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2023年12月 3日 (日)

KAN+秦基博 『カサナルキセキ』

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KAN+秦基博 『カサナルキセキ』

- 2曲同時演奏による合体 -

 

シンガーソングライターのKANさんが、
2023年11月12日に
61歳という若さで亡くなった。
KANさんと言うと、

♪信じることさ 必ず最後に愛は勝つ

というストレートな歌詞で
1991年 第33回日本レコード大賞 を
受賞した大ヒット曲「愛は勝つ」の印象が
あまりにも大きいが、
コロナ禍で萎縮していた空気の中
リリースしてくれたあの曲も忘れられない。

「いろいろな意味で」すばらしい曲なのに
残念ながら広く知られておらず
なんともさみしいので、
ひとりでも多くの方に知っていただきたく
今日はその曲について紹介したい。

ただ、その曲の紹介には
次の4ステップが必須となる。
「いろいろな意味で」の背景も
この4ステップにある。

(1) KAN 『キセキ』
(2) 秦基博 『カサナル』
(3) KAN+秦基博 謝罪会見
(4) KAN+秦基博 『カサナルキセキ』

 

2020年11月、KANさんが「キセキ」
という曲を発表。続いて
2021年1月、秦基博さんが「カサナル」
という曲を発表した。
ますはこれら2曲をYouTubeで聴いてみよう。

(1) KAN 『キセキ』
  2020年11月
  アルバム「23歳」の中の一曲

 

(2) 秦基博 『カサナル』
  2021年1月
  CDシングル「泣き笑いのエピソード」
  の中の一曲

 

初めて聴いた方、これら2曲を聴いて
気づいたことがあるだろうか?

発表後、(1)(2)の2曲が、
同じ収録時間 かつ 同じコード進行
であることに気づいたファンがいたらしい。

で、3か月後の謝罪会見(?)に繋がっていく。
2021年4月23日、「謝罪会見」と称して
2人がこの件について釈明する
パロディ風記者会見動画が
YouTubeで公開された。

(3) KAN+秦基博 謝罪会見

この会見の中で、
*「キセキ」と「カサナル」は、
 のちに合体され「カサナルキセキ」という
 曲になるよう念入りに計画され
 作られた2曲であること、
そして、
*完成版とも言える
 「カサナルキセキ」の配信が
 開始されること、
が明かされた。

この動画、謝罪会見のパロディとしても
よくできていて、
伝えたいことはしっかりと伝えながらも
笑える遊びの要素満載だ。

ここまで入念に準備された(1)(2)(3)を
通して完成し発表された「カサナルキセキ」

2曲同時演奏による合体は
いったいどんな世界を作り出しているのか。
できればヘッドホンでお楽しみあれ。

(4) KAN+秦基博 『カサナルキセキ』

頭韻で始まりながらも
歌詞が重なる部分は最小限、なのに
言葉の拡散と収束の感じが絶妙で
日本語によるポップスの
他にはない世界を見せてくれている。

おおいなる挑戦だったと思うが、
ここまでハイレベルな作品に仕上げる
KANさんと秦さんの
プロの技には敬服しかない。

聴き込めば聴き込むほどに
メロディにもハーモニーにも
歌詞にも声色にも新発見がある、
まさにキセキのような名曲だ。

 

『カサナルキセキ』は、
重なった状態のまま、分解せずに
全体をまるごと味わってこそ
その魅力を最大限に楽しめる楽曲
だが、
それを成立させている緻密な仕組みを
詳細に見てみたい、ということであれば、
双方の歌詞がリアルタイムで表示される
こんな動画もある。

(歌詞が読めるよう表示サイズを
 すこし大きくしています)

カサナルキセキ (KAN+秦 基博)
Covered by YOSHIKANE & Mecori

キセキ(KAN+)
Covered by Mecori+ フル・歌詞付き

 

KANさんのご冥福をお祈りします。

 

 

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