 + 89 5
100 1/2*3/4*56 + 7 + 8*9 3 1/2*3/4*56
101 1/2/3*456 + 7 + 8 + 9 4 1/2/3*456

 

【変則小町算 全解答一覧】
変則小町算:計算値がゼロになる式
■■は構成項数が最小[2]のもの。
■■は5つ以上の数字で構成される項
  または分数項(整数にならない項)を含むもの。
■■は構成項数が最大[8]のもの。

第一演算子まで No. 変則小町算
(計算値が「ゼロ」になる式)
項の数 5つ以上の
数字を使う項
or 分数項
123- 1 123 - 4 - 5 - 6*7 - 8*9 5
12+ 2 12 + 34 - 56 - 7 + 8 + 9 6
3 12 + 34 - 5 + 6 - 7*8 + 9 6
4 12 + 34 - 5 - 6*7 - 8 + 9 6
5 12 + 3 + 4 - 5 - 6 - 7 + 8 - 9 8
6 12 + 3 - 45 + 6 + 7 + 8 + 9 7
7 12 + 3 - 45 - 6*7 + 8*9 5
8 12 + 3 - 4 + 5 - 6 + 7 - 8 - 9 8
9 12 + 3 - 4*56/7 + 8 + 9 5
10 12 + 3 - 4*5 - 67 + 8*9 5
11 12 + 3*4 - 5*6 + 7 + 8 - 9 6
12- 12 12 - 34 + 5*6 - 7 + 8 - 9 6
13 12 - 3 + 4 + 56 - 78 + 9 6
14 12 - 3 + 4 + 5 + 6 - 7 - 8 - 9 8
15 12 - 3 - 4 - 5 + 6 - 7 - 8 + 9 8
16 12 - 3 - 4 - 5 - 6 + 7 + 8 - 9 8
17 12 - 3*4 + 5 + 67 - 8*9 5
18 12 - 3*4 - 5 - 67 + 8*9 5
12* 19 12*3 + 45 + 6 - 78 - 9 5
20 12*3 + 4 + 56 - 7 - 89 5
21 12*3 + 4 - 56*7/8 + 9 4
22 12*3 + 4 - 5*6 + 7 - 8 - 9 6
23 12*3 - 4 - 56 + 7 + 8 + 9 6
24 12*3 - 4*56/7/8*9 2 4*56/7/8*9
25 12*3 - 4*5 - 6 + 7 - 8 - 9 6
26 12*3 - 4/56*7*8*9 2 4/56*7*8*9
27 12*3*4 - 5 - 67 - 8*9 4
28 12*3/4 + 56 + 7 - 8*9 4
29 12*3/4 + 56 - 7*8 - 9 4
30 12*3/4 + 56/7 - 8 - 9 4
31 12*3/4 + 5 - 6 - 7 + 8 - 9 6
32 12*3/4 - 56 + 7*8 - 9 4
33 12*3/4 - 56/7 + 8 - 9 4
34 12*3/4 - 56/7/8*9 2 56/7/8*9
35 12*3/4 - 5 + 6 + 7 - 8 - 9 6
36 12*3/4*56 - 7*8*9 2 12*3/4*56
37 12*3/4*56/7 - 8*9 2 12*3/4*56/7
38 12*3/4*56/7/8 - 9 2 12*3/4*56/7/8
39 12*3/4/56*7*8 - 9 2 12*3/4*56/7*8
12/ 40 12/3 + 4 + 56/7/8 - 9 4
41 12/3 - 45 + 6*7 + 8 - 9 5
42 12/3 - 45 - 6 + 7*8 - 9 5
43 12/3 - 4 + 5 + 67 - 8*9 5
44 12/3 - 4 - 5 - 67 + 8*9 5
45 12/3 - 4*5 + 6 - 7 + 8 + 9 6
46 12/3/4 - 5 - 6 - 7 + 8 + 9 6
47 12/3/4*5 + 67 - 8*9 3
1+ 48 1 + 23 - 4 + 5 - 6*7 + 8 + 9 7
49 1 + 23 - 4 - 5*6 - 7 + 8 + 9 7
50 1 + 23 - 4*5 + 6 + 7 - 8 - 9 7
51 1 + 23 - 4*5*6 + 7 + 89 5
52 1 + 23*4 - 5 - 6 + 7 - 89 6
53 1 + 2 + 3 + 4 - 56/7/8 - 9 6
54 1 + 2 + 3 + 4 - 5 + 67 - 8*9 7
55 1 + 2 + 3 - 4*5 + 6 + 7 - 8 + 9 8
56 1 + 2 + 3*4*5 + 6 - 78 + 9 6
57 1 + 2 - 34 - 56 + 78 + 9 6
58 1 + 2 - 3*4 + 56 - 7*8 + 9 6
59 1 + 2 - 3*4 + 56/7 - 8 + 9 6
60 1 + 2 - 3*4 + 56/7/8*9 4
61 1 + 2 - 3*4 + 5 - 6 - 7 + 8 + 9 8
62 1 + 2 - 3*4 - 56 + 7*8 + 9 6
63 1 + 2 - 3*4 - 56 - 7 + 8*9 6
64 1 + 2 - 3*4 - 56/7 + 8 + 9 6
65 1 + 2 - 3*4 - 5 + 6 + 7 - 8 + 9 8
66 1 + 2 - 3*4*56/7/8 + 9 4
67 1 + 2 - 3*4/56*7*8 + 9 4
68 1 + 2*3 + 45 - 6*78/9 4
69 1 + 2*3 + 4 + 5 - 6 + 7 - 8 - 9 8
70 1 + 2*3 - 4 - 5 - 6 + 7 - 8 + 9 8
71 1 + 2*3*4 + 5 + 6*7 - 8*9 5
72 1 + 2*3*4 + 5 - 6 - 7 - 8 - 9 7
73 1 + 2*3*4 - 56/7 - 8 - 9 5
74 1 + 2/3 - 4 + 5 + 6 - 78/9 6 2/3,  78/9
75 1 + 2/3*45/6 - 7 - 8 + 9 5 2/3*45/6
76 1 + 2/3*45/6 - 7 - 8 + 9 5 2/3*45/6
1- 77 1 - 23 + 4*5 - 6 + 7 - 8 + 9 7
78 1 - 23 - 4 - 56 - 7 + 89 6
79 1 - 23*4*5 + 6*78 - 9 4
80 1 - 2 + 3 + 45 + 6*7 - 89 6
81 1 - 2 + 3 + 4 - 5*6 + 7 + 8 + 9 8
82 1 - 2 + 3 + 4*5 + 67 - 89 6
83 1 - 2 + 3 - 45 + 6*7 - 8 + 9 7
84 1 - 2 + 3 - 4*5 - 6 + 7 + 8 + 9 8
85 1 - 2 + 3*4 + 5 - 6 + 7 - 8 - 9 8
86 1 - 2 + 3*4*5 + 6 + 7 - 8*9 6
87 1 - 2 + 3*4*5 + 6 - 7*8 - 9 6
88 1 - 2 + 3*4*5 - 6*7 - 8 - 9 6
89 1 - 2 - 34 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 8
90 1 - 2 - 34 + 5 - 6*7 + 8*9 6
91 1 - 2 - 34 - 5*6 + 7*8 + 9 6
92 1 - 2 - 34 - 5*6 - 7 + 8*9 6
93 1 - 2 - 3 + 45 + 6 - 7*8 + 9 7
94 1 - 2 - 3 + 45 - 6*7 - 8 + 9 7
95 1 - 2 - 3 + 4 + 5 + 67 - 8*9 7
96 1 - 2 - 3 + 4 - 5 - 67 + 8*9 7
97 1 - 2 - 3 + 4*5 - 6 + 7 - 8 - 9 8
98 1 - 2 - 3 - 4 - 56/7/8 + 9 6
99 1 - 2 - 3*4 - 56 + 78 - 9 6
100 1 - 2 - 3*4 - 5 - 6 + 7 + 8 + 9 8
101 1 - 2*3 + 4 + 5 + 6 + 7 - 8 - 9 8
102 1 - 2*3 - 45 + 67 - 8 - 9 6
103 1 - 2*3 - 4 + 56 - 7*8 + 9 6
104 1 - 2*3 - 4 + 56/7 - 8 + 9 6
105 1 - 2*3 - 4 + 56/7/8*9 4 56/7/8*9
106 1 - 2*3 - 4 + 5 - 6 - 7 + 8 + 9 8
107 1 - 2*3 - 4 - 56 + 7*8 + 9 6
108 1 - 2*3 - 4 - 56 - 7 + 8*9 6
109 1 - 2*3 - 4 - 56/7 + 8 + 9 6
110 1 - 2*3 - 4 - 5 + 6 + 7 - 8 + 9 8
111 1 - 2*3 - 4*56/7/8 + 9 4 4*56/7/8
112 1 - 2*3 - 4*5 + 6*7 - 8 - 9 6
113 1 - 2*3 - 4/56*7*8 + 9 4 4/56*7*8
114 1 - 2*3*4 + 5 - 6 + 7 + 8 + 9 7
115 1 - 2*3*4 - 56 + 7 + 8*9 5
116 1 - 2/3*4*5*6 + 7 + 8*9 4 2/3*4*5*6
1* 117 1*23 + 45 - 67 + 8 - 9 5
118 1*23 + 4 - 5 + 67 - 89 5
119 1*23 + 4*5 - 6*7 + 8 - 9 5
120 1*23 - 45 - 67 + 89 4
121 1*23 - 4 - 5 - 6 - 7 + 8 - 9 7
122 1*2 + 34 + 5 + 6 - 7*8 + 9 6
123 1*2 + 34 + 5 - 6*7 - 8 + 9 6
124 1*2 + 34 - 5*6 - 7 - 8 + 9 6
125 1*2 + 3 + 45 - 67 + 8 + 9 6
126 1*2 + 3 + 4 + 56 + 7 - 8*9 6
127 1*2 + 3 + 4 + 56 - 7*8 - 9 6
128 1*2 + 3 + 4 + 56/7 - 8 - 9 6
129 1*2 + 3 + 4 + 5 - 6 - 7 + 8 - 9 8
130 1*2 + 3 + 4 - 56 + 7*8 - 9 6
131 1*2 + 3 + 4 - 56/7 + 8 - 9 6
132 1*2 + 3 + 4 - 56/7/8*9 4 56/7/8*9
133 1*2 + 3 + 4 - 5 + 6 + 7 - 8 - 9 8
134 1*2 + 3 + 4*56/7/8 - 9 4
135 1*2 + 3 + 4*5 - 6*7 + 8 + 9 6
136 1*2 + 3 + 4/56*7*8 - 9 4 4/56*7*8
137 1*2 + 3 - 4 - 5 - 6 - 7 + 8 + 9 8
138 1*2 + 3*4*5/6*7 - 8*9 3 3*4*5/6*7
139 1*2 - 34 + 56 - 7 - 8 - 9 6
140 1*2 - 3 + 4 - 5 - 6 + 7 - 8 + 9 8
141 1*2 - 3 - 4 + 5 + 6 - 7 - 8 + 9 8
142 1*2 - 3 - 4 + 5 - 6 + 7 + 8 - 9 8
143 1*2 - 3*4 + 56/7/8 + 9 4
144 1*2 - 3*4 + 5 - 67 + 8*9 5
145 1*2 - 3*4*5/6 + 7 - 8 + 9 5
146 1*2 - 3/4 - 5 - 6*7/8 + 9 5
147 1*2*34 + 5 + 6 - 7 - 8*9 5
148 1*2*34 - 5 + 6 - 78 + 9 5
149 1*2*3 + 4 - 56/7/8 - 9 4
150 1*2*3 + 4 - 5 + 67 - 8*9 5
151 1*2*3 - 4*5 + 6 + 7 - 8 + 9 6
152 1*2*3*4 - 5*6 + 7 + 8 - 9 5
153 1*2/3*45 + 6*7 - 8*9 3
154 1*2/3*45 - 6 - 7 - 8 - 9 5
1/ 155 1/2 + 3/4 - 5 - 6*7/8 + 9 5
156 1/2 - 3 - 45/6 - 7 + 8 + 9 6
157 1/2 - 3*4/56*7 - 8 + 9 4
158 1/2*34 + 5 + 67 - 89 4
159 1/2*34 + 5*6 - 7*8 + 9 4
160 1/2*34 - 5 - 6 - 7 - 8 + 9 6
161 1/2*34*5 - 6 - 7 - 8*9 4
162 1/2*3 - 45/6 + 7 + 8 - 9 5
163 1/2*3 - 4/56*7 + 8 - 9 4
164 1/2*3*4 - 5*6 + 7 + 8 + 9 5
165 1/2*3*4*5 + 6*7 - 8*9 3
166 1/2*3*4*5 - 6 - 7 - 8 - 9 5
167 1/2*3/4*5 + 6 - 7/8*9 3

 

 

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2018年2月 4日 (日)

オーストリア旅行記 (24) ウィーン自然史博物館

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オーストリア旅行記 (24) ウィーン自然史博物館

- 向かい合って建つ双子博物館のひとつ -

 

前回書いた
リンク通りの整備と共に建てられた
建築物のひとつが「ウィーン自然史博物館」
完成は1889年8月。
日本でいえば明治22年。

右下を歩く人の大きさから
その規模が想像できるだろうか。

P7148731s

博物館まで行くと、
マリア・テレジア広場と呼ばれる
マリア・テレジアの像のある広場を挟んで、
ほぼ同じ外観の大きな大きな建物が
向かい合って建っている

まさに双子博物館。

【マリア・テレジア広場】

P7148750s

こちらが
【ウィーン自然史博物館】

P7148748s

そしてこちらが
【ウィーン美術史博物館】

P7148747s

ちょっと見では区別がつかない。

マリア・テレジアの像は
この2つの建物の真ん中にあって
こんな感じ。
奥に見えているのは美術史博物館。

P7148746s

どちらの博物館も
オーストリアはもちろん、
世界的に見ても主要な博物館の
ひとつと言われている。

美術史の方は後日改めて訪問、と
計画していたので、
今日は自然史博物館のみ。

ここの蒐集品は、
マリア・テレジアの夫
フランツ1世のコレクションが
その起源になっているが、
その数は現在
3千万点にもなっているという。

ちなみに、
このフランツ1世と
マリア・テレジアとの間に生まれた
16人の子どものひとりが
マリー・アントワネットだ。

 

この博物館、
内部のコレクションもすごいが
入るとまず建物自体に圧倒される。

P7148737s

ミュージアムショップの絵葉書には
中央階段からホールを見上げた写真も。

Natur2s

中央階段回りも宮殿のよう。

P7148743s_2

カフェテリアも

P7148735s

カフェテリアから見上げる丸天井も

P7148740s

どこを見ても風格があり美しい。

以前は宮殿だったものを転用、
というわけではない。
リンク通りの整備の一環で
博物館のために、
博物館用に建てられたもの、
というのだからもっと驚く。

 

館内は写真撮影が禁止されていたので、
写真で紹介することはできないが、
生物、地学関連の蒐集品を中心に、
さまざまな展示が続く。

重さ117kgもあるトパーズやら、
マリア・テレジアが夫に贈ったという
2800個もの宝石がちりばめられている
高さ50cm、重さ2.8kgの
「宝石のブーケ」
などもある。

とガイドブックにはあったのだが、
残念ながら我々が訪問したときには、
「宝石のブーケ」は貸出し中で、
実物を見ることはできなかった。

ミュージアムショップの絵葉書だと
こんな感じ。
夫から「もらった」ではなく、
夫に「贈った」もの。

Natur1s

上に貼った
中央階段の写真中央下にも写っているが、
フランツ1世が、
鉱物コレクションを観察している絵もある。
これもミュージアムショップの絵葉書。

Natur3s

この時点で、彼の回りの棚は
コレクションですでに
埋め尽くされていることがわかる。

 

鉱石、化石、
動物の剥製、昆虫の標本、
巨大な恐竜の骨格、
さらには、地球や宇宙に関する展示も。
隕石だけでも相当な数がある。

多くの展示品の中、
今回実物を見たかったもののひとつが
「ヴィレンドルフのヴィーナス」

写真は撮れなかったので、またまた
ミュージアムショップで買った
絵葉書の写真を添えておきたい。

Venus_s

世界史の教科書等で目にしたことが
あるのではないだろうか。

なぜこれを見たかったのか。
高校時代の
小さな思い出と繋がっているから。

次回はその話から始めたい。

 

 

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2017年8月20日 (日)

「数学する言葉」

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「数学する言葉」

- かむかう -

 

雑誌「新潮」の2017年2月号に、
独立研究者の森田真生さんが
寄せている
「数学する言葉」という
16ページほどの文章を読みながら、
「数学」と「言葉」について、
ちょっと考えてみたい。
(以下水色部
 「数学する言葉」からの引用)

 

・・・
紙の上に書かれた「3」は、
三そのものではない。

紙に書かれた「リンゴ」の文字が、
それ自体リンゴではないのと同じことだ。
紙に書かれた「リンゴ」を、
まさか食べようとする人はいまい。

本当のリンゴは、どこか別の所にある。
そんなことは百も承知で、
人は文字を読む。

 区別をはっきりさせるために、
記号としての「3」や「三」のことを
「数字」と呼び、
数字が指し示している対象の方を
「数」と呼ぶことにする。

「3」という数字に対応する数については、
<三>と書くことにしよう。

 このとき<三>が、食べたり、掴んだり、
香りを嗅いだりできるような、
知覚の対象でないことは明らかである。

<三>には、大きさもなければ色もなく、
形もなければ味わいもない。
数について、
人はただ純粋に考えることができるのみだ。

「図形」もそうである。

(中略)

数学とは徹頭徹尾このように、
考えることしかできない事物についての
探究
なのだ。

五感で感じられないものを
言葉で考えるのは
数学に限ったことではないでしょ、
そう思った方、
ハイ、まさにその通り。

その通りではあるが、
実は数学を支える言葉には、
ほかにはない大きな特徴がある。

もちろん、
その場にない物事について考えるのは、
数学者だけではない。

言葉を知る者ならば、
誰でも過去について、
可能性について、
死者や地球の裏側について、
考えることができる。

現にそこにあるわけではないものを、
その場に立ち上げてしまうのが
言葉の魔力である


知覚できない数や
図形を現出させる数字や図もまた、
この魔力を継承する「言葉」なのだ。

 だが、数字や図、数式など、
数学を支える言葉には、
自然言語にはない機能
もある。

両者の間には、
無視することのできない差異がある。

いったい、どんな差異があるのだろう?

<五十七>を意味するために「57」と書く。
このとき、
記号に過ぎないはずの「57」を、
人はじかに割ったり掛けたりできる

このあと詳しく見ていくが、
これは自然言語ではできないことである。

「リンゴ」という言葉で
リンゴの存在を喚起し、
「六本足の馬」という言葉で、
不可能な馬の存在を
立ち上げることはできても、
「リンゴ」という言葉を齧ったり、
「六本足の馬」という言葉の上に
跨ったりすることはできない。

そう考えると、
「57」という言葉の上で、
掛けたり割ったり、数学的に可能な
あらゆる行為を実行できることが、
あらためて不思議に
思えてきはしないだろうか。

数学の言葉は、
数や図形の存在を呼び起こすだけでなく、
そうして存在を喚起された
数や図形について、
言葉の上でじかに計算したり、
推論したりすることを可能にする
のだ。

数学の言葉は数学者にとって
「行為(=計算、推論)の足場」
として機能する
のである。

 自然言語もまた
推論の足場ではないか、と
反論する人がいるかもしれない。

確かに人は、自然言語の力を借りて、
様々な推論をする。
しかし、
ある言葉を用いて推論することは、
ある言葉において推論することと
同じではない。

このあと、本文では
アメリカの哲学者ダニエル・マクベスの
「数字を用いて(on numbers)」
計算するのではなく
「数字において(in numbers)」
計算できるようになった、という

インド・アラビア式の
「算用数字」の登場についての
言葉を紹介しながら、
「数字において」
計算できるようになったことの意味を
詳しく説明していくが、

今日は、この
言葉のうえでじかに計算できる
という指摘の紹介に留めておきたい。

我々は小さなころから
あまりにも現在の算用数字に
慣れ親しんでしまっているために、
どんなに大きな数でも
「0」から「9」の組み合わせだけで
書けてしまうことに、
その革新性を感じることは難しい。

本文では算用数字が登場するよりも
前の時代の例を挙げながら、
対比によって今の算用数字の
すばらしさを説いているが、
ポイントは、もちろん単に表記できる、
という点だけではない。

どんなに大きな数も、
算用数字で書いてしまえば、
それを割ったり掛けたりできる。

そうして、
巨大な数に「触れる」ことができる。
たとえば、その数が23で割り切れること、
あるいは約数を複数持つことなどを
「体感」することができる

こうして、
割ったり掛けたりする行為を通じて、
数字に固有の「意味」が
浮かび上がってくるのだ。

 このとき、数字の意味する内容は、
もはや外部の世界を
参照することによってではなく、
数字とのダイレタトな接触によって、
数字の世界において作り出される

「図」も数学の言葉だ。

ユークリッドの『原論』
(紀元前300年頃)
を例に、
古代ギリシアの幾何学者たちが、
必ず図を描きながら推論した事実を示し、
数学者たちの言葉が、
作図行為とともに
発せられた
ことを説明している。

・・・・・
かくして直線AB上に
正三角形が作図できることの証明は、
図において遂行される。

図を描いていくうちに、
そこに正三角形が生じるのであって、
幾何学者が
「頭の中」で見出した正三角形を、
記述したり
描写したりしているのではない。

 本居宣長の説によれば、
「かんがふ」という言葉は
「かむかふ」の音便で、
もともと、
むかえるという意味の言葉だそうだ。

小林秀雄は、
この「むかふ」を
「身交(むか)う」と読んで、
考えるとは、
 物と親身に交わる事だ
」と
エッセイ「考えるという事」の中に
記している。

古代ギリシア人にとって、
図形について「考える」とは、
まさしく
図と親しく交わることであった。

図は、
脳内で思考したことの表現ではなく、
図を描く行為が即ち
「かむかふ」ことだったのである。

「行為(=計算、推論)の足場」
として機能する数学の言葉。

先人は、数や図形と「かむか」って、
様々な意味を見出して来たが、
世界はいまなお至るところで、
考えることをやめていない。

 

 

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2017年8月13日 (日)

鏡の中の不思議な立体

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鏡の中の不思議な立体

- 円が四角に -

 

ベーグルによるメビウスの輪でも書いた通り、
錯視・錯覚ネタは大好きだ。

錯覚を利用した世界大会
Best Illusion of the Year Contestで
2010年、世界第一位に輝いた
杉原厚吉さんのこの作品。

この作品をはじめとして、
杉原さんは実に様々な
錯覚作品の新作を発表している。

昨年(2016年)9月に
横浜で開催されていた
「エッシャー展」。

Pa105800s

その最後のコーナに展示されていた
杉原さんの作品も
新しい視点の驚くべきものだった。

そのコーナだけ
写真撮影可だったので、
その時の写真を2枚添えたい。

Pa105808s

静物を鏡で映しているだけ。

Pa105813s

でもご覧の通り、そこには
にわかには信じられないものが
映っている。

 

これらの立体オブジェを含む本(!?)が
この夏出版された。

鏡で変身!?
ふしぎ立体セット
驚きの錯覚 不可能立体の世界

監修 杉原厚吉
東京書籍

思わず購入してしまったので、
ちょっと中身をご紹介。

まずは箱の表紙にもなっている
この作品から。

Mirror1

エッシャー展では、
(壊れないように、というよりも)
展示物の位置や角度がずれないよう
ケースに入っての展示だったため、
手に取ることはできなかったが、
もちろん、今回は手に取って
いろいろな角度から
その変化を楽しむことができる。

Mirror2

鏡の前の物体は、左から
四角形、五角形、六角形なのに、
映ったもの(写真上部)はすべて円!

小さい作品だが、
これもインパクトが大きい。

Mirror3_2

矢印の向きが逆転。
しかも鋭角の矢印の先が、
鏡の中では丸いきれいな弧を描いている。

 

簡単なペーパクラフト作品も
入っている。

これは、鏡に映すと
「屋根」も「屋根のニワトリ」も
消えてしまうというもの。

Mirror4

これくらいになると、
もう写真ではとても伝えられない。

手に取って、オブジェを
違う角度から眺めてみて、
その発想に驚いてみてほしい。

仕組みを知って見ても、
何度でも楽しめる。

 

 

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