松江城「堀川めぐり」
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松江城「堀川めぐり」
- 堀から見る、橋、石垣、そして町並み -
島根県訪問時には松江市内に
宿をとった。
今日は、松江城の堀川めぐりを
楽しみたい。
【堀川めぐり】
松江城を囲む堀は、
一部築城(1611年)と同時に造られ、
今もそのままの姿を残している。
400年もの歴史がある。
その堀を小舟でめぐるのが
「堀川めぐり」。
一周「約3.7km」のコースを
約50分で一回りする。
途中3箇所、乗船場があるが、
一日券1500円を購入すると
丸一日、3箇所での乗り降りが自由。
まさに乗り放題で楽しめる。
(写真はすべてiPadで撮影)
船は全長約8m、幅約2mの小さなもので
乗客は全員、靴を脱いで乗りこむ。
屋根の下に屈(かが)みながら進んで
直接床に座るスタイルだが、
全員が腰を下ろすと、船頭さんから
さらなる説明があった。
「堀川めぐりは、一周する間に
17の橋をくぐります
ところが、その内4つの橋は、
橋げたが低く
そのままでは、船の屋根が
ぶつかってしまい通れないのです。
なので、そういった低い橋をくぐる時は、
船の屋根を下げて通過します。
ちょっとやってみましょう」
船頭さんがスイッチを入れると
屋根がゆっくり下がってきた。
「これでもまだ半分ですよ、
もうひと息、頑張って下さい」
予行演習を和やかに進める
話術も巧みだ。
予習を済ませると、船は加速しながら
堀の真ん中に出ていった。
「カラコロ広場乗船場」を出発してから
ほどなくすると、
実際に低い橋が迫ってきた。
「はい、屋根を下げますよぉ。
気をつけて下さい」
の船頭さんの声のもと
まさに全員前屈体勢に。
ごらんの通り、かなり屈(かが)む。
無事通過すると、
「困難を乗り越えた」というほど
大袈裟なことでもないのに、
乗客間にちょっとした一体感というか
なごやかな空気が
流れるような感じがするから
不思議なものだ。
ちなみに、屋根を上下に動かす
油圧シリンダーはこんな感じのもの。
忘れがちだが、
屋根を下げて通過するということは、
「適正な水位が維持されている」
ということが前提になっている。
水位が上がりすぎると屋根がぶつかって
通り抜けられなくなるし、
逆に、水位が下がりすぎると
船底をこすってしまうことになるからだ。
この細かいコントロールは、
宍道湖のほとりにあるポンプ場
「松江堀川浄化ポンプ場」にて
実施されているらしい。
ポンプによる制御があってこそ、
安心して船を運航できるわけだ。
天守閣に一番近い、
「大手前広場乗船場」まで来た。
城の石垣も
堀から眺められるのはいい。
このあと、松江城の見学に出かけたのが、
その話は次回、
回を分けて書きたいと思う。
城見学の後、残りのコースに乗るために
「大手前広場乗船場」から再度乗船。
城の北側
【塩見縄手(しおみなわて)】
と呼ばれるエリアの前をゆく。
江戸の町並みが残っている。
船からの眺めもいいが、
降りてちょっと歩いてみることにした。
3番目の乗船場「ふれあい広場乗船場」
で降りて塩見縄手の方へ向かう。
小泉八雲記念館
小泉八雲旧居
八雲が家のたたずまいを
どんな言葉で書いたのかが、
掲示してある。
「自分の今度の家は
或る高位のサムライの昔の住宅で、
カチュウヤシキ(家中屋敷)である。
城のお濠の縁にある街路、
いなむしろ道路とは、上を瓦が蔽うて居る
長い高い壁で仕切られている」
武家屋敷
堀にかかる松も
長い時間を感じさせる。
長い塀も絵になる。
堀を挟んで右側が城内。
このあたりは石垣がない。
「ふれあい広場乗船場」の前には、
観光客が自分で記念撮影ができるよう
写真撮影用のカメラスタンドがあった。
「カメラを置く」
だけでなく、
「スマホを挟んで立てる」
ためのブロックが
台の左側に設置してある。
いつのまにか、
セルフタイマーによる記念撮影も
スマホが主流になっているのだろうか?
「ふれあい広場乗船場」から
「カラコロ広場乗船場」までは
外堀に相当するので
城からは離れることになるが、
京橋川を通り、
また違った景色を楽しむことができる。
私が乗った船では
船頭さんが歌まで歌ってくれた。
冬には「こたつ船」になるらしいが
この堀川めぐり、石垣はもちろん
景色も船頭さんの話も、
そして場合によっては歌までも楽しめる。
松江観光の際はぜひ。お薦めだ。
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