雑誌『Interface』512号 (3)
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雑誌『Interface』512号 (3)
- 教育環境はすでに「理想郷」 -
前回から引き続き、
雑誌『Interface』(CQ出版)の
2020年2月号
記念の512号の中身を
もう少し見ていきたい。
4章ではエンジニア育成を視野に入れた
教育関連情報をまとめている。
第4章 | 未来エンジニア育成24+α |
4-1 | 無料オンライン・コンピュータ講座8 |
4-2 | YouTubeコンピュータ自習講座おすすめ8 |
4-3 | 小学生向けプログラミング環境8+α |
(CQ出版が公開している
第4章のページへのリンクはこちら)
大学や大学院などの高等教育機関が
インターネットを通じて無償で、
正規に公開している講義を、
オープンコースウェア
(Opencourseware:OCW)と言うが、
学生向けを意識して、
内容の濃い講座を紹介してくれている。
(1)【オススメ度No.1】MITの講座
OCW界のエース
200万人以上がチャンネル登録。
計算機科学や物理学などで大変
質の高い講義(録画)を公開。
(2)インドが熱い!
NPTELのテクノロジ学習講座
インドのテクノロジ強化に関する
学習プログラムNPTEL
(The National Programme on
Technology Enhanced Learning)
理工系分野で抜きんでた網羅性と
高い専門性を両立。
大学・大学院レベルの講義として
幅と質では現状最高ランク。
独特のなまりのあるインド英語が
障壁となり得るが、それを除けば
理工系MOOCの理想郷です。
とある。
ちなみにMOOCとは
Massive Open Online Course
のこと。
ほかにも
スタンフォード大学、Yale大学、
Cal Poly Pomona College of Engineering、
UC Irvine、筑波大学、慶應義塾大学
などの講座を特徴を交えて紹介している。
目次を見ればわかる通り、
YouTubeの自習講座や
小学生向けの学習環境の情報提供まであり、
まさに、本人がその気にさえなれば、
無料で学べる環境はいくらでも整っている。
もちろんすべてが日本語で、
というわけにはいかないが、
基礎理論とterminologyさえ
しっかり身につければ
すでに世界は大きく広がっている。
驚くべきことに、というか
嬉しいことに、
理工系分野をしっかり学ぶ
という教育環境において
「理想郷」は決して大げさな言葉ではない。
第5章は通信技術だ。
第5章 | 通信技術84+α |
5-1 | IoT向け無線通信16+α |
5-2 | IoT無線モジュール8 |
5-3 | 用途別IoTワイヤレス通信4 |
5-4 | とにかく入手しやすい無線モジュール8 |
5-5 | これからの暗号化技術8+α |
5-6 | USB通信4 |
5-7 | 画像インターフェース8+α |
5-8 | PC 用高速PCI Expressバス4 |
5-9 | Macで使われるThunderbolt通信4 |
5-10 | ネットワーク転送プロトコル8 |
(CQ出版が公開している
第5章のページへのリンクはこちら)
「IoT時代のネットワーク転送プロトコル8」
として、
MQTT・CoAP・XMPP・AMQP・
STOMP・HTTP・FTP・SFTP
が挙げられている。
ネットワーク世界の
根幹を支える通信プロトコル。
(A) データ転送単位
(1) メッセージ (2) ファイル
(B) データ転送方法のパターン
(1) クライアント・サーバ型
(2) 仲介型
(3) 中継型
(C) データの到達保証
これら(A)-(C)三つの特性の
組合せの視点から
各転送プロトコルの特徴を
簡潔に説明してくれている。
記念の512号、もう少し見ていきたい。
続きは次回に。
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