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2014年5月17日 (土)

国を代表する紙幣に描かれていた女性は?

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国を代表する紙幣に描かれていた女性は?

- デュッセルドルフ半日街歩き -

 

4月上旬のドイツ、イギリスへの出張。

イギリスについてはここに書いたので、今日はドイツ・デュッセルドルフについて書きたい。
と言っても、観光ができたのは最終日の土曜日、帰りの飛行機が出発するまでの半日のみ。
なのでゆっくりというわけにはいかなかったが、それでも異国の空気をおおいに楽しむことができた。

 

デュッセルドルフの路面電車(シュトラーセンバーン/Strassenbahn) 

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この路線ではないが、今回の出張では、ホテルから職場への通勤にもこの電車を使った。

切符は自販機で買うが、料金がゾーン制となっているので
目的地がどこのゾーンに属するかなど、
外国人というか地理に疎い人にはかなり買いにくい。

路面電車なのに、こんな緑の中を走るエリアもある。

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ケーニヒスアレー(Koenigsallee) 

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中心にはきれいな堀、両側には緑の並木道。
沿うように高級店が並ぶショッピング通りがある。

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外の飲食店はまだ開店前で準備中。人通りも多く、ショッピングのメインストリートといった感じ。

 

ケーニヒスアレー(Koenigsallee)から歩いて「作曲家・シューマンの家」に行ってみた。 

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三階の位置にあるプレートによると、ロベルト&クララ・シューマン夫妻は
1852年9月1日から1854年3月4日まで、ここに住んでいたようだ。

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たった一年半という短い期間ではあるが、
どんな思いで過ごし、どんな作品を生み出したのだろう。

ライン川までも歩いてすぐの場所。
そう言えば、シューマンの交響曲第三番は「ライン」と呼ばれている。

一方、1854年、のちに救助はされるものの
自身の身を投げて自殺を図ったのもライン川だ。


シューマンの家、中庭の様子

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シューマンの妻は、ピアニストのクララ・シューマン。

通貨がユーロになる前のドイツ・マルク時代、
流通量の多い100ドイツマルク紙幣には、クララの肖像が使われていた。
裏には(ピアノとしてはヘンな)4本ペダルのピアノの絵が描かれている。
(これは画家の単純な間違いだったらしい)

初めてドイツに出張に行った時はまだマルクの時代で、
「100マルク紙幣に描かれている女の人はピアニストなんですよ」
と現地の人に教えてもらった。

過去の日本なら聖徳太子、今なら福沢諭吉、
今の米ドルならベンジャミン・フランクリンが描かれているところに
ドイツはピアニスト、クララ・シューマンを選んでいる。

「ピアニストとピアノを国の代表的な紙幣に使うなんて、さすがドイツ」
と思った記憶がある。

そう言えば、入り口のレリーフも、
シューマンひとりではなく「ご夫妻で」のレリーフになっている。

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ところで、
「だったら今のユーロ紙幣には誰が描かれているの?」
と思った方、いい質問です。

ユーロ紙幣をご存知の方、
誰の肖像画が使われているか思い出せるだろうか。
かなりの難問だ。

実は、今のユーロ7種類の紙幣には肖像画はひとつも使われていない。

まぁ、人を選ぶとなると、
それこそ関係各国の合意を得ることがむつかしいことは想像に難くないが。
というわけで、ユーロ紙幣には肖像画なし、が正解。

では、何が描かれているのか。

「ユーロ圏内の名所旧跡を連想させるような建造物」が選ばれている。

「時代と建築様式」がデザインのモチーフとなっているわけだが、
「連想させるような」に選択の苦しさが滲み出ている。
ヨーロッパにある橋や門の普遍的な要素を合成した架空の建造物らしい。

それこそ正真正銘、歴史のある建造物が数多く残っているユーロ圏なのに
どれもそのままは使われていない。
時代ごとの特徴だけを抜いた、きれいではあるけれど、ちからのない建造物の絵。
「ほんもの」があるがゆえに「架空」はちょっとさびしい。

 

シューマンの家の並びには、「マリオネット劇場」がある。
あやつり人形の専門劇場。
入り口のサインを見るとひと目でそれとわかる。

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入口横にはあやつり人形の実物が展示してあるのだが、
思わず引き込まれてしまいそうな妖しい魅力がある。

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上演作品のポスターも貼ってある。

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飛行機の時間の都合で残念がら観ることはできなかったが、
あの人形がどんな芝居をするのか興味がある。
セリフは理解できないが、今度機会があればぜひ観てみたい。


シューマンの家やマリオネット劇場のある通り(Bilker Str.)

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上にも書いた通り、ここからライン川までは歩いてもすぐだ。

 

ライン川沿いの家並み

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ライン川を往く貨物船

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ライン川沿いを南方向に向かって歩いていった。

 

ビュルガーパーク(Buergerpark)の先に見える巨大なガラス張りの建物

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そして、メディエンハーフェン(Medienhafen)地区に到着。

フランク・ゲーリー(Frank Owen Gehry)設計のメディア・ハーバービル

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「なんじゃこりゃ」の世界。

脱構築主義と呼ばれる建築は曲線が印象的なものが多い。
図面を書く方も、施工するほうも、こりゃたいへんなことだろう。

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ライン川の港地区には、メディア・ハーバービル以外にも
前衛的な建築が集まっている。

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このあたりの港地区、まだまだ再開発の途中という感じ。

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ライン川への小型船も港の一角に繋留されている。
本流からは一切見えない位置。

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ところで、前衛的な建物の並ぶメディエンハーフェン(Medienhafen)地区から、
この繋留エリアまでを「ライン川の港地区」と言って写真を並べてきたが、
「川の港」ってどんな地形? と思っている方もいらっしゃることだろう。

参考までにグーグルの地図を添えたい。
こんな感じで本流からはうまく分離されており、
本流の船の運行を邪魔することなく、港として機能するようになっている。
赤く囲ったエリアが上の写真、小型船が繋留されているエリアだ。
(クリックすると二回りほど大きく表示されます)

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ライン河畔、旧市街のほうへ向かってゆっくりと歩く。

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土曜日の昼時、川沿いはすでにビールを囲んで賑わっている。

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「世界で一番長いバーカウンター」という異名を持つ
有名なアルトシュタット(旧市街/Altstadt)へ。

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レストランや居酒屋が狭い一角にびっしりと並んでいるが、とにかくビールがうまい。
大きなジョッキではなく、200-300ccほどの小さめのグラスで何杯も飲む。

おかわりが来るたびに使い捨ての紙のコースターに線が書き込まれる。
飲んだ杯数を示す線の数をたよりにお会計。簡単かつreasonable。

現地に住む知人お薦めの、
屋外のテーブルが気持ちいい「Uerige」という店で飲んだアルトビールの味と

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「La Copa」で食べたスペイン料理の味は、いまでも忘れられない。

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旧市街の一角にある「ドイツの詩人・ハイネの生家」

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今はモダンな書店になっている。詩集専門の書店というわけではなさそう。

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ハイネの家の斜め前にあるKFC(ケンタッキー)。
古い建物をそのまま使っており、まわりに溶け込んでいる。

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旧市街から歩いて、「ホーフガルテン(Hofgarten)」と呼ばれる公園へ。

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ちょうど新緑の季節、陽が射すと緑がほんとうに美しい。
写真も特に色を加工したわけでもないのに、緑が浮いたような色に見えてしまうほど。

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そしてこの緑の道の先に、「ゲーテ博物館」がある。

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帰り道で見かけた新聞スタンド。ゴシップ誌(?)か表紙がケバケバしい。

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では最後に、デュッセルドルフでちょっと気になったものを・・・

【ちょっと気になったもの:1】

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デュッセルドルフのウーバーン(市電地下鉄/U-Bahn)
Ronsdorfer Str.駅のエスカレータと階段とエレベータ。

うまく写真が撮れなかったので、ちょっとわかりにくいが、
右側のエレベータは箱が階段に沿うように斜め左上方向に登っていく。
つまり、エスカレータの人も、階段の人も、エレベータの人も、
ほぼ同じところから登り始めて、途中お互いの顔を見ながら移動し、ほぼ同じ所に到着する。


【ちょっと気になったもの:2】

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デュッセルドルフのお手洗い。Flush(水を流すレバー、ボタン)に大小のような記述はない。
文字表記は一切ないが、ボタンの大きさに大小がある。


【ちょっと気になったもの:3】

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デュッセルドルフのドア。
こういう加工をなんと呼ぶのか名前がわからないが、
見かけるドアというドアにこの加工が施されている。
ピッタリ閉まるという点では有効だと思うが、
作るほうはかなり面倒なことだろう。

 

以上、デュッセルドルフでのスナップでした。

 

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