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2020年6月21日 (日)

祈ることと願うこと

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祈ることと願うこと

- 心を傾けてじっくり聞こう -

 

想いを書くのではない。

むしろ人は、書くことで
自分が何を思っているのかを
発見するのではないか。

書くとは、単に自らの想いを
文字に移し替える
行為であるというよりも、
書かなければ知り得ない
人生の意味に出会うこと
なのでは
ないだろうか。

そんな著者の言葉通り、
まさに書かれたことで
新たに出会ったような
そんな言葉が並ぶこの本

若松 英輔 (著)
悲しみの秘義
文春文庫

(水色部は本からの引用)

を読んでいたら、
中にこんな一節があった。

祈ることと、願うことは違う。

願うとは、自らが欲することを
何者かに訴えることだが、
祈るとは、むしろ、
その何者かの声を
聞くこと
のように思われる。

 

そう言えば、
香りを楽しむ聞香(もんこう)は
「香りを聞く」
と書く。
単に嗅ぐのではなく、
心を傾けてゆっくり味わう。

酒をじっくり味わうことも
「きく」という。
漢字で書くときは
別な字を使うことも多いが。

いずれにせよ、心おだやかに
精神を集中させて何かを感じる、
そういう行為がもつ豊かさを
改めて考えさせてくれる。

 

近年、自己からの「発信」の価値が
妙にひとり歩きしている気がする。

でも、仮に自分からは何も発信しなくても、
私たちの回りには
すでにさまざまな声が満ちている。
それらを謙虚に「受信」し味わうことなく、
何が「発信」できるというのだろう。

心を深く静かに傾ければ、
「声」も「香り」も「味」も
「きこえて」くる。

「きいて」何を感じ、どうするのか。
そこにはもうそれだけで
豊かな世界が広がっている。

人生とは何かを問うことではなく、
人生からの問いに応えることだと
『夜と霧』の著者
ヴィクトール・フランクルは言った。

人生は、答えを出すことを求めない。
だが、いつも真摯な応えを求めてくる


まずは、じっくり「聞く」ことから
始めたい。

 

 

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コメント

ハマ様
ゴンタこと後藤です。
お久しぶりです。
未だ、あなた様が何者であるか見抜けていません。
1年以内には、または2年以内には、ある宣伝で
お邪魔することになろうかと思います。
1158、3日かかり解きました。もしやトンチではなどと
いぶかしがるほどの難問でした。
時に、コロナとはどんな付き合い方されてるでしょうか。
孤独にはお強そうであり、結構前向きに過ごされて
おられることでしょう。
また貴ブログ訪問いたします。
では
後藤武史(74.2歳)

ごんたさん、
コメントをありがとうございました。
こちらこそお久しぶりです。

>コロナとはどんな付き合い方されてるでしょうか。
私に関して言えば、
コロナの最大の影響は「在宅勤務が増えたこと」でしょうか。

オフィスが都心にあるため、
東京オリンピックの期間を在宅にしようと
全社で準備を進めていたわけですが、
期せずしてその準備が3ヶ月前倒しの形で役立ちました。

種々のツールとネット環境が
在宅に向けて整備されたおかけで
在宅での生産性もかなりいいセンで維持できています。
とにかく通勤のストレスからも解放され、
とても元のような出勤形態に戻れそうにありません。

感染はまだまだ先が読めません。
ごんたさんも、どうぞご自愛ください。

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