伊勢神宮 外宮と内宮
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伊勢神宮 外宮と内宮
- なにごとのおはしますかは知らねども -
以前、
2019年5月にお参りした
出雲大社のことをブログに書いたが、
それからわずか2ヶ月半後の7月、
縁あって伊勢神宮のほうにも
お参りに行ってきた。
同じ年に、出雲大社と伊勢神宮。
今年は最強の年(!?)になるかもしれない。
2013年、
60年に一度の大遷宮を迎えた出雲大社。
同じ2013年に
20年に一度の式年遷宮を迎えた伊勢神宮。
伊勢神宮の20年毎の式年遷宮は
62回、1300年も続いているという。
宮地(みやどころ)を改め、
社殿や神宝をはじめ全てを新しくして、
大御神に新宮(にいみや)へ
お遷(うつ)りいただく
式年遷宮を6年前に終えた外宮と内宮、
その両方に参拝してきた。
なお、通称「伊勢神宮」と呼ばれる
「神宮」は、正確に言うと
外宮、内宮を中心とした
14所の別宮(べつぐう)、
43所の摂社(せっしゃ)、
24所の末社(まっしゃ)、
42所の所管社(しょかんしゃ)、
これら125の宮社の総称らしい。
今回お参りしたのは外宮と内宮。
様子を少しお伝えしたい。
まずは外宮から。
【外宮(げくう)】
豊受大神宮(とようけだいじんぐう)
天照大神(あまてらすおおみかみ)の
食事を司る神の
豊受大神(とようけのおおかみ)を
祀っている。
内宮創建から500年後に
山田原(やまだのはら)に迎えられた。
衣食住をはじめ
あらゆる産業の守り神。
これからお参りに行く人も、
お参りして出てくる人も、
多くの人が各鳥居で立ち止まり
丁寧に頭を下げて通過していく。
そういう些細な所作が、
境内の、つまり神宮の内と外とを
分ける空気を作り出している。
外宮に入ると、と言うか
外宮の森に包まれると、
ちょっと不思議な
あえて言葉で言うと「気」みたいなものを
明らかに感じる。
それは神宮のパワーというよりも
神宮によって守られた
森が持つパワーと言う方が
個人的にはぴったりする。
とにかく森が豊かだ。
神宮の社殿は、それぞれ東と西に
同じ広さの御敷地(みしきち)を持ち
式年遷宮に備えている。
正宮(しょうぐう)は写真が撮れないので、
式年遷宮後の
となりの古殿地(こでんち)のみ。
パワースポットとして
知られている「三ツ石」
正式には
「川原祓所」(かわらはらいしょ)
と呼ばれる場所。
しめ縄が張られていて
直接触れることはできないが、
しめ縄の外から、
ストーブにあたるがごとく
みな手をかざしている。
「温かくなる気がする」
とか
「パワーを感じる」
とか
皆いろいろ言い合っていたが、
私自身は、最初に書いた通り
外宮全体の森の気みたいなものを
すでに強く感じていたので、
小さな石のパワーには
あまり興味が持てなかった。
正宮だけでなく、各社殿それぞれに、
式年遷宮のための御敷地(みしきち)が
隣に並んで確保されているのは
興味深い。
風宮(かぜのみや)と御敷地
土宮(つちのみや)と御敷地
多賀宮(たがのみや)と御敷地
多賀宮(たがのみや)へ上る階段も
緑豊かだ。
森の気(!?)に引き込まれるように
少しゆっくり奥へと歩いたが、
観光のメインコースから外れると、
人もまばらになり、
さらに深く森を楽しむことができる。
奥の小さなお社にも、遷宮用の御敷地は
ちゃんと確保されている。
空いている側は、東西というか左右で
揃っているわけでなく、
お社によりバラバラだ。
外宮の参拝を終え、内宮に向かった。
路線バスで20分強の移動。
【内宮(ないくう)】
皇大神宮(こうたいじんぐう)
皇室のご祖神
天照大神(あまてらすおおみかみ)を
おまつりしている。
五十鈴川(いすずがわ)に架かる
宇治橋(うじばし:長さ102m)を渡り
内宮に向かう。
両端の鳥居は、両正宮の旧正殿
棟持柱(むなもちばしら)を
リサイクルしているという。
神苑(しんえん)を歩く。
手水舎(てみずしゃ)にて
参拝前に心身を清め、
正宮(しょうぐう)に向かう。
こちらも写真が撮れるのはこの位置まで。
平安末期の歌人・西行は
伊勢神宮にお参りして、
なにごとのおはしますかは知らねども
かたじけなさに涙こぼるる
と詠んだという。
何度も書いた通り、外宮も内宮も
とにかくお社を包む森がすばらしい。
華美な部分はないが、
繰り返される日々の営みに支えられた
圧倒的とも言える時の流れ、歴史、
それらを静かに包み込んでいる
深い深い森の生命力、
そういうものを
「なにごと」かはわからなくても
まさに全身で感じることできるのが、
お伊勢参りの魅力なのかもしれない。
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