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2018年5月20日 (日)

オーストリア旅行記 (39) ザッハ・トルテ

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オーストリア旅行記 (39) ザッハ・トルテ

- ○と△ -

 

前回、カフェの話を少し書いたが、
ウィーンのカフェと言えば
この話題にも触れておきたい。

ウィーンを代表する
チョコレートケーキのひとつ
ザッハ・トルテ

国立歌劇場のすぐ裏手にある
「ホテル・ザッハー」の一階に
カフェがあり、そこで供されている。

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このお店、とにかく観光客に大人気で
いつ覗いても行列ができていた。

本場で食べる、というか
本家のザッハ・トルテの味や如何に、
と興味はあるものの
貴重なウィーンでの滞在時間を
ケーキの行列のためだけに
潰してしまう気にはなれず、
何度か前を通るものの、
なかなか立ち寄れないでいた。

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というわけで、
「ここなら」と選んだ訪問時間は
夕食後!

夕食後にケーキを食べに行く輩は
ゼロとは言わないが多くはないだろう。

訪問したのは夜9時。
「寝る前に...」の声が
どこからか聞こえてきたが、
「ひと晩のこと」と
夫婦共々しばし無視することにした。

さすがに行列はできていなかったが、
それでも次から次に客は来ており
その時間でも店内は満員状態だった。

 

【カフェ ザッハー】

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ここは、とにかく
店の雰囲気からしておしゃれ。

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ふたりで寄ったので、
二種類のケーキを選び、
半分ずつ味見してみることにした。

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もちろん、ひとつは
本家「ザッハ・トルテ」だ。

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ホイップした生クリームが添えてある。
「ザッハー」の刻印のある「丸い」形の
チョコレートプレートが乗っている。

外側は見ての通りのチョコレートだが
スポンジ部分に
アンズのジャムが塗ってあるので、
食べると軽くアンズの香りが広がる。

店の雰囲気とケーキの味と、
両方をゆっくり楽しんだあと、
午後10時過ぎに店を出ようとすると、
なんと並んでいる方が数名いた。

P7159182s

 

もう一箇所、ウィーン旧市街に
ザッハ・トルテが
食べられるところがある。

【カフェ デーメル】
歌劇場のすぐ裏手の「ザッハー」と
対比して言うならば、
王宮のすぐそばの「デーメル」。

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左奥ドームは王宮、
右側、白いテラス席がデーメル。

皇妃エリーザベトは
毎日のように使いを出して
デーメルのケーキを届けさせた、
と言われているが、まさに
「宮中御用達菓子商」。

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こちらのザッハ・トルテはこんな感じ。

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上に乗ったチョコレートプレートは
三角形だ。

 

一緒に食べたケーキも
おしゃれで美味。

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今はどちらも
正真正銘の「ザッハ・トルテ」が
食べられる二軒だが、
名前を見れば明らかなように
そもそもは「ザッハー」のもの。

この二軒、「ザッハ・トルテ」を巡って
争っていた時期がある


どんな顛末だったのか、
少し覗いてみよう。

 

1930年代、
「ザッハー」の経営難を助けた
「デーメル」は
「ザッハー」から
ザッハ・トルテの販売権を得、
販売を始める。

順調に売上を伸ばすデーメルだったが、
その後、ザッハーから
「オリジナル・ザッハ・トルテ」と
標示するのは権利の侵害だ、として
その差し止めを求める裁判を
起こされてしまう。

多くの証言者が立った長い裁判の結果、
デーメルのものは
「デーメル・ザッハ・トルテ」
ザッハーのものは
「オリジナル・ザッハ・トルテ」
として売られることになった。

ケーキの上に乗っている
チョコレートのネームプレート。
ザッハーは〇(丸く)、
デーメルは△(三角)。
どちらがどちらかはひと目でわかる。


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ちなみに、お店の入り口近くの
ガラスケースを見てケーキを注文できる
デーメルのようなお店は、
コンディトライ(菓子店)と呼ばれ、
専門店としてカフェとは区別して
呼ばれることもあるようだ。

Img_0242s

肝心な味のほうは、
ザッハーもデーメルも
申し分なく美味しかったが、
「最高にうまいケーキだったか?」
と問われれば、
「もっとうまいザッハ・トルテは
 (そう呼ぶのがマズければ
  ザッハ・トルテのような
  チョコレートケーキは)
 日本にあるぜ」
と思ったのが正直な感想。

繊細さ、滑らかさ、甘さの深み、
日本のおいしいケーキが誇るべき
圧倒的な優位点は食べ比べても揺るがない。
それは単に「私が日本人だから」
そう思うだけなのだろうか?

いつの日か、
日本のおいしいケーキと食べ比べた
ウィーンの方の率直な感想を
ぜひ伺ってみたいものだ。

 

 

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