「強い男」と「弱い女」
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「強い男」と「弱い女」
- 美輪明宏さんの言葉 -
オリコン1位の曲についてもう一回だけ書きたいと思っていたのだが、
その前に、またまたひとつ割り込ませたい。
ドイツとイギリスを回る出張から今日(4/13)無事に帰ってきた。
海外から帰ってくると
「身の回りにある、すべての言葉の意味がわかる」ってすごいことだなぁ、をいつも痛感する。
もちろん、日本語のことだ。
自分の語学力不足・勉強不足を棚に上げての勝手な感想ではあるけれど、
掲示物や広告の片隅に書いてあるような、文法的には中途半端な記述でも
日本語なら全部「読めてしまう」「わかってしまう」のだから、不思議と言えば不思議な気がする。
逆に「言葉」として即座に頭に入って来てしまうので、
わかりすぎて「うるさい」気がすることも多々あるのだが。
(全く意味の分からないドイツ語の広告に囲まれているときのある種の「静けさ」は、
これまた海外にいる時ならではの経験ではあるけれど)
だから、という訳ではないが、
帰国した日は、電車の中吊り広告がたいへん興味深く感じられる。
不在中「こんなことが話題になっていたンだ」と
話題遅れとネタ不足を挽回したい、という思いがベースにあるのは間違いないが、
見出しを見ながら、やはりどこかで「すごい! 全部わかる!」
を楽しんでいるところがあるような気がする。
今日、帰りの電車で目に留まったのは、
宮﨑あおいさんがいつもとは違う雰囲気で表紙を飾っている新刊雑誌CLEARのこれ。
見出しは、「強い女は、美しい。美しい男は、強い」
CLEARのホームページを見ると、
「強い女は、美しい。美しい男は、強い」というキーワードのもと、
今の時代の男女論を、新たな視点で取り上げ、「強い美しい」という価値観を提案していきます。
を、テーマにしているようだ。
まさに日本語としては理解できるが、中身のほうは何を言いたいのだかさっぱりわからない。
ただ、このコピーを見て、ひとつ思い出す言葉がある。
美輪明宏さんのこの言葉だ。
「私はこれまで、『強い男』と『弱い女』には会ったことがない」
さすが美輪さん。
今日は時差ボケで眠いので、
広告を見て思い出した、このひと言の紹介だけで失礼させていただきます。
おやすみなさい。
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「強い女は、美しい。美しい男は、強い」・・・確かに人目は引きますが、意味不明ですし、どうでもいいような気がします
しかし美輪明宏さんの「私はこれまで、『強い男』と『弱い女』には会ったことがない」ことに関しては、脳天をぶち抜かれそうな衝撃を受けます。強い男にはなれそうもないのでしょうが、情けない男にはならないように頑張らねば
投稿: omoromachi | 2014年4月14日 (月) 00時55分
omoromachiさん、コメントをありがとうございます。
美輪さんの言葉はほんとうに鋭いと思います。
聞いた途端、「そんなことはないよ・・・」と反例をあげて反論しかかった人も、
なぜか途中で急にモゴモゴになってしまう。
『強い男』と思っていた男の弱い面、
『弱い女』と思っていた女の強い面、
そういうことに気づかせてくれる、まさに強い言葉だと思います。
投稿: はま | 2014年4月15日 (火) 22時56分