動きのカガク展
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動きのカガク展
- 静止画が動く「変幻灯」 -
東京 六本木の21_21 DESIGN SIGHTで始まった
「動きのカガク展」に行ってきた。
強い光源を持った模型電車を走らせ、
壁に映る影の大きな動きを楽しむ
ひだを打ったレースのカーテンに風をあてて揺らし、
カーテンに映った動く映像を楽しむ
ハンドルから360度、すべての方向にのびたテグスの先が、
直線上に変換、配置されることで、ハンドルの動きが、
テグスの先の玉の動きとなって曲線を描き出す
ダンボールの塔の中は、
ひとつひとつのダンボールに取り付けられたモータが、
小さな玉を動かしてそれぞれ勝手に
ダンボールを叩き続けており、
中に入ると、ダンボール太鼓の音に全身が包まれる
などなど、「動きのカガク展」のタイトル通り、
動きを伴った作品が数多く展示されている
体験型展覧会だ。
ディレクタの菱川勢一さん自身が言っているように
まさに「図工室に遊びにきたような感覚」で
気軽に楽しめる作品が多い。
ただ、「カガク」をカタカナにしたことに
なにか意味があるのかよくわからないが
科学的な新鮮味はあまり期待しないほうがいい。
映画やアニメの基本となる仮現運動、
ピンポン球を吹き上げる際のベルヌーイの定理、
手書き文字をデータとして集めて処理する人工知能、等
作品ごとに光学、流体、認識、遷移、同期などに関する
科学用語を伴った説明が添えられてはいるが、
科学的な視点から見ると
古くから知られている原理に基づくパターンの作品が多い。
「図工室」だからしかたないか。
そんな中、新鮮味の点で
一番おもしろかったのはこれ。
NTTコミュニケーション科学基礎研究所の
「変幻灯」
紙に書かれた静止画が動く、という作品だ。
写真ではもちろん伝えようがないが、
展示はこんなにシンプル。
光のあたっている左右二枚の絵が動く。
探してみると、展示作品と同一ではないが、
YouTubeに動画があったので、
紹介を兼ねてここに貼っておきたい。
平面に対する
プロジェクションマッピングと言えばいいのだろうか。
まさに紙の静止画が眼の前で動き出す感じは、
やはり実物を見ないとよくわからない。
動画では陽炎(かげろう)のように見えるが、
実際の印象はかなり違う。
ほんとうに目を疑うほどに動くのだ。
次々に絵を入れ替えて
子どものようにしばし楽しんでしまった。
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