人生やらなかった事の方が
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人生やらなかった事の方が
- 深夜ドラマのセリフから -
少し前の話になるが、
5月の大型連休明けのころ
新聞のTV欄を見ていたら
こんな文字が目に飛び込んできた。
「初のシュクメルリ」
シュクメルリとは、
ニンニクと鶏肉を使った
伝統的なジョージア料理の一つ。
実は、つい先日
「フメリスネリ」という本場の
ドライミックススパイスが手に入ったので
自分で作ってみたばかりだったのだ。
まさに私にとっての
「初のシュクメルリ」の直後。
おもわぬ偶然に
思わず「えっ!」と声をあげてしまった。
そもそも、日本ではめったに目にしない
ジョージア料理の名前が
深夜ドラマのタイトルになっているなんて!
これは何か
新情報・珍情報があるかもしれない。
初めて見るドラマだったが、
「目的はシュクメルリ」に絞って見てみた。
結果としては、残念ながら
シュクメルリに関する新情報は
得られなかったのだが、
シュクメルリとは全く関係ないシーンで、
印象深いセリフがあったので、
今日はその部分だけ紹介したい。
ドラマ「かしましめし」テレビ東京
2023年5月8日放送
第5話 脚本 今西祐子
(以下水色部は放送からの文字起こし)
相部屋に入院しているふたりの男の会話。
ふたりともベッドに横になっている。
ひとりは若い時に野球をやっていた。
高校にスカウトがくるほどの
実力だったらしい。
その男が隣のベッドの若い男に
思い出話をしている。
演じているのはベンガルさん。
そりゃ緊張するよな。
ミスが続いて
最後に俺にチャンスが回ってきてさ、
一発当てれば認めてもらえるって
いい球を打ちたくて
すごい慎重になったんだよな。
2ストライクまで追い込まれて
絶対ヒット打たなきゃって。
で、結局、見送り三振。
それはそれは悔しかったことだろう。
今でも頭の中でする時あんだよ。
あんとき
思いっきりバットを振ってたらって
今でも考えんだよ。
人生やらなかった事の方が
残んだよな。
以前、
「やらなかったこと」が創り出すもの
なる記事を書いたことを思い出した。
天皇陛下においてさえも
「やらなかったこと」が
深く残っているのだ。
本人にとっての
「やったこと」の本当の意味は、
本当の価値は、
「やったこと」に貼り付いている
「やらなかったこと」に
支えられているのだ。
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