「人生、宇宙、すべての答え」
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「人生、宇宙、すべての答え」
- 映画「銀河ヒッチハイク・ガイド」 -
「宇宙」という言葉関連で
音楽に関するコレと、
小説に関するコレを書いたが、
映画についてもひとつ書いておきたい。
「宇宙」と聞くと最初に浮かぶ
「2001年宇宙の旅」についても
書きたいことはいろいろあるのだが、
今日紹介するのは、
「銀河ヒッチハイク・ガイド」
ガース・ジェニングス監督による
2005年の映画だ。
とにかく奇想天外なSFコメディで、
内容を要領よく紹介すること自体むつかしいのだが、
イギリス的な笑いが好きな人には絶対にお薦めだ。
(以下水色部、DVD版 日本語字幕から)
彼らは人間に警告したが-
いつも誤解された
ボールを突くのはエサのためだと・・・
で映画は始まる。
イルカが宙返りやジャンプをしていたのは、
実は芸ではなく、
人間に対してある警告を発するためだった。
おろかな人間はそれを理解できず、
芸と勘違いしてえさをやっていた、
というのだ。
その後も、宇宙を舞台に
壮大なテーマが次々と飛び出すのだが、
どれもシュールな笑いをともなっていて
目が離せない。
例えば「拷問」のシーン。
縛り付けられて、
「下手な詩の朗読を聞かされる」が
この映画での「拷問」。
イギリス人には、
日本人以上にウケていることだろう。
そんな中、特に有名なのが、
ある「問い」とその「答え」。
”生命 宇宙 そのすべて”
答えが知りたいのです
明快な答えが
問われたスーパーコンピュータ、
ディープ・ソートは750万年かけて計算し
答えを導きだす。
”生命 宇宙 そのすべて”の答え
それは・・・
”42”です
この部分、原文では
the Answer to the Ultimate Question of
Life, the Universe, and Everything
となっている。
「生命、宇宙、そして万物についての」
究極の疑問への解答。
それがただの42?
いったいどういう意味なのだろう。
ちなみに、Googleに
「人生、宇宙、すべての答え」と問いかけてみよう。
スーパーコンピュータで750万年かかった計算を、
Googleならあっと言う間にしてくれる(!?)。
答えはもちろん・・。
さすがGoogle。よくわかっていらっしゃる。
痛烈な文明批判とパロディを交えて
話はテンポよく展開していく。
なんという発想力。なんという構成力。
宇宙にバイパスを作るのに地球が邪魔だの、
地球全体のバックアップだの、
話は大きいのに、笑いは細かいし、
とにかく突っ込みどころ満載。
キャラクタの着ぐるみの暖かさも
CGとは違って味があってすごくいい。
だれにでもお薦め、というわけではないが、
個人的には、繰り返し観て
見落としていた部分をいろいろ発見したくなる
傑作だと思っている。
ドタバタコメディとは違った
笑いながら頭が疲れる快感、を楽しめる一本だ。
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