クイズ「赤ワインと白ワイン」
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クイズ「赤ワインと白ワイン」
- 10mlの往復が引き起こす「なんでぇ!?」 -
友人から教えてもらったクイズに
忘れられないものがある。
すごくシンプルな問題なのに
出題してみると
「えっ、なんでぇ!?」
と返される率が異様に高い。
ご興味があれば読者の方も
ぜひ考えてみて下さい。
ここに
赤ワインの入ったグラスと
白ワインの入ったグラスがある。
今、赤ワインのグラスから
10mlの赤ワインを
白ワインのグラスに移す。
白ワインのグラスをかき混ぜたあと、
白ワインのグラスから10mlをすくって
赤ワインのグラスに移す(戻す)。
「10mlのワインが一往復しただけ」
なので、それぞれのグラスには
最初と同量のワインが
入っていることになる。
さて、問題。
上記ワインの一往復の後、
(a) 白ワインのグラスに入っている
赤ワインの量
と
(b) 赤ワインのグラスに入っている
白ワインの量
は、どちらが多いか?
この問題、
最初に白ワイングラスに入る赤ワインは
薄まっていない、言ってみれば
「純粋な赤ワイン」だけれど、
赤ワイングラスに戻される白ワインは
「赤の混じった白ワイン」
ゆえ、
純粋な赤ワインが注がれた方、つまり
(a) 白ワインのグラスに入っている
赤ワインの量
の方が多い、
と答えてしまう人が多い。
しかし残念ながらそれは間違いだ。
「えっ、なんでぇ!?」と思った方、
簡単に図を書きながら考えてみたい。
左が赤ワイングラス、右が白ワイングラス
1ブロック=1mlとして図に書くと、
赤ワイングラスから白への10mlの移動は
緑の枠に相当する。
10mlを移した直後はこんな感じだが、
もちろん赤ワインはすぐに混ざっていく。
混ざった後、赤ワイングラスに
10mlを戻すとは、こんな感じ。
これで10mlがグラス間で
一往復したことになる。
この図の場合で言うと、
1ブロック=1mlを表しているので
赤ワイングラスに含まれる白ワインは8ml
白ワイングラスに含まれる赤ワインは8ml
つまり両者は同じだ。
最終的な形態を図で見ればわかる通り、
どんな場合(比率)で一往復しても
左グラスに含まれる青ブロックの数と
右グラスに含まれる赤ブロックの数は
必ず一致する。
最終的には、元の量に戻り、
(左に青が1入れば、
その時は必ずその入れ替わりに
右に赤が1入る、わけで)
左右で赤と青が
入れ替わっているだけなのだから、
当然といえば当然なのだが、
問題文で考えると
「最初の移動は10個全部赤」
「次の移動は10個以下の白」
という事実につられてしまって
多くの場合、
最終的な形態を冷静に考えることが
できなくなってしまうようだ。
シンプルだけれど、
いや、シンプルだからこそ
よくできた問題だ。
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