二ヶ領用水(6) 溝の口で寄り道
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二ヶ領用水(6) 溝の口で寄り道
- 大山街道と元本流 -
二ヶ領用水歩き
* 二ヶ領用水(1) 三沢川との立体交差まで
* 二ヶ領用水(2) 向ヶ丘遊園駅付近まで
* 二ヶ領用水(3) 久地の合流地点まで
* 二ヶ領用水(4) 久地円筒分水をメインに
* 二ヶ領用水(5) 橋の上のバス停
で、
上河原堰取水口からのルートと
宿河原堰取水口からのルートの両方を
JR武蔵中原駅付近まで歩いたことになるが
その先を歩く前に、
JR溝の口駅付近で寄り道をしてみよう、
ということになった。
いつもの川歩き仲間と
実際に歩いたのは2024年5月の日曜日。
上記地図(Google Map)、
左上から右下への青い線が
二ヶ領用水(3) にて既に歩いたルート。
今回の寄り道は、
緑色のルート(大山街道)①から④ と
黄色のルート(元本流)⑤から⑥。
【庚申塔】:大山街道①
「見ざる・聞かざる・言わざる」
で知られた庚申信仰は、
平安時代に始まる。
特に盛んになった江戸期、
この地に作られた庚申塔は、
大山街道をゆく旅人の
道標をかねていた。
とある。
二ヶ領用水(2) でも
庚申信仰についての
詳しい説明を目にしたが、
60日ごとに巡ってくる庚申の夜の話と
庚申塔でよく目にする
「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿は
どうして結びつくのだろう?
庚申の申がさるだから?
この庚申塔では、
おそらく以前あったであろう
「見ざる・聞かざる・言わざる」が
風化してほとんど見えなくなっている。
JR溝の口駅すぐ横には
昭和の飲み屋街が残っている。
上の写真、右上奥は
JR溝の口駅のホーム。
夜は独特な雰囲気になりそうだ。
【さかえ橋の親柱石】:大山街道②
平瀬川と二ヶ領用水の根方堀が交差する
この地にあった「さかえ橋」の
親柱石だけが説明文とともに
残されている。
今は大山街道の一交差点となっており、
川の面影はない。
ここには、「大山街道」の
丁寧な説明板もある。
<江戸赤坂御門を起点として
雨乞いで有名な
大山阿夫利神社
(神奈川県伊勢原市)までの道>
<江戸時代中期には
庶民のブームとなった
「大山詣」の道として
盛んに利用されるようになり、
この頃から「大山道」「大山街道」
として有名になった>
<参詣の際には
納太刀(おさめだち)をする習慣があり、
自分の背丈よりも長い木太刀を担いでいる
参詣者の姿が
多くの浮世絵などに描かれている>
などの記述がある。
【溝口神社】:大山街道③
赤城社と呼ばれた溝口の総鎮守
このあたりは飲み水に不自由し、
親井戸から簡易水道を引いていたらしい。
「参道わきの水神社や水道組合碑が
当時の苦労を物語る」
との説明文が近くにあるが、
どんな苦労かまではわからない。
上の写真、左側が水道組合碑
碑の前を塞ぐように別な碑が立っている。
いったいどうしたことか?
【大山小径】:大山街道④
100メートルにも満たない
公園までの短い道に、
大山街道の様子が描かれた
十数枚の絵タイルが埋め込まれている。
大山街道の起点から終点までの
主な町を網羅しているので、
数十メートルを歩くだけで、
全行程を歩いた気分になれる。
起点「赤坂御門」がこんな感じ。
長津田や厚木のタイルもある。
埋め込まれたタイルとしては
「大山不動へ二里」と書かれた
粕谷まで。
終点には全景を描いた大きなコレが。
右上3枚、補修されるといいのだが。
大山街道全体の超縮小版ではあるが、
富士塚のように講と関係した小径
というわけではないようだ。
「溝口村、二子村が大いに発展したのは、
江戸時代に大山街道の
宿駅となってからである」
の説明もある。
それにしても全景図の右隣
大きな石の台座だけが残っているが、
さてその上には何が立っていたのだろう?
大山小径の次は、
二ヶ領用水の「元本流」を
見に行ってみよう。
二ヶ領用水(4) で
小さな供養塔のそばには、
「この緑道が、
かつて二ヶ領用水の本流だった。
昭和16年、用水は今の流路に
つけ替えられた」
なる説明が。
と書いたが、その説明を読んで以来、
川歩きのメンバ間には、
「元の本流」部分も歩いてみたいね、の声が。
その思いを果たすべく⑤へ移動した。
【元の本流】:元本流⑤
橋だけ残っているものの、
今は水は全く流れていない。
水は流れていないが、
緑の草の道が続いていて
元用水だったところはよくわかる。
⑥に向かってくねくねと
曲がりくねっており、
一部は細く舗装されて遊歩道になっている。
現在の二ヶ領用水の流路との
合流地点⑥まで来た。
そういえばそこには
片面に 「南無阿弥陀仏」
もう片面に「南無妙法蓮華経」
と書かれた【石橋供養塔】があった。
寄り道はここでおしまい。
次回は二ヶ領用水に戻り、
残っている部分を一気に歩いてしまおう。
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