クリスマス、24日がメインのわけ
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クリスマス、24日がメインのわけ
- 「24日の晩」は「25日当日」 -
今年は12月24日,25日が
ちょうど土曜、日曜に重なったこともあり
クリスマスイブ、クリスマスを
思い思いの形で
楽しんだ方も多かったことであろう。
それにしてもクリスマスって
そもそもは25日なのに
クリスマスイブを含む24日が
メインのようになっているのは
なぜなのだろう?
これについては
2020年12月19日朝日新聞
「ことばサプリ」で
校閲センターの町田和洋さんが
明確に答えてくれている。
(以下水色部記事からの引用)
使われていたユダヤ暦では、
日没が一日の区切りとする
考え方があります。
24日の日が沈んだら
25日が始まっているわけだ。
出エジプト記などに
一日を夕暮れから起算する表現があり、
紀元前5-6世紀ごろには
こうした習慣があったと考えられ、
キリスト教もこの考え方を
受け継いでいるそうです。
24日の日没から25日の日没までが
「クリスマス当日」、
クリスマスの夜とは
24日のイブ(晩)しかない。
日没で一日が終わり、
夜からは次の一日です。
月の満ち欠けを元にした
太陰暦をベースに月の形を見て
暮らしの指針にした習慣から
自然な流れだったと思います。
ラマダン(断食月)明けが
夜になるのも日没で一日が終わり、
新月を視認して
翌月に移る節目だからです。
なので、イスラム圏で
「○日の夜」という約束をすると
一日ずれてしまうことがあるので
注意が必要、という
中牧弘允国立民族学博物館名誉教授の
言葉も紹介している。
考えてみると
「これまでの慣習を一切無視して、
『一日の始まり』を好きに決めて下さい」
と問われたら、どこを選ぶだろうか?
少なくとも
今の午前零時を選ぶ気はしない。
最後にひとつオマケ。
こども電話相談室でだったと思うが、
以前こんな詩的な質問が寄せられていた。
「世界は夜から始まったのですか、
昼から始まったのですか?」
気ままに続けているブログですが、
ことしも訪問いただき
ありがとうございました。
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