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2023年12月24日 (日)

山頂はひとつだけ?

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山頂はひとつだけ?

- ヒマラヤ登山における大きな変化 -

 

標高8000mを超える山14座のうち
12座に登頂した写真家石川直樹さんが
雑誌新潮に書いていた

石川直樹
地上に星座をつくる
第121回 山頂はひとつだけ
雑誌新潮 2023年10月号

(以下水色部、本からの引用)

を読んで、2点メモを残しておきたい。

(1) 山頂はひとつだけ?

ヒマラヤ登山には近年、
ある変化が起きている。

空撮技術の発展や登山者が
SNSに頻繁に写真をアップすることで、
8000メートル峰の
頂上付近の様子が詳らかになり、
その山の最高点、
すなわち真の頂上というものが
ビジュアルとして
はっきりわかるようになった

えっ!? それまでは
頂上がよくわからなかったの?

鉛筆の先のように尖った頂は
間違えようがない一方、
ノコギリの刃のように
いくつか小さなピークがある頂は、
最高点がわかりにくい


8000メートル峰のなかでは、
特にダウラギリ(8161メートル)と
マナスル(8163メートル)という
二つの山で
「だいたいこのあたりを
 頂上としていいだろう」
いう地点があり、
そこで登山者が引き返してきた
歴史がある

「だいたいこのあたりを
 頂上としていいだろう」
で下山していたとは。

ものすごい困難に立ち向かっていながら、
肝心なゴールが「このあたり」というのが
なんだか不思議な感じだ。
だって、違っていたら
たとえすぐ近くまで行っていたとしても
登頂した山として
カウントできないのだろうから。

今では本当の頂に
立っていない登山者は
写真などによって検証されて、
登頂者のリストの修正が
迫られる
という事態にもなっている。

14座の登頂者はこれまで50人弱
いたことなっていたのだが、
真の頂に明確に立った人だけを
カウントしていくと、
たった8人になってしまう

登頂者リストの修正!?
なんと、50人弱が8人に!

もちろん「正確な」事実としては
そうなのかもしれないが、
今後の分について、というならともかく
過去分についての「検証」って
意味があるのだろうか?

 

(2) 登山のサポートとヘリの利用

ヒマラヤ登山、昔は準備に
*許可の取得
*ベースキャンプへのアプローチ
*高所順応
*上部のルート工作
等々、多くの苦労を伴っていた。
それが今はずいぶん
様変わりしているようだ。

14座に登る手順はシステム化され、
そうしたことに慣れた
ネパールの会社が
すべてお膳立てをしてくれる


登山者は自国の低酸素室などで
訓練を積み、人工的な環境で
(或いは別の高い山などで)
ある程度の高所順応をしてから
ヒマラヤに辿り着けば、
長い順応期間もなく、
すぐに登攀に入ることができる。

さらには
ヘリの使用が当たり前になり、
ベースキャンプまでの
長いキャラバンも
必要なくなりつつある。

昔はヘリは
費用の高い移動手段だったが、
特にネパールでは安価でヘリを
利用できるようになった。

その結果、
最短登頂記録争いなんてものまで
登場しているとのこと。

ヘリコプターを駆使した
その移動方法に賛否はあるものの、
3ヶ月ちょっとで14座全山を
登り終えてしまった、という記録まで
あるらしい。

そう言えば、11月の新聞記事でも
別な登山家が同じようなことを言っていた。

標高8000m超14座のうち
日本人女性として初めて
13座の頂に立った渡辺直子さん。

2023年11月4日
朝日新聞 be
登山家・看護師 渡辺直子さん

(以下緑色部、記事からの引用)

231104watanebesmall

の記事の中で、

19年くらいから、
登山経験がなくてもお金を積んで
手厚いサポートで
お膳立てをしてもらい、
次々と8千メートル峰を踏破する
リッチな登山者
が増えました。

それを悪いことだとは思いません。

ヒマラヤ登山も
多様性が増しているのです。

 

私は登山については
何も知らないド素人だが、
ヒマラヤ登山について
* 山頂/登頂の確認
* お膳立て業者とヘリの利用
に関する分野が、
過去とずいぶん変わってきていることは
間違いないようだ。

まさに命がけの挑戦の
何が魅力なのか、
何が苦しいのか、
何が達成感で、
何に駆り立てられているのか。

特に近年の登頂記を読む時は、その背景に
そんな変化が伴っていることを
頭のすみの置いておきたい。

 

 

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