五感で味わう。
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五感で味わう。
- 「死ぬほどうまい!」 -
友人家族に誘われてハイキングをしたことがある。
そのとき、一緒に行った家族が小さな携帯バーナーを持っており、
途中の休憩時、お湯を沸かしてコーヒーを淹れてくれた。
歩き疲れた体を休め、
心地良い風で汗が冷やされるのを感じながら飲む
沸かしたてのお湯で入れたコーヒーには、
おもわず「死ぬほどうまい!」と漏らしてしまった。
もちろん水筒に熱いお茶を入れて持って行っても、
そこそこ熱いまま飲むことはできるが、
「沸かしたてのお湯」が引き出してくれたものは、
まさに別世界の味だった。
あまりのおいしさにすっかり魅了されてしまった私は、
そうたびたびハイキングをするわけでもないのに、
「次に行く時は、絶対に携帯湯沸かしセットを持っていくぞ」
と購入を決意してしまった。
とはいえド素人。さて何を買ったらいいものやら。
器具を選ぶ基準をピックアップした。
1.とにかく小さくて軽いこと。
2.使用頻度が少なくても長く安全に使える耐久性があること。
3.外では、静かなようでも結構風がある。
その度に火が消えてしまってはストレスとなるので、
ある程度風に強いこと。
4.燃料のガスが入手しやすいこと。
冬山の登山をするわけではないので、
極寒でも使えるとか、気圧が低くても使えるとか、
そういった方面への要求はゼロ。
その方面に詳しい友人のアドバイスももらって、
結局以下の3点を選んで購入した。
(1) プリムス(PRIMUS) ウルトラバーナー P153
(2) プリムス(PRIMUS) GAS CARTRIDGE ノーマルガス(小)
(3) スノーピーク(snow peak) トレック900
(3)の中に(1)と(2)が完全に入ってしまうので、
アルミ製の(3)が丈夫な携帯ケース代わりになる。
取っ手もたためるので、実際に持ち運ぶときは
3つ全部でもこの大きさ。
(となりの500mlのペットボトルは、
大きさ比較のために一緒に撮っただけ)
たったこれだけをリュックにいれておけば、
いつでもどこでもお湯が沸かせる!
もちろん荷物としては他に「水」や食材が必要となるが、
それらは行く前に、行程や気分に合わせて選べばいいので
選択の幅は広い。
バーナー本体はこんなに小さくたためる。
まさに片手に乗る大きさ。
作りがかなり精巧なのに、
丈夫さへの配慮も随所に感じられる。
キャンプのように構えて準備しなくても、
ほんとうに気軽に、ちょこっと使えるのが魅力。
コーヒーやカップヌードルのように、
お湯を沸かすだけなら途中で器具を洗う必要すらない。
ほんとうに「買ってよかった」。
郊外の街歩き、山歩きには、もう必携だ。
このバーナーP153は、
小ささ、軽さはもちろん、風に強いのもいい。
風にあおられても、ヴォーとかなり迫力ある音で燃え続け、
驚くほど早くお湯が沸く。
それにしても、大自然の中で口にするものが
あんなに美味しいのはどうしてなのだろう。
仕事の都合で、米国カリフォルニアに
住んでいたことがある。
よく知られている通り、カリフォルニアでは、
(日本からの輸入物であったり、
米国産であったりはするが)
日本の食材はたいていのものが手に入る。
でも、食べてみるとなにか違う。
日本ほどの四季の変化がないせいか、
寒くなってきたから鍋が食べたい、とか、
暑くなってきたから冷奴が食べたい、とか、
季節にもとづく欲求が
日本にいるときに比べると希薄なのだ。
食べるものって、舌だけでなく
体全体で味わっているんだなぁ、
土地のものはその土地で、というのは
単に食材の新鮮さだけを
言っているわけではないんだなぁ、と
改めて思った記憶がある。
大自然の中、風に吹かれながらの味、
外国での日本食材の味、
そう、味は味覚だけでなく、五感で味わうものなのだ。
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はまさん こんにちは
五感で味わう。まさに同感です。
今、バンコクに暮らしていて、まさしく日本のものは何でも手に入るのですが、まず日本酒を飲みたいと思うことは、ほぼ皆無です。
日本酒党だった家内もビール党にあっさり改宗しました。(私はもともと両刀づかいだったのですが、もっぱらビール党に、しかもタイのビールがほとんどです)。
お酒が違えば、もちろん合わせる肴も違ってきて・・・。(でも、刺身は時々食べていますが)
やはり、味だけではなく、その場の空気とともに味わうというのは、その通りだと感じています。
投稿: Khaaw | 2014年10月 7日 (火) 08時35分
Khaawさん、コメントをありがとうございます。
そうですか。
バンコクには行ったことがないので、
まさに想像でのコメントになってしまいますが、
たしかに日本酒との組合せってイメージできませんね。
タイ料理、私も大好きなので東京でもときどき食べに行きますが、
やはり、シンハとか、タイガーといったビールが、
まさにぴったりという気がします。
なので、味覚だけならそこそこ東京でも楽しめるのですが、
五感という意味では、湿度を含めての空気感とか、においとか、
そういったものは本場とはきっと大きく違うのでしょうね。
いつか、現地で食べられる日を夢見て。
投稿: はま | 2014年10月 7日 (火) 22時41分