オーストリア旅行記 (26) ウィーン国立歌劇場(1)
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オーストリア旅行記 (26) ウィーン国立歌劇場(1)
- 2280席中「1/4」は立ち見席 -
次の場所を訪問する前に、
ウィーン自然史博物館ネタから
ひとつだけ、読者の皆様の協力を
仰ぎたいと思っていることがある。
ウィーン自然史博物館の
ミュージアムショップで買った絵葉書に、
これがある。
絵葉書には、独語・英語で一行説明があり
英語部分は
「Darwin ape -
Detail from the frieze in the dome」
となっている。
「ダーウィン(の)猿
ドームの帯状彫刻から」
中央ドームの彫刻の一部と思われるが
実物を見た記憶はない。
それなのにわざわざ写真を買った
ということは、
なにか手にしたきっかけがあったはずだ。
ショップ内で
なんらかの説明文を目にし、
それを「おもしろい」と
思ったからとか。
ところが、旅行から
半年以上も経ってしまったせいか
そのきっかけを全く思い出せない。
旅行中のメモにも何も残っていない。
ただ単に
「おもしろい構図だから買った」
ということだってもちろんあるが
どうもスッキリせず気持ち悪い。
「Darwin ape」などの言葉で
検索もしてみたのだが、
きっかけに結びつくような
解説も見つからない。
そもそもこの彫刻は
何を表したものなのだろう?
Googleの類似画像検索でも収穫なし。
ダーウィンの進化論と
どんな関係があるのだろう?
というわけで、
この彫刻や、Darwin apeについて
なにかご存知の方がいらっしゃいましたら
コメントやメール等で
ぜひ教えて下さい。
よろしくお願いします。
さて、話を戻して
ウィーン観光を続けることにしよう。
次は、これまたウィーンを代表する
建築物のひとつ。
ここで書いた
リンク通りの整備と共に建てられた
建築物のひとつでもある。
【ウィーン国立歌劇場】
訪問が7月で
オペラの季節ではなかったため、
残念ながらオペラを見ることは
できなかったのだが、
その劇場は圧倒的な存在感を放っていた。
公演はないものの、
バックステージを案内してくれる
ガイドツアーがあるという。
それに参加してみることにした。
ガイドツアーは、ドイツ語以外にも
時間を選べば、
英語、イタリア語、日本語など
各言語で案内してもらうことができる。
日本語があるのはほんとうにうれしい。
集合場所に行くと
言語の書かれたプラカードが立っており、
言語別の集団ができていた。
今回、
日本語ガイドを担当してくれたのは、
流暢な日本語を操る現地の女性。
「ガイドツアー中の写真撮影は、
フラッシュも含めてOKです」
とのうれしいコメントからスタート。
メモと写真を取りながらの
楽しい劇場内ツアーが始まった。
まずは、観客席側。
通常通り劇場に入り、
舞台を正面に見ながら
その歴史と概要を聞く。
舞台には豪華な緞帳がおりている。
この劇場は、
1869年に6年の歳月をかけて完成。
当初は宮廷歌劇場だった。
こけら落としの演目は
モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」。
日本では
ちょうど明治が始まったころのことだ。
観客席側はこんな感じ。
5層のボックス席が美しい。
真ん中に見えるのが、
かつては皇帝も使っていたロイヤルボックス。
完成から76年後の1945年、
第二次世界大戦の空襲は
この劇場にも大きな被害をもたらす。
ごく一部を残すだけ、という大破。
3月12日のこと。
東京大空襲の日付を思うと
東京もここウィーンもまさに同じ頃、
空からの襲撃により
大きな被害を受けていたことになる。
その後、
外観はオリジナル通りに復元。
内装のほうは50年代の好みを反映し
作り直された。
修復完成は1955年11月、
カール・ベームの指揮による
ベートーヴェンの「フィデリオ」が
修復完成記念の演目。
天井と照明はこんな感じ。
ワイングラスで有名な
ロブマイヤー製のシャンデリアらしい。
座席数は「1709」、
立ち見席は「567」、
合わせて約2280名が
オペラ/バレエを楽しむことができる。
立ち見席の比率にビックリ!
全体の1/4が立ち見席とは!
「シーズン中、
高い席は日本円で2~3万円程度です」
この雰囲気の中、
ハイレベルな演奏が保証されて
「高い席で2~3万円」の説明に
話を聞いていた人たちが、
ちょっとどよめく。
「えっ、それなら安いじゃない」
のつぶやきがきこえる。
日本で有名オペラの来日公演を
聴くことと比較しているのであろう。
試しに、2017年バイエルン国立歌劇場の
来日公演の値段を見てみると
NHKホールのS席で6万5千円になっていた。
「立ち見席であれば
3ユーロから4ユーロ、
つまり500円、600円程度で
観ることができます。
ただし、
立ち見席は前売りがないため、
公演80分前の売出しに
並ぶ必要があります」
「立ち見席の数百円」にも
驚きの声がもれる。
「7月の今はオーケストラメンバは
ザルツブルク音楽祭に忙しく、
多くはウィーンにいないのです」
シーズンは9月から翌年6月末まで。
年間約300回の
オペラまたはバレエの公演がある。
基本的に毎日演目が変わる。
「毎日!?」
そりゃ、裏方も忙しいことだろう。
裏方は2チームで
18時間体制でサポートしているとのこと。
この劇場では、
オペラまたはバレエの公演しかやらない。
ミュージカルや演劇の公演はなし。
唯一の例外が、
ヨハン・シュトラウスの
オペレッタ「こうもり」。
劇場ツアーはまだまだ続く。
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