大岡川遡行 (2)
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大岡川遡行 (2)
- 建物に面影だけを残して -
ここから始めた
横浜市の大岡川遡行。
今日は2回目、続きを書きたい。
日ノ出町あたりまで来ると、
湧き水が。
簡単な説明書きもある。
要点のみ書くと・・・
自然の湧き水に恵まれた地域で、
明治の初めごろから、
横浜港に寄港する船舶に
飲用水を提供していたと言われています。
近年は飲むことはできない。
船舶への飲料水の提供か。
燃料、食料、飲料水、などなど
港で補給されるものは
どれほど多岐にわたっていたことだろう。
ちょっと気をつけて見てみると、
川に沿って走る
京浜急行線の高架の向こうには、
山が迫っているのがよくわかる。
川のほうは、ほんとうに静かで、
流れを感じさせない。
黄金町まで来て、
ふと交番を見上げると、
なぜか屋根の上に猛禽類が。
「イセタカ君」という
マスコットキャラクターらしい。
モデルは「ハイタカ」という鷹の一種とか。
付近は、
現在は風俗店ではなくなっているものの、
その間取りから
かつての「ちょんの間」の面影を
強く残している。
ネットで検索すると、
「最盛期には250軒もあった」
という記述もある。
それこそカメラを持って、
というわけにはいかないだろうが、
その頃の夜、
このあたりはいったい
どんな雰囲気だったのだろう。
「バイバイ作戦」と呼ばれる
かなり過激な
風俗店一掃作戦が開始されたのは
2005年のこと。
JR福知山線の脱線事故があり、
つくばエクスプレス線が開通し、
愛知県で「愛・地球博」が開催され、
「ごくせん」「電車男」「女王の教室」
といったテレビドラマが
ヒットしていたのが2005年だ。
そのころまで、このあたりは
一大風俗街だったということになる。
ついこの間の話だ。
今は、桜の名所
「大岡川プロムナード」の一部として
整備され、
誰でもが歩きやすくなっている。
交番の「イセタカ君」も
地域の治安に目を光らせている、
ということか。
「大岡川プロムナード」の整備の一部か
このあたりから橋名の案内表示も
よく目にするようになる。
ここは「太田橋」。
相変わらず水面は静かだ。
道慶(どうけい)橋まで来ると、
りっぱな道慶地蔵尊が。
川向うに見える材木店には、
こんな看板がでていた。
さて、これらの漢字、
いくつ読めるだろうか?
全問正解は・・・難しい。
楢(なら)、椛(もみじ)
栓(せん)、椈(ひのき)
朴(ほお)、楠(くすのき)
杉(すぎ)
一番左は、木偏に仏?
木偏に佛で「しきみ(樒)」という
植物名が出てくるので
おそらくそれを指しているのだろう。
京急・南太田駅の手前、
並行して走っていた
赤が印象的な京急本線とも
このあたりで一旦離れてしまう。
後方のランドマークタワーとも
お別れだ。
振り返って見ると、湧き水を提供する
野毛山方面の土地(写真左手)が
高くなっていることがよくわかる。
京急本線から離れると、川は
首都高速神奈川3号狩場線の下に
もぐりこむような、と言うか、
首都高が覆いかぶさるように迫ってくる。
蒔田公園の横、首都高の下が
支流中村川との分岐点になる。
上に大きく覆いかぶさっている
ゴッツイ構造物が、
首都高速神奈川3号狩場線。
写真左手が本流で、
右手が支流中村川。
写真奥に向かって流れている。
中村川は、この先、横浜の大繁華街
元町と中華街の間を流れる堀川となって
横浜港に注ぐ。
高速出口は川に沿った
緩やかな曲線になっていた。
通称Y校、横浜商業高校脇には、
なぞの構造が。
明らかに川へのアクセスを
意識したものだが、
これはいったいナンなのだろう。
ボートの出し入れでもするのだろうか?
川沿いの桜はかなり大きく茂っている。
桜の季節は
それはそれはみごとなことだろう。
環状1号線の鶴巻橋あたりまで来ると、
川に鯉をみかけるようになる。
となりの大井橋、
親柱横のお地蔵様に
地域の方々の心遣いを感じながら、
さらに遡って行くと、
だんだん川の様子が変わってきた。
弘明寺駅付近では、
「水辺の遊歩道」ということで、
川まで下りて歩くことができる。
川辺を歩くので
弘明寺商店街のアーケード、
観音橋も同時にくぐる。
遊歩道も整備されており、
釣りを楽しんでいる人もいる。
聞くと釣れるのは
「ハゼ」や「ボラ」とか。
汽水域というべきなのか、
まだこのあたりでも海の魚が
釣れるらしい。
「出世魚でね、
成長に合わせて名前がね・・・」と
ごっつい指を折りながら
丁寧に名前の変化を教えてくれたのだが、
今、書こうとしても
ひとつも思い出せない。
そのうえ、
まだまだ詳しい話をしたそうだったのに、
「友人が先に行ってしまったので」と
半ば強引に、親切な説明を
途中で振り払ってしまった。
知識豊富で柔和な太公望には
ずいぶん失礼してしまった。
京急・上大岡駅の手前、
離れていた京急本線との
再会も近い。
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