二ヶ領用水(2) 向ヶ丘遊園駅付近まで
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二ヶ領用水(2) 向ヶ丘遊園駅付近まで
- 庚申塔:報告されると困る罪過? -
多摩川の上河原堰取水口から
二ヶ領用水を歩き始めた前回の続き。
まだ、入口。
取水口から数百メートルしか来ていない。
三沢川との立体交差、
三沢川の下をくぐった二ヶ領用水は
その先、下の写真のような
整備された親水護岸となっており、
流れを見ながらのんびり歩くことができる。
【草堰(くさぜき)】と呼ばれる小さな堰。
流れに杭を打って、石、土、草などで
築いた堰をそう呼ぶらしい。
堰の横には取水口がある。
JR南武線が二ヶ領用水の上を走る。
少し下流にも似たような草堰が。
ここにも同じように取水口がある。
取水された水はどこに行くのか?
1本の流れを追ってみたところ、
さらに細い水路となって
住宅街の中に消えていった。
水はきれいで、鯉をよく見かけるが、
コサギも。白が美しい。
旧三沢川が合流する中野島中学校横では、
「この場所は石積護岸工です」
の表示のすぐ右側に
「この場所は蛇籠護岸工です」
の表示部分が並んでおり
「石積護岸工」と「蛇籠護岸工」を
並べて見比べられるようになっている。
石積はまぁ見ての通りだが、
蛇籠(じゃかご)とはなんだろう?
【蛇籠(じゃかご)】とは、
竹材や鉄線で編んだ長い籠に
砕石を詰め込んだもので、
河川の護岸や斜面の補強などに
使用されてきたらしい。
確かによく見ると、鉄線の網の中に
砕石が詰め込まれている。
斜面の補強などでもよく目にするが
あれを蛇籠(じゃかご)と言うことは
初めて知った。
用水沿いはよく整備されていて歩きやすい。
歩いた日の水量は多くはなかったが、
堀自体はかなり大きい(深い)。
増水することもあるのだろう。
子どもたちの遊び場にもなっている。
堰による取水だけでなく、
二ヶ領用水への排水溝も目にする。
山下川(左)との合流地点まできた。
橋には、
「川崎の育ての親 二ヶ領用水
二ヶ領用水は『次大夫堀』とも呼ばれ
慶長16年(1611年)に完成しました」
との説明と一緒に、
小泉次大夫のレリーフが埋め込まれている。
(小泉次大夫の功績については、
前回記事を参照下さい)
鯉が集まって
子どもたちを楽しませている。
向ヶ丘遊園駅の近く、
世田谷町田道路の下をくぐる少し手前で
親水遊歩道がなくなり、
流れの幅が広くなる。
まもなく、府中街道の下に潜り込むように
見えなくなってしまう。
(上の写真の左端)
二ヶ領用水が府中街道の下に
潜り込んだすぐ横に、
「榎戸の庚申塔」がある。
高さ2.5m。見上げるほど大きなものだ。
「この庚申塔は
明治3年に富士講の人たちが
道中の安全や村の外から
邪悪な物が入りこまないように、
また五穀豊穣を祈念して
小泉橋の袂に建立」
との説明がある。
富士信仰と中国の庚申信仰の
2つの信仰を併せ持つ複合的なもの
らしい。
塔にあった
「庚申塔の謂われ」が興味深ったので、
そのままここに書き写したい。
庚申信仰もその一つとして、
平安時代に我が国に伝わり、
江戸時代になると
庶民の間にも広まりました。
庚申信仰とは、
60日ごとに巡ってくる
庚申の夜に眠ってしまうと、
人間の体内にいるという
「三尸(さんし)の虫」が
体内から抜け出だして天に昇り、
天帝にその人の罪過を報告するので、
庚申の夜は眠らずに、
「庚申待」といって、
健康長寿を祈願した事に
由来しています。
そこで庚申塔が、礼拝の本尊として
建てられるようになりました。
報告されると困る罪過が
だれにでもある、が
前提になっている、ということか。
府中街道の下を流れる二ヶ領用水。
奥を横切るのは小田急線。
ちょうど電車が通過している。
向ヶ丘遊園駅のすぐそばだ。
小田急線の線路を越えたところに
五ヶ村堀の取水口がある。
ここから始まる五ヶ村堀とは、
このあと意外な形で再会することになる。
五ヶ村堀取水口のすぐ下流で
五反田川と合流。
下の写真、
左が 五反田川、
右が 二ヶ領用水、
右上高架が 府中街道。
ここまで、
多摩川の上河原堰取水口から
二ヶ領用水に沿って歩いてきて
下の地図の赤丸まで来た。
その先も、二ヶ領用水は
地図上の黄色い線のように続いているが
五反田川との合流地点を見たあとは、
二ヶ領用水のもう一つの取水口、
宿河原堰取水口を目指すことにした。
(地図上の赤い点線矢印)
一旦、二ヶ領用水を離れ、
宿河原堰取水口へと移動する。
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