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2017年1月22日 (日)

偶然五七五

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偶然五七五

- 大阪府/四條畷市/北出町 -

 

2017年1月15日に行われた
大阪府四條畷市の市長選で
28歳の新人東修平氏が当選し、
全国最年少市長が誕生した、
とのニュースがあった。

四條畷市(しじょうなわてし)
の名前を見たらあることを思い出した。

(1) 住所篇
四條畷市には、
北出町(きたでちょう)という町がある。

住所をそのまま音読してみよう。

大阪府 / 四條畷市 / 北出町
(おおさかふ 
 しじょうなわてし きたでちょう)


そう、俳句とは言えないが
五七五のリズムになっている。

しかもおもしろいことに
この住所の郵便番号
現在は「575-0043」だが
1998年に7桁になる前までは、
これまた偶然にも
575」だったのだ。

私が読み難いこの市の名前を覚えたのは、
この五七五がきっかけだった。

 

「偶然五七五」のリズムを刻む日本語は
気をつけて探すとあちこちにある。

(2) 法律条文篇
法律の条文関連では、

日本国憲法第23条
学問の/自由は、これを/保障する

民法882条
相続は/死亡によって/開始する

軽犯罪法第1条22号
こじきをし、/又はこじきを/させた者

などがよく知られている。

 

(3) 駅名篇
数年前、
「連続した駅名で五七五七七」
つまり短歌調になる区間が
ネットで話題になっていた。

次々と挙がってくる作品(?)に
「みんなよく探しだすなぁ」と
当時は感心させられるばかりだった。
単なる駅名の組合せではなく、
「連続した駅名で」だ。

JR京浜東北線(8駅)
浜松町 = 田町 = 品川 = 大井町 =
大森 = 蒲田 = 川崎 = 鶴見(つるみ)


西武新宿線(6駅)
本川越 = 南大塚 = 新狭山 =
狭山市 = 入曽(いりそ) = 新所沢


富山地方鉄道本線(5駅)
新魚津 = 電鉄魚津 = 西魚津 =
越中中村 = 早月加積(はやつきかづみ)


JR飯田線(7駅)
上市場(かみいちば) =  
浦川 = 早瀬 = 下川合(しもかわい)
中部天竜 = 佐久間 = 相月(あいづき)

 

(4) Wikipedia日本語版篇
この五七五七七探し、
もともとは「偶然の発見」を
楽しんだものだったと思うが、
五七五七七検索プログラムを作り
フリーのオンライン百科事典
Wikipediaの本文をまるまる
検索にかけてしまった人がいる。

しかも、その結果は
こんな本にまでなっている。

いなにわ, せきしろ著
「偶然短歌」飛鳥新社

本からいくつか紹介したい。
(以下水色部、本からの引用
 五七五七七のあとの「」は、
 Wikipedia日本語版の見出し語)

 

アルメニア、アゼルバイジャン、ウクライナ、
中央アジア、およびシベリア
     「モロカン派」

柔道部・バレーボール部・卓球部
ハンドボール部・吹奏楽部
     「一宮市立北部中学校」

文学部・経済学部・法学部
経営学部・医療健康
     「日東駒専」

単なる名詞の羅列なのに、
音やリズムに特徴があって、
思わず声に出して読みたくなる。

 

空洞になっているため、大きさを
支えきれずに壊れてしまう
     「マリモ」

研究で、ネコが砂糖に関心を
持たないことは示されていた
     「ネコ」

たいていは家屋の中で日当たりの
よい場所にあり、窓が大きく
     「居間」

説明臭いものは、
リズム的にはあてはまっても
おもしろさには欠ける。

 

「立ち乗り」を行っている最中に
車のドアが閉まってしまい
     「ペター・ソルベルグ」

楽団の首席指揮者の就任も
決まっていたが、果たせなかった
     「イシュトヴァン・ケルテス」

大好きで毎日苺成分を
摂取しないと生きていけない
     「鈴木まりえ」

同じ説明調でも、
なぜか背景の物語を感じさせる。

 

艦長が自分好みの制服を
艦の資金で誂(あつら)えていた
     「セーラー服」

そんな中、白いくじらが出現し、
歓喜の声を上げる船長
     「白いくじら」

こうなると物語のほうが
前面に出てくる感じ。

 

泣き言や空想ばかりを書いている
ジャーナリストの連中が何
     「リシャルト・カプシチンスキ」

念仏で救済される喜びに
衣服もはだけ激しく踊り
     「盆踊り」

照らされて雨露(うろ)が輝く半分の
クモの巣だけが残されていた
     「くもとちゅうりっぷ」

このくらいになると、
説明文の一部、ということを忘れてしまう。

 

言葉遊びはいつでもどこでも楽しめる。

 

 

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コメント

今日は。久しぶりにコメントさせていただきます。
いなにわ、せきしろの「偶然短歌」のことは私も昨年ある短歌雑誌で読みました。これは二人(片方はプログラマー)がコンビを組んで、ウィキペディアの膨大な文章から5-7-5-7-7の語形を取り出して、その中から「短歌」として読めそうなものを提示して見せた、ということだったと思います。本物の歌人がこの事実を知って、どういう感想を持ったかまでは知りませんが、(短歌を習っている素人の)私はこのコンビ(又は後継者)がさらにプログラムを改良して、短歌的味わい(わび、さび、物の哀れ‥)がよりうまく表現できるようになれば、私など及びもつかない傑作を生みだすのもあながち夢ではなかろうと思いました。その時は、「偶然短歌」と「短歌」との見分けなど不可能となり、従って「偶然短歌」も正々堂々と「短歌」に名乗りを上げるのだろうと思います。何せ、すでに囲碁・将棋の世界がコンピューターで席捲されていますし、やがて音楽、絵画など他の芸術分野にも入ってくるでしょう。そうなるとこれらの分野が殺伐とした、人間味の失せた世界に変わってしまうか、一段と高次元のものへ飛躍するかは分かりませんが、今の時代ならどのみち誰かがやりだすことだけは間違いないでしょうからね。私はポジティブに後者の方(高次元へ飛躍)をイメージしていますが。

平戸皆空さん、
丁寧なコメントをありがとうございます。

人工知能(AI)がどこまでできるのか、
私もたいへん興味があります。

人間の負けが続いている「棋譜」を見たプロ棋士が、
「思いもつかないテだ」と
素直にAIのテに驚いていたのが印象的でした。

単に勝敗だけでなく、
知り尽くした、研究し尽くしたと思っていた世界ですら、
人間が知っていることは、実はまだまだ
そのごく一部なのかもしれません。

そういうことに、気づかせてくれるだけでも
AIの価値はあると思っています。

AIの芸術分野への進出に関しては、
否定的なことを言う人もいますが、
私も平戸皆空さんと同じく、
ポジティブ(高次元への飛躍)にイメージしています。

音楽、絵画、小説などの分野においても、
碁の新しいテと同じように、
人間が思いもしなかったような
新しい世界を見せてくれるかもしれませんし。

なので、結果が
「高次元への飛躍」であっても、
逆に「AIの限界の提示」であっても、
将来が楽しみであることに違いはありません。

何が創り出されようとも、その価値を見出し、
味わえるのは人間側なのですから。

AIの優れた点は、一度組み込まれたプログラムに沿って、目的に応じた
最良の戦略(答え)を出すことができるということでしょうね。そうな
るとやはり、プログラムの出来具合がミソということで、プログラムを
作る人間の力量が結果を左右するのでしょうかね。
SF映画のようにAI自らがプログラムを作り出す能力を具えたら、これは
「生き物」ですよね。‥‥ただ、「生き物」となるプログラムを作るこ
とは永久に不可能なように感じますが。しかし人間の好奇心も限界知ら
ずで、不可能の近接点まで行くでしょうから興味は尽きないですね。

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