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2021年7月18日 (日)

ラ行で始まる単語がない。ロシアはオロシアに。

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ラ行で始まる単語がない。ロシアはオロシアに。

- キャンベルさんの言語感覚 -

 

田中克彦 (著)
ことばは国家を超える
―日本語、ウラル・アルタイ語、
 ツラン主義

(以下水色部、本からの引用)

から

 * フロマージは元フォルマージ
 * ロシア語には「熊」がない
 * 女帝エカテリーナの偉業

を紹介したが、
目に留まったトピックスの紹介
もう少し続けたい。

 

アルタイ諸語、アルタイ語族についての
詳しい説明はここでは省略するが、これらは
トルコ、中央アジア、モンゴル、
そしてロシアの一部と、
まさにユーラシア大陸を広く横断し、
そこには日本語や朝鮮語も含まれることが
提案されてきた重要な言語群だ。

田中さんも日本語について

単純にアルタイ諸語だとは言いきれない

と慎重に書く一方で

私などは、日本語の中には
いつくものアルタイ的特徴が
濃厚に認められるから
基本的にアルタイ語だと考えている。

とも書いており、基本的に
アルタイ諸語にグルーピングされて
話は進んでいる。

そんなアルタイ諸語の特徴について
こんな特徴の記述があった。

たとえばアルタイ語には
「ラ」行(r-)ではじまる単語がない

子どものころ、しりとりをすると
いつもラ行で苦戦していたことが
急にありありと思い出される。

そうか、もともと単語がなかったのか。

ラ行ではじまる単語は、
日本人は自分では作れず、
ほとんどが外国語からの借用である。

なので

ラ行ではじまるオトを
無理して発音すれば、
その前にどうしても母音が入って、
たとえばロシアはオロシアとなる。

幕末から明治を舞台にしたドラマに
よく登場するあの国の名前が
いつもオロシアとなっているのは
こんな理由があってのことのようだ。

ハンガリー語では
いまでもロシアをオロス(Orosz)と言い、
これはモンゴル語も同様
である。

「ラ」行(r-)ではじまる単語がない
こんな共通点があるなんて。

この件に関して、
こんなエピソードまで添えている。

「令和」という
新しい元号が発表されたとき、
私は、こんなラ音ではじまる
本来の日本語にはなかった発音様式は、
「国粋的」ではない、
困った名づけだと思った。

するとあるとき、深夜のラジオで
ロバート・キャンベルという
アメリカ人の日本文学の研究者が、
レイワは、外国人が
発音するには問題がないけれど、
日本人にはどうでしょうか

話していた。

(中略)

キャンベルさんは明らかに、
古代日本語の音韻体系を
念頭に入れて話していた
のだ。

こういった日本語の
歴史を含めた言語感覚までをも
身につけてしまう才能、
表面的ではない深い学習内容。

以前、本ブログでも
キャンベルさんと井上陽水さんとの
対談を
ただあなたにGood-Bye
と題した記事で取り上げたりもしたが
キャンペルさんの日本語の知識と
その言語感覚には驚かされるばかりだ。

 

 

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