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2018年6月 3日 (日)

オーストリア旅行記 (41) エフェソス博物館

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オーストリア旅行記 (41) エフェソス博物館

- 極私的興奮の時間 -

 

本旅行記は、観光名所の紹介を
目的としているわけではなく、
あくまでも私自身の
「私的」好奇心の記録として
書いているので、
改めて言うのもヘンな感じだが、
今日は特に「私的」に興奮してしまった
訪問先について書きたいと思う。

見どころの多いウィーンにあって
一般的には「ぜひ訪問すべき場所」、
というわけではないと思うが、
ご興味があればお付き合い下さい。

 

新王宮の中にある博物館のひとつに
これがある。

【エフェソス博物館】

P7159034s

エフェソスは
トルコにある古代ローマの壮大な遺跡。
そこで発掘された
出土品が並んでいる。

P7159037s

トルコの遺跡の出土品がなぜここに?
の疑問はさておき、
意外なところでの意外な出遭いに
驚くやら嬉しいやらで
すっかり気分は高まってしまった。

何がそんなに嬉しいのか。

P7159046s

 

本ブログ「はまのおと」を
始めたきっかけは、
2012年のトルコ旅行だった。
今回のオーストリア旅行と同様
夫婦ふたりでの個人旅行。

トルコは鉄道網が弱いので、
深夜バスも含め
主にバスを乗り継いでの
旅行だったのだが、
その訪問先のひとつ
「エフェソス」の遺跡は
私達に強烈な印象を残している。

ここ
そのときの訪問記を書いている。

いまや300を越えるエントリとなった
当ブログの、
生まれたばかり3つ目のエントリ。

写真の大きさもバラバラだし、
PCのブラウザで見ることしか
考えていない6年前の記事だが、
今読み返してみても、あのときの興奮を
ありありと思い出すことができる。

とにかく壮大。

その中に有名な
「ケルスス図書館」がある。

トルコ旅行時の
エフェソス遺跡の写真も
交えながら話を進めたい。

実際の図書館の遺跡はこんな感じ。

120709122220_img_2260s

ご覧の通り、
見事なファサードが残っている。

120709124903_img_2299s

注目すべきは一階部分。
彫刻が見えるだろうか。

120709125736_r0010051s

大きすぎて
一度に撮ることはできなかったが、
一階部分に4体の女性像が立っている。

120709125744_r0010052s

トルコ旅行記で私はこう書いた。
ちょっと引用したい(水色部)。

2世紀。エフェソスを代表する遺跡。
ケルススの息子が
父の墓の上に築いた図書館。

近くで見るとその壮麗さに圧倒される。

一階部分には、
英知、徳性、思慮、学術を意味する
4つの女性像が立っているが、
オリジナルはウィーンの博物館にあり
ここにあるのはコピー。

だからと言って
ウィーンに行って像だけを見ても、
それらが存在していた
ここの空気感を想像することは
できないだろう。

つまり、上の写真の図書館一階部にある
4体の女性像は実はレプリカ。

そして、ここに書いた
「オリジナルのあるウィーンの博物館」が
まさに今回訪問した
「エフェソス博物館」だったのだ。

「トルコ」と「オーストリア」
私的な旅行が
「エフェソス遺跡」を介して
目の前で繋がった。
この嬉しさ、
どう表現すればいいのだろう。

 

とはいえ、見事な遺跡の図書館も
この博物館では小さな小さな
模型のみの展示になってしまっている。

P7159033s

遺跡の実物を見ているだけに、
模型感が悲しい。

一方で、遺跡にはレプリカが置いてあった
英知、徳性、思慮、学術を意味する
4つの女性像のオリジナルは
確かにこちらにあった。

P7159032ss

P7159032s

あの壮麗なケルスス図書館の
ファサードを思い出すと
4体の像だけが
ポツンと並べられている様は
なんとも寂しい。

しかも、思ったよりも小さい。

「手に取るな
 やはり野に置け蓮華草」
とはよく言ったものだ。

 

なお、この博物館には出土品の他に、
エフェソス遺跡全体の模型がある。

図書館の模型は悲しかったが
この全体模型は出色だ。

P7159048s

たとえば、2万人収容の
こんな巨大な観客席を持つ円形劇場。

120709130449_img_2312s

規模感が伝わるだろうか。

右奥に広がる大きな観客席。

120709131032_img_2323s

それが模型の中では、
下の写真の左下のすり鉢部分。
全体の中ではこんなに小さい。
遺跡全体がどれほど大きいかが
よくわかる。

P7159035s

地形の起伏の再現も完璧で
エフェソス遺跡を歩いたことを
思い出しながら見ると、
いくら見ていても飽きない。

図書館は、下の写真の
左上の小さな箱。

P7159042s

 

右下から左上の図書館に
まっすぐ伸びている通りが、
クレテス通り。

右下の通り入り口に立って
実際に図書館方面を見ると
こんな景色を見ることができる。

120709120658_img_2237s

女性像をトルコから持ち込まず、
逆に、この模型を
エフェソス遺跡訪問者が
実物と見比べながら見られるように
トルコに置いておいてもらいたいくらい。

P7159038s

 

トルコの記事に書いた通り
「だからと言って
 ウィーンに行って像だけを見ても、
 それらが存在していた
 ここの空気感を想像することは
 できないだろう」
は、まさに当たっていた。

出土品だけを眺めて
想像力を働かせても、残念ながら、
あそこの「空気感」を思い描くことは
難しい。

でも、遺跡で一番重要なのは
あの空気感なのだ。

アレキサンダー大王、
クレオパトラとアントニウス、
そんな人たちが実際にここを
歩いていたかもしれない、
そう思いながら歩く時の高揚感は
やはり行ってみないとわからない。

それを引き起こす力が
あの遺跡の空気にはある。

P7159037ss

 

 

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