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2020年2月

2020年2月23日 (日)

雑誌『Interface』512号 (4)

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雑誌『Interface』512号 (4)

- 農業用センサから脳波計測デバイスまで -

 

前回から引き続き、
雑誌『Interface』(CQ出版)の
2020年2月号
記念の512号の中身を
見ていく4回目。今日で最終回としたい。

 

第6章はセンサのまとめ。

第6章 センサ40+α
6-1 距離画像センサ8+α
6-2 各国のGNSS測位衛星システム8
6-3 高精度測位対応GNSSモジュール4+α
6-4 高精度衛星測位サービス4+α
6-5 農業用センサ16

(CQ出版が公開している
 第6章のページへのリンクはこちら

この章、
センサで何を感知するかはもちろん、
部品名、型名、製造メーカ/販売、
加えて参考購入先までが一覧になっている。
すぐにでも購入して実験できそう、
という意味でまさに実務的な紹介。

例として
6-5 農業用センサ
を見てみよう。

  温度 湿度 土壌水分
  土壌EC  雨量
  水位 照度 CO2
  糖度 酸素 光スペクトル
  pH 放射温度  害獣
  カメラ    

いろいろなセンサが並んでいる。
電気を使って測れるもののオンパレード。
代表的な「温度」で見ても、

温度センサには、
熱電対、サーミスタ、半導体式
などがあります。

農業用としてよく使われるのは、
サーミスタと半導体式です。

半導体式では、
MEMS技術の進歩により、
温度以外に湿度、大気圧などを
一緒に測定できるものも出てきました。

MEMS(メムス)とは
「Micro Electro Mechanical Systems」
「微小な電気機械システム」という意味で、
半導体のシリコン基板・ガラス基板・
有機材料などに、機械要素部品の
センサ・アクチュエータ・電子回路などを
ひとまとめにしたミクロンレベル構造を
持つデバイス。

単純なセンサ部だけではなく、
まとまった機能を持つ部品として
提供されているので、
「マイクロマシン」と呼ばれることもある。

 

第7章と第8章は基本パーツと
もはや基本パーツのひとつとも言える
カメラ・モジュールの紹介なので
目次のみを。

第7章 基本パーツ96+α
7-1 基本電子部品16
7-2 マイコンで使えるモータ&ドライバ32
7-3 LEDデバイス32
7-4 画面表示デバイス16+α
第8章 カメラ・モジュール108+α
8-1 カメラ・モジュール44
8-2 USBカメラ16+α
8-3 カメラ・モジュール用レンズ48+α

(CQ出版が公開している
 第7章のページへのリンクはこちら
 第8章のページへのリンクはこちら

 

そして最後の第9章では、
生体計測技術を紹介している。

第9章 生体計測技術16+α
9-1 脳波計測デバイス4
9-2 学習用生体信号データセット4+α
9-3 生体信号計測デバイス8+α

(CQ出版が公開している
 第9章のページへのリンクはこちら

しかも9-1では、なんと
「脳波計測デバイス」の一覧が。

脳波計測デバイスなんて
もちろん使ったことはないし、
これからも使うことはないと思うが

「脳波で猫耳が動く製品necomimiなど、
 普及価格帯
 脳波デバイスの草分け的存在

 アプリケーションが豊富で、
 出来合いのものでも
 いろいろ試してみたい人向け


「無償の開発ツールでも、
 集中度、リラックス度、瞬き検出、
 感情指標など、
 多数のパラメータを取得できるので、
 BMIやバイオ・フィードバック応用が容易。
 低周波特性が
 δ波をカバーしていないため、
 深い睡眠の解析には注意が必要

NASAやMITでも使用実績がある
 脳波+α波が欲しい人向け。
 初代museは
 4チャネル脳波のみであったが、
 2では脈波や加速度、ジャイロなど、
 機能が大幅に追加された。
 全体のコスト・パフォーマンスは良好

などという記述を見ていると
何の目的意識もないのに
おもわず手に取ってみたくなる。

特に次のようなフレーズは
ほんとうに誘惑的だ。

ハードウェアもソフトウェアも
 全てオープンとなっている
 生体計測DIYの決定版


3Dプリンタで出力できる
 ヘッドセット・フレームの
 3Dデータも公開されているなど、
 ものづくり派向け


研究用のエントリ・モデルならこれ

 

9章に分けて並べられた
512の技術の一部を、
目次を通して駆け足で眺めてきた。

どんな小さな技術にも、
部品にも、マイクロマシンにも
それぞれに背景となる理論があり
そこには先人の知恵と工夫が
詰め込まれている。
最初から簡単に作られたものは
ひとつもない。

エンジニアにとっては
ワクワクするものであると同時に、
まさに敬意の対象でもある。

あるときは食材であり、
あるときは調理器具であり
またあるときは調理法でもある
これらの技術を使って
いったいどんな料理をつくるのか。

エンジニアの仕事と夢は果てしない。

 

 

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2020年2月16日 (日)

雑誌『Interface』512号 (3)

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雑誌『Interface』512号 (3)

- 教育環境はすでに「理想郷」 -

 

前回から引き続き、
雑誌『Interface』(CQ出版)の
2020年2月号
記念の512号の中身を
もう少し見ていきたい。

 

4章ではエンジニア育成を視野に入れた
教育関連情報をまとめている。

第4章 未来エンジニア育成24+α
4-1 無料オンライン・コンピュータ講座8
4-2 YouTubeコンピュータ自習講座おすすめ8
4-3 小学生向けプログラミング環境8+α

(CQ出版が公開している
 第4章のページへのリンクはこちら

大学や大学院などの高等教育機関が
インターネットを通じて無償で、
正規に公開している講義を、
オープンコースウェア
(Opencourseware:OCW)
と言うが、
学生向けを意識して、
内容の濃い講座を紹介してくれている。

(1)【オススメ度No.1】MITの講座
  OCW界のエース
  200万人以上がチャンネル登録。
  計算機科学や物理学などで大変
  質の高い講義(録画)を公開。

(2)インドが熱い!
  NPTELのテクノロジ学習講座
  インドのテクノロジ強化に関する
  学習プログラムNPTEL
  (The National Programme on 
   Technology Enhanced Learning)
  理工系分野で抜きんでた網羅性と
  高い専門性を両立。
  大学・大学院レベルの講義として
  幅と質では現状最高ランク。
  独特のなまりのあるインド英語が
  障壁となり得るが、それを除けば
  理工系MOOCの理想郷です

とある。
ちなみにMOOCとは
Massive Open Online Course
のこと。

ほかにも
スタンフォード大学、Yale大学、
Cal Poly Pomona College of Engineering、
UC Irvine、筑波大学、慶應義塾大学
などの講座を特徴を交えて紹介している。

目次を見ればわかる通り、
YouTubeの自習講座
小学生向けの学習環境の情報提供まであり、
まさに、本人がその気にさえなれば、
無料で学べる環境はいくらでも整っている

もちろんすべてが日本語で、
というわけにはいかないが、
基礎理論とterminologyさえ
しっかり身につければ
すでに世界は大きく広がっている。

驚くべきことに、というか
嬉しいことに、
理工系分野をしっかり学ぶ
という教育環境において
「理想郷」は決して大げさな言葉ではない。

 

第5章は通信技術だ。

第5章 通信技術84+α
5-1 IoT向け無線通信16+α
5-2 IoT無線モジュール8
5-3 用途別IoTワイヤレス通信4
5-4 とにかく入手しやすい無線モジュール8
5-5 これからの暗号化技術8+α
5-6 USB通信4
5-7 画像インターフェース8+α
5-8 PC 用高速PCI Expressバス4
5-9 Macで使われるThunderbolt通信4
5-10 ネットワーク転送プロトコル8

(CQ出版が公開している
 第5章のページへのリンクはこちら

「IoT時代のネットワーク転送プロトコル8」
として、
 MQTT・CoAP・XMPP・AMQP・
 STOMP・HTTP・FTP・SFTP
が挙げられている。

ネットワーク世界の
根幹を支える通信プロトコル。

(A) データ転送単位
 (1) メッセージ (2) ファイル

(B) データ転送方法のパターン
 (1) クライアント・サーバ型
 (2) 仲介型
 (3) 中継型

(C) データの到達保証

これら(A)-(C)三つの特性の
組合せの視点から
各転送プロトコルの特徴を
簡潔に説明してくれている。

 

記念の512号、もう少し見ていきたい。

続きは次回に。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

2020年2月 9日 (日)

雑誌『Interface』512号 (2)

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雑誌『Interface』512号 (2)

- Copyleft(コピーレフト)の概念 -

 

前回から引き続き、
雑誌『Interface』(CQ出版)の
2020年2月号
記念の512号の中身を
もう少し見ていきたい。

 

第2章は量子コンピュータ

第2章 量子コンピュータ技術16
2-1 量子コンピュータ・アルゴリズム8
2-2 量子コンピュータ・フレームワーク8+α

(CQ出版が公開している
 第2章のページへのリンクはこちら

2-1では、
量子コンピュータ・アルゴリズムを紹介。
「ドイッチュ・ジョサ」「ショア」
「グローバー」といったアルゴリズム名が
並んでいる。

「基本的なこと」が理解できていない
自分の勉強不足を棚に上げてのコメントだが、
量子コンピュータ関連技術は
本誌に限らず、どの記事を読んでも
さっぱりわからない。

量子コンピュータの「基本的なこと」を
ちゃんと教えてくれるいい本をご存知の方、
ぜひ教えて下さい。
(何冊か手に取ってみたものの、
 私の頭ではついていけなかったもので)

遠隔地に量子状態を伝える仕組みも
考案されており、
量子テレポーテーション
呼ばれています。

このアルゴリズムを利用すると、
送信者の手元にある量子状態を
受信者に伝えることができます。
ただし、一般に量子状態は
複製できないため、
送信者の手元にある量子状態は
壊れてしまいます。
(中略)
SFの世界ではなく、現実的に
実現しているアルゴリズムです。

この章の解説は、どこを読んでも
私にとっては「SFの世界」の話のようだ。

 

3章は一転、馴染みのある言葉が並ぶ。

第3章 開発環境など104+α
3-1 オープンソース・ライセンス8
3-2 統合開発環境16
3-3 組み込み統合開発環境16
3-4 オンライン統合開発環境8
3-5 テキスト・エディタ8
3-6 GNU Toolchain&開発便利ソフト16
3-7 組み込み・ロボット制御プログラミング環境8
3-8 Windows/Linux仮想環境8
3-9 組み込み目線の仮想環境8
3-10 組み込み向けOS8

(CQ出版が公開している
 第3章のページへのリンクはこちら

オープンソース・ライセンスの
最初にリストされているのが
GPL v2(GNU General Public license v2)

その説明では、GNU Projectの
重要な概念であるCopyleftに触れている。

GNU Project
(Free Software Foundation/GNU Project)の
フリー・ソフトウェア公開にあたって、
ソフトウェアの著作権(Copyright)によって
自由な利用が阻害されることに反対し、
Copyleft(コピーレフト)の概念を
明文化したライセンス
です。

Copyleftとは、
著作権を保持したまま、
対象となるソフトウェアだけでなく、
利用する派生ソフトウェアにも、
同じく自由で利用・改変・
および改変を含めた
公開の自由を義務づけている
オープンソース・ライセンスです。
同様なライセンスに、
European Union Public license(EUPL)
などがあります。

GNUのページには
英語ではあるが、
Copyleftの丁寧な説明がある。
直訳調でやや読みにくいものの
こちらには
日本語訳もある。

 プロプライエタリな
 ソフトウェア開発者たちは、
 利用者の自由を奪うために
 著作権を使います


 わたしたちは、利用者の自由を
 保証するために著作権を使います


 これが、名前を逆に、
 つまり、著作権(「コピーライト」)を
 「コピーレフト」に変えた理由です。

と書いている通り、従来の
著作権自体を放棄しているわけではない。

利用・改変・再配布の自由を
最大限尊重しようというGNU Projectの
基本姿勢への熱い思いが感じられる言葉だ。

 

3-2から3-4でまとめられている
統合開発環境 IDE
(Integrated Development Environment)
の充実は、
開発エンジニアの負荷を
ずいぶん軽減してくれた。

特にデバッグまわりは激変したと
言っていい。

それまで、デバッグは
エンジニア個人のノウハウと、
残業と忍耐に支えられていた


開発物件本体のコーディングの他に
デバッグするための
ツールのコーディングに
かなりの時間を使っていたし、
ある意味、
デバッグツール自体のデキやセンスが
エンジニア間での
respectの対象になっていたりした。

おっと、失礼。おもわず興奮して
仲間内の会話になってしまった。
デバッグとは、
作ったプログラムの誤りを発見し、
修正する過程のことで、
コーディングとは、
実際にプログラムを書くこと、を
指している。

 

IDEの普及で、単体としての注目度は
すっかり低くなってしまった
テキストエディタ
3-5でまとめてくれるあたりも
実にニクい。

「vi」の名を残すため(!?)にも
この項目は削れない。

 

記念の512号、
もう少し見ていきたい。

続きは次回に。

 

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

 

2020年2月 2日 (日)

雑誌『Interface』512号 (1)

(全体の目次はこちら


雑誌『Interface』512号 (1)

- 46年続く硬派技術雑誌 -

 

雑誌『Interface』が2019年年末発売の
2020年2月号で通算512号を迎えた。

記念の512号が「熱い」特集記事を
組んでいたので簡単に紹介したい。

いまや最新刊ではないが
今日(2020年2月2日)時点では
下記でもまだ購入可能だ。

(以下水色部は本からの引用)

雑誌『Interface』(CQ出版)は
「コンピューター・サイエンス&
 テクノロジ専門誌」として
46年前の1974年に創刊された。

メーカのエンジニアとして
長く仕事をしてきた私は
ほんとうにお世話になった雑誌のひとつで
思い出も多い。

一般書店に並ぶ雑誌のひとつではあるが
硬派の技術雑誌ゆえ、
読者はかなり限られていることだろう。

ただ、多くのコンピュータ関連雑誌が
次々と廃刊となる中、
40年以上もちゃんと生き残って来たのは、
まさにその硬派の部分を
真摯に守ってきたからだと思っている。

十進数では中途半端な512を
記念にしているのは、
512を2進数で表わしたときに
10 0000 0000
( 8進数で1000
 16進数で 200 )
になるからだが、
この雑誌を手に取る人にとっては
反射的に区切りのいい数字なので、
いかにもこの雑誌らしい「記念号」だ。

出版元のCQ出版社は
「Interface 512号記念オフ会」まで
開催するらしい。

「Interface512号記念特設ページ」
も開設している。

特設ページを覗くと
なつかしい表紙が並んでいて壮観だ。

ざっくり表紙のトーンで分けると、

第1世代

Interface512_1gs

 

第2世代

Interface512_2gs

 

第3世代

Interface512_3gs

といった感じだろうか。
第一世代から知っているオジさんとしては
もうこの表紙だけでも
なつかしくて、なつかしくて。

さて、本題に移ろう。

512号の特集は、
組み込みコンピュータ技術512

9章に分けて、512の技術を網羅している。
詰め込んでいるため各項目の紹介は
名称と要点のみの簡単なものに
なってしまっているが、
選択眼と網羅率はさすがだ。

目次を見ているだけでワクワクする。

詳しくはもちろん
雑誌の方を参照してもらいたいが、
目に留まったキーワードの中から
一部を紹介しながら今の技術の世界を
眺めてみたい。

まずは、流行(はやり)のAI技術から。

第1章 これからAI技術42+α
1-1 ディープ・ラーニングの2大フレームワーク
1-2 これまでも使われてきたAIアルゴリズム16
1-3 これから注目の人工知能アルゴリズム4+α
1-4 これまでの/これからの自然言語処理16+α
1-5 AI における法律の勘所4

(CQ出版が公開している
 第1章のページへのリンクはこちら

1-1で紹介されている2大フレームワークとは
(1) Tensor Flow と
(2) PyTorch

(1) Tensor Flow
 * 世界で最もよく利用されているため、
  ネット上の情報、日本語の書籍も多い。
 * 動的にNNモデルを
  生成できるようになったので
  ニューラル・ネットワークの定義が
  書きやすくなった。
 * プロダクション・レベルの実装が
  もっともやりやすい


 * 初心者向けのチュートリアルも充実。
 * デプロイツールが提供されており
  Raspberry Piなどの
  エッジ・コンピュータでも
  アプリケーション開発が容易。
  
(2) PyTorch
 * 特に研究者に好まれ近年急成長中。
 * 研究開発、新しい論文が出ると
  その手法のPyTorch実装が
  すぐに行われる
こともよくある。

といった要領を得た簡潔なコメントが並ぶ。

限られた紙幅の中

 日本は特殊で「Chainer」が
 TensorFlowと良い勝負を
 続けていた時代があったが、
 Chainerの開発が終了したとの
 ニュースもあり、日本も2大勢力に
 巻き込まれていくだろう。

といった内容のコメントまである。

供給元は

 Tensor Flow が Google
 PyTorch が Facebook

この分野もこの2社に
ガッツリ掴まれてしまっている。

 

記念の512号、
他の章ももう少し見ていきたいと思う。

続きは次回に。

 

 

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