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2021年10月17日 (日)

SDGsは現代版「大衆のアヘン」か

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SDGsは現代版「大衆のアヘン」か

- 目を背けても危機はなくならない -

 

そもそも経済学というものに
あまり興味がないせいか
マルクスのことも、資本論のことも
共産党宣言のことも、これまで
ほとんど何も知らなかった。

ところが、
今年(2021年)の1月に放送された
NHK Eテレ「100分de名著」の
「資本論」の回を見て以来、
資本論そのものは読みこなせなくても、
関連書籍は読んでみたいものだ、
と思うようになった。

というわけで手にしたのが、
番組での講師もつとめていた
斎藤幸平さんの著書

 斎藤幸平 (著)
 人新世の資本論
 集英社新書

(以下水色部、本からの引用)

新書大賞2021を受賞したことも
関係するのか、今(2021年10月)でも
本屋で平積みになっていることを
よく目にするベストセラーだ。

 

かつて、マルクスは、
資本主義の辛(つら)い現実が
引き起こす苦悩を和らげる「宗教」を
「大衆のアヘン」だと批判した。

SDGsはまさに
現代版「大衆のアヘン」
である。

と、「SDGsと言っておけばいい」の
昨今の風潮に対して、かなり挑発的な
「はじめに」で始まっているが、

アヘンに逃げ込むことなく、
直視しなくてはならない現実
は、
私たち人間が地球のあり方を
取り返しのつかないほど
大きく変えてしまっている
ということだ。

と、対処療法的流行に流されることなく
「直視する現実」を
そして未来社会への提言を
マルクス研究者の立場から
わかりやすくまとめてくれている。

そもそも題名にも使われている
聞き慣れない「人新世」とはなんだろう?

人類の経済活動が地球に与えた影響が
あまりに大きいため、
ノーベル化学賞受賞者の
パウル・クルッツェンは、
地質学的に見て、
地球は新たな年代に突入したと言い、
それを「人新世(ひとしんせい)
(Anthropocene)と名付けた。

人間たちの活動の痕跡が、
地球の表面を覆いつくした年代

という意味である。

繁栄をめざしていた「人間たちの活動」は
皮肉なことに
自らの繁栄の基盤自体を揺るがしつつある。

そこでは

SDGsは
アリバイ作りのようなものであり、
目下の危機から
目を背けさせる効果しかない

格差が広がり、自然が破壊され、
「モノは豊かにある。でも金がなければ
 何も手に入らない」の現代社会は
このままでいいのか?
豊かな未来社会に向けて、
何をしていくべきなのか?
そもそもめざすべき「豊かさ」とは何か?

後半、斎藤さんの提案も
具体的に述べられていくが、
その内容については
ご興味があるようであれば
ぜひ本を手にとって読んでいただきたい。

私ごときが簡単にブログで
まとめられるような内容ではないので。

実は、この本のことを
ブログで取り上げたいと思ったのは、
本筋というか
「提案の中身」そのものではなく
そこで何度も説明されていた
マルクス研究の背景が
たいへん興味深かったからだ。
次回、その部分に絞って紹介したい。

 

 

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