新東名高速道路 中津川橋 工事中
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新東名高速道路 中津川橋 工事中
- トンネル口径の大きな違い -
前回、建設中の新東名高速道路
E1A 新東名高速道路(新秦野IC-新御殿場IC)の進捗状況
の 3️⃣「河内川(こうちがわ)橋」を見学した話を
山北事業PR館で聞いた説明を添えて書いた。
今日はその続き。
山北事業PR館で詳しい説明を聞いたあとは、
1️⃣「中津川橋」を目指した。
それぞれの位置をもう少し詳しく
地図上に示すと
JR御殿場線谷峨(やが)駅から
松田駅へは電車で移動。
松田駅からはバス。「寄」行のバスに乗り、
「萱沼入口」で降りる。
ちなみに、「寄」は「やどりき」と読む。
バス停「萱沼入口」は
バスがグイグイと山を登る坂道の途中にある。
バスを降りるとすぐに
中津川橋の工事現場が目に飛び込んできた。
大きく見上げた河内川橋とは違って、
中津川橋は見下ろす形。
手前左側が中津川橋。
2つの口が見える奥のトンネルが
高松トンネル東側口。
2024年9月13日の様子だ。
高松トンネルは、地質がもろく、
掘削面の崩落や大量の湧水の発生などで
特に工事が難航しているトンネルだ。
注目してほしいのは、
ふたつある坑口の大きさの違い。
左の下り線の方が右の上り線よりも
かなり大きくなっている。
ちょっとズームしてみよう。
なぜこんなに左口が大きいのか?
実はこれ、手前の中津川橋の構造が
大きく関係している。
中日本高速道路会社が公開している図面
現場は中津川に沿って
断層破砕帯(図の濃い茶色部分)
があるため、
主塔を立てようとすると
断層破砕帯を避けて
高松トンネル側に寄せるしかない。
その結果、バランスを取るために
橋桁の一部を
トンネル内に延伸する必要が生じ、
図にあるように
トンネル口を大きくせざるをえなくなった、
との説明を
午前中に見学した山北事業PR館で聞いた。
当初の計画では、
もっと大きな口にする必要があったようだが、
図にある「バタフライウエブ構造」を
採用することで軽量化を図り、
今の径にまで縮小できたとのこと。
ちなみに、中津川橋近くには、
「松田事業PR館」もあるのだが、
当日は閉まっていたため、
中の展示を見ることはできなかった。
(スタッフが重なっているのか?
午前中に見学した山北事業PR館と
松田事業PR館が
同時に開いている日はないようなので、
1日で両地を回ろうとすると
どちらかを選ぶことになる)
近くには民家もないため、
湯触トンネル西側口のそばにあった
「防音ハウス」もない。
なので
発破の時は大きな音が響くことだろう。
爆音も気になるが、
5分前、1分前に流れる(音楽)も
ちょっと聞いてみたい。
そうそう、山北事業PR館の説明を聞いて
すっかり関心の度合いが高くなった
「資材を運び込むためのルートの確保」
はどうなっているだろう?
詳しいことはわからないが、
大型ダンプが通れるような
工事専用ルートもよく見える。
下の公式動画、4:00を見ると
トンネルの反対側(西側口)には
こんな作業用道路まで造られているようだ。
いかに急坂の現場なのかがよくわかる。
上の動画 4:31では
「工事用道路や仮橋の設置などの
準備工事に5年をかける」
とまで言っている。
2回に渡って書いた
新東名高速道路の河内川橋と中津川橋の
建設現場見学記。
大きな土木工事は
実物を前にすると独特な興奮がある。
「あの迫力」は生でないと伝わらない。
また、
その技術やプラニングについては
土木素人に向けて、
もっともっとアピールしても
いいのではないだろうか。
「PR館」での10名程度を定員にした
小さな説明会だけでは
あまりにももったいない。
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