「ラヴ・ミー・テンダー」
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「ラヴ・ミー・テンダー」
- LもRもむつかしい -
ここに英語の間違いによる
笑い話をひとつ紹介したが、
一緒に思い出した話があるので、小ネタながら
そちらも忘れないうちに書いておきたい。
倉田保雄さんが書いた
「セ・ドマージュ・マダム」から
雑誌「文学界」1990年11月号
(以下、水色部、本文からの引用)
「ラヴ・ミー・テンダー」
(Love Me Tender)を
日本人が歌うとLがRになり、
英国人やアメリカ人には、
「Rub Me Tender」と聞え、
笑いをそそるのだ。
なぜかと云えば、彼らの耳には
「やさしく愛して」ではなく、
「やさしくこすって」と聞えるからで、
そうと知ったら
大抵の日本人も噴き出すに違いない。
よく例に出る
rice(米)がlice(シラミの複数形)
のように、日本人が発音すると
RがLになるパターンが多い気がするが、
「Love Me Tender」は
歌の一節でもあるので、
格好をつけようとして
LがRっぽくなることがある
ということなのだろうか。
雰囲気を出して、艶っぽく歌うと
よけいおかしい。
フランス語を学んだことのない
日本人旅行者などは発音できないと思う。
ことわっておくが、
だから悪いというのではない。
パリの有名なホテルで、
クリヨン(CRILLON)というのがある。
国賓も泊るスーパー・デラックス・ホテルだが、
最近は金持ちジャポネがよく泊るようだ。
このクリヨンをフランス人が発音すると、
日本人には「クイヨン」と聞えるらしく、
「どちらへお泊りですか?」とたずねると、
「ホテル・クイヨンです」と云うので、
フランス人は思わずニンマリする。
パリのタクシーの運転手などは、
若いマドモアゼル・ジャポネーズが
「ホテル・クイヨンヘ-」と頼むのを聞いて、
ジョークのネタになると
けっこう喜んでいるらしい。
ちなみに、仏和辞典で
クイヨン(Couillon)を引くと、
「古、俗、きんたま」と出ている。
コーガン"無知"とはこのことか。
○ネタが続いてしまった。
失礼。
ただ、この話を聞いて以来
「厚顔無恥」の漢字が浮かばなくなって
困っている。
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