あの世とこの世が近くなる
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あの世とこの世が近くなる
- 都会の生活には影がない -
法事で佐賀県のお寺に行ってきた。
本堂でお経を聞き、
住職さんとゆっくり話をし、
墓参りをしていたら
普段宗教のことなんて
ほとんど考えていないのに、
独特な世界観というか空気感に包まれて、
不思議な気分になった。
佐賀の静かな田舎の景色の中、という
お寺の立地条件も
大きかったかもしれない。
私自身は宗教に浅いので、
宗教的なものとはちょっと違うと思うが、
それでも
数珠を手に何度も合掌を繰り返していると
「死んだ人とともにある」
ということを
ごく自然に感じることができる。
子のいない人はいても
先祖のいない人はいない。
「死んだ人」と無関係に存在している人は
ひとりもいないのだ。
都会での生活は、
「死んだ人を切り離してしまっている」
というか、
「生きている人だけで
回している気になっている」。
でも、それは、
ものすごく不完全で
不安定なことなのではないか、
そんなふうに思えてきた。
死んだ人は、
今生きている人の影みたいなもので、
常に一対となって存在している。
そのことが生きている人を
まさに立体的に
してくれているのではないだろうか。
都会の生活にはその影がない。
突然感じた不完全さとは、
そういう感覚に
起因しているのかもしれない。
佐賀で感じたそんな思いを友人に話したら、
おもしろいコメントを返してくれた。
「田舎に行くと
あの世がこの世とずいぶん近い感じで、
それはいいことだと思うんだけど、
その田舎に行くのが遠すぎて・・・」
「田舎に行くとあの世とこの世が近くなる」
名言だ。
記録を兼ねてここに残しておきたい。
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