オーストリア旅行記 (42) ベートーヴェンの家と譜面屋
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オーストリア旅行記 (42) ベートーヴェンの家と譜面屋
- 楽譜は共通語 -
ここに
書いた通り、
ウィーン市街を守っていた市壁は
約150年前に取り壊され、
新しい都市計画が動き出したのだが、
市内には、当時の市壁の一部が
残っているところがある。
このアパートの土台部分、
古い市壁がそのまま残っている。
稜堡(バスタイ)と呼ばれる、
突き出した角の部分にあたるところだ。
積み上げられたレンガを味わいながら
上ってみることにした。
実はこの上のアパートには、
ベートーヴェンが住んでいた家がある。
【ベートーヴェンの家】
今はこんなプレートが埋め込まれている。
ベートーヴェンは、
生涯に80回以上も引越をした。
そのベートーヴェンが、
ここには約10年間(1804-1815)も
住んでいたという。
生涯でもっとも長く住んでいた家は
このアパートの5階。
いまは記念館になっているが、
他の部屋には、普通に人が暮らしている。
なので、記念館の呼び鈴も
他の住人と同じもので特殊なものではない。
(左列、上から三番目のボタン)
「運命」の名で知られる交響曲第5番、
テレビドラマ「のだめカンタービレ」で
一躍知名度の上がった交響曲第7番、
大戦後の1955年、国立歌劇場の
修復完成記念の演目に選ばれた
オペラ「フィデリオ」、そのほか
ピアノソナタ「告別」、
ピアノ曲「エリーゼのために」、
など多くの曲がここの部屋で作曲された。
【Musikhaus DOBLINGER】
音楽の都ウィーン。
夫婦ともに多少なりとも楽器を嗜むので、
ウィーンの訪問記念に
楽譜を買って帰ることにした。
事前に楽器仲間に教えてもらっていた
「譜面屋:DOBLINGER」を訪問。
「MUSIKHAUS」の字面がなんとも誘惑的だ。
旧市街のど真ん中。
ドイツ語はぜんぜん読めないが、
五線譜はいい。
まさに言葉の壁がない。
品揃えといい、在庫の量といい、
さすがウィーン。
楽器を肩に掛けたお客さんも
何人かいる。
しかも店内、楽器、編成ごとに
譜面がよく整理されているので、
初めて訪問する外国人でも、
迷わずターゲットに辿り着くことができる。
そのうえ、各譜面がオープンで、
実に見やすい。
(日本で輸入譜面を買いに行くと、
ひとつひとつが袋に入っており
かなり選びにくいことが多い)
引き出しを開け
パラパラとページをめくり
次々に内容を見ることができる。
ただ、楽譜としては読めても
自分が演奏できない譜面が多いのは
なんとも悲しい。
まぁ、実力の低さをこの時点で
嘆いてみてもしかたがないので、
「これならできそう」の譜面を探す。
このお店、広い店内が
大きくふたつに分かれている。
ひとつは譜面エリアで
もう片方は音楽関連グッズエリア。
夫婦それぞれ小品の譜面と
譜面用クリップなどの小物を購入。
音楽の都ウィーンで買った音楽グッズ。
だれでもない自分自身への
いい土産になった。
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