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2014年4月

2014年4月26日 (土)

オリコンチャート1位 381曲目から500曲目、そして1000曲目まで

(全体の目次はこちら


オリコンチャート1位 381曲目から500曲目、そして1000曲目まで

- 道は変わっても -

 

「オリコンチャート1位ヒットソング集500」を見ながら、
「歌謡曲」が元気だった頃を振り返ってみる第四回目。

 

「1曲目から140曲目まで」 「141曲目から250曲目まで」 「251曲目から380曲目まで」に引き続き、
今回は381曲目から。

一覧表は前回と同じ形式で500曲目まで。
Dateは1位登場日付、Weeksは1位滞在週数、万枚は100位以内滞在期間中の売上枚数を示している。

これまでの表と同様、
「作詞が松本隆さんの曲」は紫字、「作詞が秋元康さんの曲」は緑字にしてみたが、
ご覧の通りこの表においてはおふたり分を合わせても3曲しかない。

 

オリコンチャート1位 曲一覧 381曲目から500曲目まで

曲名 歌手 Date Weeks 万枚
381 さよならベイビー サザンオールスターズ 19890619 1 24.4
382 まいったネ今夜 少年隊 19890703 1 19.9
383 世界でいちばん熱い夏 プリンセス・プリンセス 19890710 1 86.5
384 淋しい熱帯魚 Wink 19890717 2 56.4
385 太陽がいっぱい 光GENJI 19890731 5 69.3
386 SUMMER GAME 氷室京介 19890807 1 31
387 ROCKIN' MY SOUL/CROSS TO YOU 男闘呼組 19890814 1 23
388 黄砂に吹かれて 工藤静香 19890918 6 58.6
389 虹をみたかい 渡辺美里 19891030 1 21.8
390 RUNNING TO HORIZON 小室哲哉 19891106 1 18.9
391 One Night In Heaven Wink 19891113 2 42.3
392 GRAVITY OF LOVE 小室哲哉 19891127 1 11.3
393 白いクリスマス JUN SKY WALKER(S) 19891204 1 29.6
394 フィルムの向こう側 南野陽子 19891211 1 12.3
395 しょっぱい三日月の夜 長渕剛 19891218 1 34.4
396 クリスマス・イブ 山下達郎 19891225 4 49.4
397 くちびるから媚薬 工藤静香 19900122 2 48.9
398 Midnight Taxi 中山美穂 19900129 1 18.1
399 黒の華 BUCK-TICK 19900205 1 22.1
400 荒野のメガロポリス 光GENJI 19900219 1 26.4
401 NO TITLIST 宮沢りえ 19900226 1 25.7
402 今すぐKiss Me LINDBERG 19900305 3 61
403 見逃してくれよ! 小泉今日子 19900312 1 26
404 1990 COMPLEX 19900326 1 19.7
405 Sexy Music Wink 19900409 2 32.9
406 浪漫飛行 米米CLUB 19900423 1 66.5
407 OH YEAH! プリンセス・プリンセス 19900430 2 57.5
408 さよなら人類 たま 19900514 2 58.9
409 千流の雫 工藤静香 19900521 1 29.5
410 JEALOUSYを眠らせて 氷室京介 19900528 2 45.4
411 PURE GOLD 矢沢永吉 19900604 1 18
412 太陽のkomachi Angel B'z 19900625 1 38.2
413 にちようび JITTERIN'JINN 19900702 1 31.9
414 おどるポンポコリン B.B.クィーンズ 19900709 7 164.4
415 THE POINT OF LOVERS' NIGHT TM NETWORK 19900716 1 32.7
416 Dear Friend 中森明菜 19900730 2 54.8
417 情熱の薔薇 THE BLUE HEARTS 19900806 1 51.1
418 COCORO 光GENJI 19900827 1 20.6
419 私について 工藤静香 19901001 1 26.5
420 TIME TO COUNT DOWN TMN 19901008 1 26.4
421 EASY COME EASY GO! B'z 19901015 3 38.7
422 "愛しい人よ" Good Night ・・・ B'z 19901105 1 27.3
423 笑ってよ 光GENJI 19901112 1 19.2
424 水に挿した花 中森明菜 19901119 1 34
425 サイレント・イヴ 辛島美登里 19901126 3 80
426 ジュリアン プリンセス・プリンセス 19901203 1 58.8
427 愛は勝つ KAN 19901224 8 201.2
428 Oh! Yeah! / ラブ・ストーリーは突然に 小田和正 19910218 7 258.8
429 LADY NAVIGATION B'z 19910408 3 108.7
430 Wednesday Moon 徳永英明 19910422 1 22.6
431 Eyes to me / 彼は友達 ドリームズ・カム・トゥルー 19910506 2 74.1
432 KISS プリンセス・プリンセス 19910520 1 40.1
433 Please 工藤静香 19910527 1 19.1
434 LOVE Train / We love the EARTH TMN 19910603 1 53.3
435 あなたに会えてよかった 小泉今日子 19910610 5 105.4
436 BEAT EMOTION 布袋寅泰 19910708 1 25
437 ネオ・ブラボー!! サザンオールスターズ 19910722 1 41.3
438 どんなときも。 槇原敬之 19910729 1 167
439 Say Yes CHAGE&ASKA 19910805 13 282.2
440 しゃぼん玉 長渕剛 19911104 1 110.8
441 ALONE B'z 19911111 2 104.3
442 WILD HEAVEN TMN 19911125 1 39.9
443 僕はこの瞳で嘘をつく CHAGE&ASKA 19911202 1 81.1
444 PIECE OF MY WISH 今井美樹 19911209 3 125.4
445 それが大事 大事MANブラザーズバンド 19911230 5 160.3
446 ガラガラヘビがやってくる とんねるず 19920203 2 140.9
447 悲しみは雪のように 浜田省吾 19920210 10 170.3
448 LOVE SONG CHAGE&ASKA 19920427 1 49.9
449 恋をしようよYeah!Yeah! LINDBERG 19920504 1 39.6
450 いつまでも変わらぬ愛を 織田哲郎 19920511 1 92.9
451 君がいるだけで/愛してる 米米CLUB 19920518 6 289.5
452 BLOWIN' / TIME B'z 19920608 2 168
453 if CHAGE&ASKA 19920713 2 108.3
454 涙のキッス サザンオールスターズ 19920727 7 153.5
455 一番偉い人へ とんねるず 19920914 2 60.6
456 決戦は金曜日/太陽が見てる ドリームズ・カム・トゥルー 19920928 3 107
457 ZERO B'z 19921019 2 122.4
458 晴れたらいいね ドリームズ・カム・トゥルー 19921102 1 68.5
459 巡恋歌 長渕剛 19921109 1 67.5
460 クリスマスキャロルの頃には 稲垣潤一 19921116 4 140.6
461 愛のWAVE カールスモーキー石井・松任谷由実 19921123 1 46.6
462 KISS ME 氷室京介 19921221 1 123.1
463 世界中の誰よりきっと 中山美穂&WANDS 19921228 4 183.3
464 もっと強く抱きしめたなら WANDS 19930125 2 166.3
465 がじゃいも とんねるず 19930208 1 73.4
466 慟哭 工藤静香 19930215 1 93.9
467 おさえきれないこの気持ち T-BOLAN 19930222 1 82.6
468 負けないで ZARD 19930301 1 164.5
469 時の扉 WANDS 19930308 1 144.3
470 YAH YAH YAH / 夢の番人 CHAGE&ASKA 19930315 2 241.9
471 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない B'z 19930329 4 193.2
472 愛を語るより口づけをかわそう WANDS 19930426 4 112.1
473 夏を待ちきれなくて チューブ 19930524 1 79.7
474 揺れる想い ZARD 19930531 2 139.6
475 裸足の女神 B'z 19930614 2 165.3
476 刹那さを消せやしない T-BOLAN 19930628 2 73.2
477 だって夏じゃない チューブ 19930712 1 61.9
478 恋せよ乙女 WANDS 19930719 2 81.9
479 エロティカ・セブン サザンオールスターズ 19930802 2 172.7
480 真夏の夜の夢 松任谷由実 19930809 2 143.2
481 sons and daughters CHAGE&ASKA 19930830 2 79.9
482 No.1 槇原敬之 19930913 1 68
483 go for it! ドリームズ・カム・トゥルー 19930920 2 105.2
484 RUN 長渕剛 19931004 1 99
485 一途な恋 TMN 19931011 1 30.6
486 真夜中のダンディー 桑田佳祐 19931018 1 71.1
487 風に吹かれて 森高千里 19931025 1 38.1
488 だってそうじゃない!? LINDBERG 19931101 2 46.9
489 きっと忘れない ZARD 19931115 1 87.2
490 TRUE LOVE 藤井フミヤ 19931122 5 202
491 ロマンスの神様 広瀬香美 19931227 5 174.9
492 WINTER SONG ドリームズ・カム・トゥルー 19940124 1 98.7
493 OH MY LITTLE GIRL 尾崎豊 19940207 1 107.8
494 この愛に泳ぎ疲れても ZARD 19940214 1 88.7
495 Don't Leave Me B'z 19940221 3 144.4
496 ただ泣きたくなるの 中山美穂 19940314 1 103.2
497 Hey Hey おおきに毎度あり SMAP 19940321 1 39.7
498 GAMBAらなくちゃね LINDBERG 19940328 1 30.3
499 IT'S ONLY LOVE 福山雅治 19940404 4 88.4
500 Nights of The Knife TMN 19940502 1 34.8

 

各曲が1位滞在期間中のトピックスを少し見てみよう。

「世界でいちばん熱い夏」 1989年7月 カルピスの登録商標「黒人」マークが65年目で廃止。
「SUMMER GAME」 1989年8月10日 別件逮捕の宮崎勤が野本綾子ちゃん殺害を自供。
「虹をみたかい」 1989年10月30日 17歳貴花田が史上最年少関取に。
「RUNNING TO HORIZON」 1989年11月10日 1961年に作られた"ベルリンの壁"取り壊し作業開始。
「浪漫飛行」 1990年4月29日 近鉄の新人・野茂が17奪三振のプロ野球タイ記録。
「LOVE Train / We love the EARTH」 1991年6月6日 オートマチック車専用の限定免許新設が決定。
「Say Yes」 1991年10月13日 ヤクルト投手陣が首位打者狙う中日・落合に6四球。
「ALONE」 1991年11月13日 宮沢りえ写真集「Santa Fe」発売で話題騒然。
「涙のキッス」 1992年9月12日 全国47000校で学校週五日制スタート。
「エロティカ・セブン」 1993年8月6日 細川・日本新党代表が第79代首相に指名される。

 

歌番組衰退後、音楽シーンを制したのはタイアップ作品だった。
特に猛威をふるったのが、TVドラマ関連。
人気番組がヒット曲を生むパターンがすっかり定着した。

との説明とともに、こんなページもある。

Oricon500b_5

 

今回の区分の特徴は、100万枚以上のメガヒットが続出していること。(枚数欄赤字)
オリジナル・カラオケがついたことと、ドラマとのタイアップが、セールスを後押ししていたようだ。
ネットによる音楽配信もiPodもなく、CDがCDとして売れていた時代だった。

 

以上、四回に分けて500曲目までを見てきた。
ここまで見ても、まだ、浜崎あゆみもKinKi Kidsも登場していない。

冒頭に書いた通り今回の参考図書は、1位の曲、500曲を記念に1994年に発行されたものだが、
上巻のORICON No.1 REVIEWにはこんな記述がある。

単純計算で行くと1000曲目の1位曲が出るのは2021年ということになる。

パッケージ問題を含め、世の中をリードするのが一体どんな曲なのか。
オリコンは時代と共に見守っていきたいと思う。

 

ところがところが、ここで2021年と予測された1000曲目は、
予想よりも14年も早く登場することになる。

オリコン1位 1000曲目は2007年2月26日付 「道(完全限定生産盤)」 歌手は EXILE

ヒット曲の短命化はますます進んでしまったようだ。

 

以下緑色部は1000曲目が決まった時のオリコンのHPの記述から。

“ロングヒット”が中心の時代から変わりつつある現代

 まずは1000曲の内訳を1年毎に弾き出してみた。

1年間で最も1位の入れ替えが少なかった年は1970年度の8曲。
皆川おさむ「黒ネコのタンゴ」に始まり、渚ゆう子「京都の恋」で締めくくられるまで、
1週だけの1位曲が1曲もないという“ロングヒット”が中心の時代だった。

これに次ぐのが1976年度、1980年度の9曲。

10曲未満はこの3年だが、
1976年にはあの「およげ!たいやきくん」が史上初の“初登場1位”を記録し、
1980年には「スニーカーぶる~す」で近藤真彦が
史上初の“デビュー作初登場1位”を記録するという興味深い符合も生まれている。

一方、最もめまぐるしく1位が変わったのは2006年度の49曲。次いで1987年度の47曲。
いずれも群雄割拠という表現がピッタリの状況だが、この両年に共通するのは“アイドル勢の活躍”。

2006年度はジャニーズアーティストの勢いが凄まじかったが、
1987年度のシングルシーンを引っ張ったのは女性アーティスト。
前年に社会現象化したおニャン子クラブを核としたヒットへのポテンシャルは強力だった。

 次に最も多く1位を獲得したアーティストを取り上げてみる。
これは38曲のB'zがトップ
1990年に発表した「太陽のKomachi Angel」から17年にわたって築き上げてきたJ-POP不滅の金字塔。
唯一の30作品オーバーは圧巻の一言だ。

次いで、女性アーティストで最も1位を獲得しているのは浜崎あゆみ。
1990年代末にシーンに登場した歌姫はこの分野の記録を次々と塗り替え、
今なおトップに君臨し続けている。

以下、男性部門2位のMr.Children、女性部門2位の松田聖子、
KinKi Kids、
さらに中森明菜、GLAYとビッグネームが続く。
いずれもが20曲以上をNo.1に送り込んだ凄腕。

さらっと20曲なんていうけれど、1000曲のうちの20曲――
すなわち、39年にわたるオリコンの歴史の50分の1以上を“占有”していた、
とんでもないアーティストたちなのである。

 

オリコン1位の価値も意味も、時代とともに大きく変わった。
ダウンロードが増え、いまや「枚数」も意味がなくなりつつある。
ヒット曲は、音楽は、今後どうなっていくのであろうか。

ソロ活動35周年記念のベスト盤を「2012年」に出したとき、
山下達郎さんは次のように言っていた。(2012年10月6日朝日新聞の記事から)

音楽配信によってパッケージのCDが殲滅(せんめつ)されていくことは
時代の趨勢(すうせい)で、止めようがない。

今回のアルバムを出した最大の理由は、CDがまだ健全な流通に乗っている間に
ベスト盤を出しておきたかったから。
CD時代の終わりに際しての、まとめです。

そして同時に、これからの音楽についてこうコメントしている。

音楽がなくなるわけじゃない。
音楽を届け、利益を生むための方策が変わるだけ。

音楽を人に伝えたいと思うパッションがあるなら、道は必ずある。

 

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2014年4月20日 (日)

ポトマック河畔の桜

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ポトマック河畔の桜

- 「送った人」と「受け入れた人」 -

 

(オリコン1位の曲の話は、再再度延期)

出張中の新聞を流し読みしていたら、
4月15日の朝日新聞夕刊に「米ワシントンのポトマック河畔で桜が満開」の記事があった。

A140415er_

記事には

 「この桜並木は1912年、当時の尾崎行雄・東京市長が苗木3千本を贈ったもので、
  ワシントンの春の風物詩になっている」

との一文がある。

 

この桜について、以前、甲南大学の田中修先生がラジオで話をしていたことがある。
(2013年6月2日放送、NHKラジオの録音の一部)
今日はそれを紹介したい。

まずは「さくらの日」の話から。

「さくらの日」はいつですか、お考え下さい。

「さくら咲く」って考えていただくと「3月39日」が桜の日になります。
でも3月39日っていうのはありませんので、日本さくらの会が一捻りしまして、
「さんく27」として、3月27日を「さくらの日」と定めています。

で、この桜がワシントンDCのポトマック河畔に送られて
ちょうど昨年百周年を迎えました。

送られた最初の苗木が植樹されたのが、
偶然かどうかわかりませんが3月27日と言われています。

送った人は有名で、東京市長・尾崎行雄 氏が送られたんです。

で、その時、非常に慎重に桜の接木苗、いうのが作られました。
台木が伊丹市、で育てられたもの、
そしてその上に接ぎ木されたのが東京荒川の五色桜、 
そして、その接ぎ木は静岡県の園芸試験場で行われました。

ていうのはこの送る数年前に、桜がやっぱり送られたんですが、
病気だらけで港でたちまち焼却処分にあったという経過があるんで、
このとき非常に慎重に進められた、ということです。

で、その中にはソメイヨシノも1800本含まれていた、と言われています。

「さくらの日」も「焼却処分の話」もぜんぜん知らなかった。

 

そしてこの話に繋がっていく。

こういうたくさんの桜を送る、ということはいいんですが、
向うに、受け入れに努力しれくれる人がいないと、これはとっても送れません

送った人は有名なんですが、尾崎市長、
受け入れに尽力してくれた人の名前は、ほとんど知られていません。

アメリカに桜を植えよう、という運動をして下さったのは、
高峰譲吉という化学者です。

この人はタカジアスターゼという消化薬の製造に成功して
三共胃腸薬の初代社長さん、なんです。

ほかの業績はアドレナリンというのを牛から抽出して、止血剤として用いられたので、
手術が非常にしやすくなった、と言われています。

この業績は世界で初めてのホルモン抽出であったとされています。

高校生物の教科書の裏なんかには、
「世界の生物学の発展に貢献した人」というリストがズラ~っと並んでいます。
日本人、たいへん少ないんですが、
この中にちゃんと「アドレナリンの抽出に成功・高峰譲吉」という
この方の名前は残されています。

 

言うまでもないことだが、贈り物は「送った人」と「受け取った人」の組で初めて成立する。
「送った人」にばかり光が当たることが多いが、特に大きな贈り物の場合、
最終的な成功は、むしろ「受け取った人」の努力と工夫に支えられていることが多い。

「送った」の話を聞いたら、「受け入れはどうなっていたのだろう」とちょっと考えてみるだけで、
世界はぐっと広くなる。

ちなみに、この高峰譲吉さんは、
最近 目にすることが多い「理研(理化学研究所)」の設立者のひとりでもある。

 

 

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2014年4月13日 (日)

「強い男」と「弱い女」

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「強い男」と「弱い女」

- 美輪明宏さんの言葉 -

 

 

 

オリコン1位の曲についてもう一回だけ書きたいと思っていたのだが、
その前に、またまたひとつ割り込ませたい。

 

ドイツとイギリスを回る出張から今日(4/13)無事に帰ってきた。

海外から帰ってくると
「身の回りにある、すべての言葉の意味がわかる」ってすごいことだなぁ、をいつも痛感する。
もちろん、日本語のことだ。

自分の語学力不足・勉強不足を棚に上げての勝手な感想ではあるけれど、
掲示物や広告の片隅に書いてあるような、文法的には中途半端な記述でも
日本語なら全部「読めてしまう」「わかってしまう」のだから、不思議と言えば不思議な気がする。

逆に「言葉」として即座に頭に入って来てしまうので、
わかりすぎて「うるさい」気がすることも多々あるのだが。

(全く意味の分からないドイツ語の広告に囲まれているときのある種の「静けさ」は、
 これまた海外にいる時ならではの経験ではあるけれど)

 

 

 

だから、という訳ではないが、
帰国した日は、電車の中吊り広告がたいへん興味深く感じられる。

不在中「こんなことが話題になっていたンだ」と
話題遅れとネタ不足を挽回したい、という思いがベースにあるのは間違いないが、
見出しを見ながら、やはりどこかで「すごい! 全部わかる!」
を楽しんでいるところがあるような気がする。

今日、帰りの電車で目に留まったのは、
宮﨑あおいさんがいつもとは違う雰囲気で表紙を飾っている新刊雑誌CLEARのこれ。 

 

Clear1404

 

見出しは、「強い女は、美しい。美しい男は、強い

CLEARのホームページを見ると、

   「強い女は、美しい。美しい男は、強い」というキーワードのもと、

   今の時代の男女論を、新たな視点で取り上げ、「強い美しい」という価値観を提案していきます。

を、テーマにしているようだ。

 

まさに日本語としては理解できるが、中身のほうは何を言いたいのだかさっぱりわからない。

ただ、このコピーを見て、ひとつ思い出す言葉がある。

 

美輪明宏さんのこの言葉だ。

   「私はこれまで、『強い男』と『弱い女』には会ったことがない

さすが美輪さん。

 

今日は時差ボケで眠いので、
広告を見て思い出した、このひと言の紹介だけで失礼させていただきます。

 

おやすみなさい。

 

 

 

 

 

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2014年4月 5日 (土)

オリコンチャート1位 251曲目から380曲目まで

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オリコンチャート1位 251曲目から380曲目まで

- 「放課後のアイドル」からシングルCDの時代へ -

 

「オリコンチャート1位ヒットソング集500」を見ながら、
J-POPと呼ばれる前の、「歌謡曲」が元気だった頃を振り返ってみる第三回目。

 

「1曲目から140曲目まで」「141曲目から250曲目まで」に引き続き、
今回は下巻にリストされている251曲目から。

一覧表は前回と同じ形式。
Dateは1位登場日付、Weeksは1位滞在週数、万枚は100位以内滞在期間中の売上枚数を示している。

緑字の密度に注目してご覧あれ。(紫字は前回と同様「作詞が松本隆さんの曲」)

 

オリコンチャート1位 曲一覧 251曲目から380曲目まで

曲名 歌手 Date Weeks 万枚
251 バナナの涙 うしろゆびさされ組 19860203 1 31
252 くちびるNetwork 岡田有希子 19860210 1 23.1
253 DESIRE 中森明菜 19860217 1 51.6
254 Broken Sunset 菊池桃子 19860224 1 21.9
255 じゃあね おニャン子クラブ 19860303 1 23.1
256 季節はずれの恋 吉沢秋絵 19860310 2 28
257 My Revolution 渡辺美里 19860324 1 44.5
258 青いスタスィオン 河合その子 19860331 2 34.1
259 私は里歌ちゃん ニャンギラス 19860414 1 17.7
260 恋のロープをほどかないで 新田恵利 19860421 2 28.4
261 おっとCHIKAN! おニャン子クラブ 19860505 1 20.6
262 象さんのすきゃんてぃ うしろゆびさされ組 19860512 1 23.1
263 夏を待てない 国生さゆり 19860519 1 25.4
264 夏色片想い 菊池桃子 19860526 1 24.7
265 風のInvitation 福永恵規 19860602 1 17.6
266 ジプシー・クイーン 中森明菜 19860609 1 35.8
267 Song for U.S.A. チェッカーズ 19860616 1 32.6
268 あじさい橋 城之内早苗 19860623 1 15.5
269 自分でゆーのもなんですけど ニャンギラス 19860630 1 10
270 シンデレラたちへの伝言 高井麻巳子 19860707 1 20.9
271 再会のラビリンス 河合その子 19860714 1 16.8
272 ダイヤモンド・アイズ 少年隊 19860721 1 14.5
273 瞳に約束 渡辺美奈代 19860728 1 20.2
274 お先に失礼 おニャン子クラブ 19860804 1 16
275 不思議な手品のように 新田恵利 19860811 1 19.4
276 スキップ・ビート Kuwata Band 19860818 1 35.5
277 ノーブル・レッドの瞬間 国生さゆり 19860825 1 18.3
278 青空のかけら 斉藤由貴 19860901 1 16.6
279 渚の「・・・・・」 うしろゆびさされ組 19860908 1 23.2
280 Say Yes! 菊池桃子 19860915 1 20.8
281 鏡の中の私 吉沢秋絵 19860922 1 12.1
282 メロディ 高井麻巳子 19860929 1 16.3
283 Fin 中森明菜 19861005 1 31.8
284 CHA-CHA-CHA 石井明美 19861013 1 58.1
285 深呼吸して 渡辺満里奈 19861020 1 17.1
286 雪の帰り道 渡辺美奈代 19861027 1 16.6
287 悲しい夜を止めて 河合その子 19861103 1 12.8
288 恋はくえすちょん おニャン子クラブ 19861110 1 12.3
289 ONE DAY Kuwata Band 19861117 1 19.8
290 内緒で浪漫映画 新田恵利 19861124 1 11.5
291 技ありっ! うしろゆびさされ組 19861201 1 15.1
292 バラードのように眠れ 少年隊 19861208 1 23.1
293 あの夏のバイク 国生さゆり 19861215 1 10.9
294 ないものねだりのI Want You C-C-B 19861222 1 13.6
295 約束 高井麻巳子 19861229 1 15.1
296 ホワイトラビットからのメッセージ 渡辺満里奈 19870105 2 17.4
297 楽園のDoor 南野陽子 19870119 1 26.1
298 TOO ADULT 渡辺美奈代 19870126 1 15.1
299 NO MORE 恋愛ごっこ おニャン子クラブ 19870202 1 11.8
300 雪國 吉幾三 19870209 1 36.1
301 TANGO NOIR 中森明菜 19870216 2 34.8
302 かしこ うしろゆびさされ組 19870302 1 12.3
303 水のルージュ 小泉今日子 19870309 1 18.7
304 Stripe blue 少年隊 19870316 1 25.2
305 サファイアの瞳 アルフィー 19870323 1 18.7
306 かげろう 高井麻巳子 19870330 1 10.7
307 アイドルを探せ 菊池桃子 19870406 1 16.2
308 話しかけたかった 南野陽子 19870413 1 23.4
309 マリーナの夏 渡辺満里奈 19870420 1 11.4
310 PINKのCHAO 渡辺美奈代 19870427 1 12.7
311 Strawberry Time 松田聖子 19870504 3 31.7
312 時の河を越えて うしろ髪ひかれ隊 19870518 1 11.4
313 かたつむりサンバ おニャン子クラブ 19870601 1 7.2
314 水の中のAnswer 杉山清貴 19870608 1 15.9
315 Blonde 中森明菜 19870615 2 30.1
316 さよならの果実たち 荻野目洋子 19870629 1 16.1
317 君だけに 少年隊 19870706 1 28.8
318 パンドラの恋人 南野陽子 19870713 1 19.9
319 WANDERER チェッカーズ 19870720 1 20.5
320 夏休みだけのサイドシート 渡辺満里奈 19870727 1 8.3
321 マリオネット BOOWY 19870803 2 24.4
322 アマリリス 渡辺美奈代 19870810 1 11.4
323 北の旅人 石原裕次郎 19870824 1 21.9
324 STAR LIGHT 光GENJI 19870831 1 48.9
325 Shade (12インチ) 杉山清貴 19870907 1 14.3
326 禁断のテレパシー 工藤静香 19870914 1 14.6
327 虹のDreamer 浅香唯 19870921 1 10.9
328 泣いてみりゃいいじゃん 近藤真彦 19870928 1 14.6
329 秋のIndication 南野陽子 19871005 1 18.9
330 難破船 中森明菜 19871012 1 41.3
331 CATCH ME 中山美穂 19871019 1 21.8
332 Remember 風間三姉妹 19871026 1 15.3
333 キスを止めないで 小泉今日子 19871102 1 12.6
334 MY TRUTH アルフィー 19871109 1 11.2
335 Pearl-White Eve 松田聖子 19871106 1 20.2
336 ABC 少年隊 19871122 1 25.4
337 SHOW ME 森川由加里 19871130 1 42.7
338 ガラスの十代 光GENJI 19871207 6 68.1
339 はいからさんが通る 南野陽子 19871214 1 27
340 風のLONELY WAY 杉山清貴 19880125 1 18.7
341 ストレンジャーtonight 荻野目洋子 19880201 1 14.3
342 AL-MAUJ 中森明菜 19880208 2 29.7
343 乾杯 長渕剛 19880222 1 77.4
344 You're My Only SHININ'STAR 中山美穂 19880229 1 29.3
345 吐息でネット 南野陽子 19880307 2 30.4
346 パラダイス銀河 光GENJI 19880321 5 88.9
347 Marrakech 松田聖子 19880425 1 18.2
348 C-Girl 浅香唯 19880502 3 27.8
349 スターダスト・ドリーム 荻野目洋子 19880509 1 13.6
350 TATTOO 中森明菜 19880530 2 29.7
351 FU-JI-TSU 工藤静香 19880613 2 25.3
352 あなたを愛したい 南野陽子 19880627 1 25.5
353 Diamondハリケーン 光GENJI 19880704 2 68.1
354 What's your name? 少年隊 19880718 1 22.2
355 人魚姫 中山美穂 19880725 1 36.5
356 ANGEL 氷室京介 19880801 4 37.5
357 セシル 浅香唯 19880829 1 22.9
358 DAYBREAK 男闘呼組 19880905 3 69.3
359 旅立ちはフリージア 松田聖子 19880919 1 20.9
360 MUGO・ん・・・色っぽい 工藤静香 19881003 2 54.1
361 秋からも、そばにいて 南野陽子 19881017 1 27.1
362 剣の舞 光GENJI 19881024 2 60.8
363 とんぼ 長渕剛 19881107 7 103.5
364 じれったいね 少年隊 19881121 1 18.4
365 Witches 中山美穂 19881128 1 31.4
366 男闘呼組 19890109 2 42.5
367 恋一夜 工藤静香 19890123 2 60.7
368 TRUE LOVE 浅香唯 19890206 1 17.4
369 愛が止まらない Wink 19890213 1 64.5
370 激愛 長渕剛 19890220 2 44.2
371 ROSECOLOR 中山美穂 19890306 1 27.7
372 TIME ZONE 男闘呼組 19890313 1 35.4
373 地球をさがして 光GENJI 19890320 1 47.2
374 涙をみせないで Wink 19890327 3 52.3
375 BE MY BABY COMPLEX 19890417 2 20.9
376 ごめんよ涙 田原俊彦 19890501 1 30.4
377 LIAR 中森明菜 19890508 1 27.5
378 風の素顔 工藤静香 19890515 3 52.4
379 Return to Myself 浜田麻里 19890605 1 40.7
380 Diamonds プリンセス・プリンセス 19890612 2 109.7

 

緑字の共通点は? のクイズを出したままであるが、
それにしてもここまでの出現頻度になるとは。

前回の表「141曲目から250曲目まで」の後半

菊池桃子 「卒業」「BOYのテーマ」
小泉今日子 「なんてったってアイドル」
新田恵利 「冬のオペラグラス」

などから登場し始めた緑字は、
今回の表の前半において、ここまで1位を独占してしまうようになる。

クイズの正解は、そう、「作詞が秋元康さんの曲」だ。

「放課後のアイドル」を基本コンセプトにした「おニャン子クラブ」とそのメンバによるヒット曲の数々。
下巻の「じゃぁね」の解説にはこんな記述がある。

フジテレビ土曜深夜の"オールナイトフジ"からは、
とんねるずや女子大生アイドル・おかわりシスターズがブレイクしました。

その若年化を図り、"オールナイトフジ女子高生スペシャル"を経て、
夕方5時からのオビ番組として始まったのが"夕やけニャンニャン"だ。(1985年4月スタート)

その番組から生まれたのが、このおニャン子クラブ

「じゃぁね」は、彼女達のサードシングル。

おニャン子関連の1位シングルが86年には30曲もある。

 

各曲が1位滞在期間中のトピックスの中から、いくつかピックアップしてみたい。

「恋のロープをほどかないで」 1986年4月28日 ソ連・チェルノブイリ原子力発電所で大規模事故。
「あじさい橋」 1986年6月29日 マラドーナ擁するアルゼンチンがW杯優勝
「ダイヤモンド・アイズ」 1986年7月23日 北尾改め双羽黒が22歳で60人目の横綱に。
「瞳に約束」 1986年7月30日 東北自動車道の全線674.7kmが開通
「悲しい夜を止めて」 1986年11月9日 劇団四季のミュージカル「キャッツ」通算千回の上演。
「ないものねだりのI Want You」 1986年12月26日 パ連続三冠王・落合が中日と契約。年俸1億円突破。
「約束」 1987年1月2日 紅白歌合戦の視聴率が関東で初めて60%を割る。
「TOO ADULT」 1987年2月1日 「愛国」「幸福」駅で知られる北海道・国鉄広尾線が廃止。
「雪國」 1987年2月9日 NTT株が上場。買い注文殺到で初値つかず。
「かげろう」 1987年4月1日 国鉄分割・民営化。11新法人と国鉄清算事業団に。
「Strawberry Time」 1987年5月13日 JR東日本が首都圏電車の愛称をE電に決定。
「Shade (12インチ)」 1987年9月12日 後楽園球場でマイケル・ジャクソン、ソロ初公演。
「吐息でネット」 1988年3月17日 日本初の室内球場、東京ドームが落成式。
「Return to Myself」 1989年6月6日 中国戒厳部隊の武力制圧が拡大、北京大混乱。

 

ひとつのジャンルにかたよった音楽シーンは、一般ユーザの興味をそいでしまう面があったのだろう。
テレビのベストテン番組も人気を落としていった。
そして、次の時代へと動いていく。

「短命のアイドル曲が勢いを失っていくなか、
 TV-CMから誕生する新しいメディア・スターがつくられていくようになった」
と紹介されているページにはこんなジャケットの写真が並んでいる。

Oricon500b_4

 

そう言えば、上巻にはこんな記述がある。

首位曲の短命化と共に、この時間に顕著になってきたのがセールス枚数の低下だった。

・・・・・

セールス枚数の低下から業界内にはシングルの存在を危ぶむ声も聞かれたが、
9回裏絶体絶命のピンチを救ったのは、当時登場したシングルCDだった。

・・・・・

CDになったことでもう一つ思いがけない展開が見え始めた。
アナログ・シングルの2倍近い収録が可能になったため、
オリジナル・カラオケを収録する余裕が生まれてきたのだ。

カラオケが入ったことでシングル購入層が広がった。
カラオケ・ボックスの全国普及により、カラオケは世代を超えて予想外の広がりを見せ始めた。
特に若者への広がりは急速だった。

聞くためにでなく歌うためにシングルを購入する。
それはアーティストのファンだけなく、曲を気に入った人間をも取り込める可能性を意味する。
その後のメガヒット時代への芽はこの時に見え始めたのだ。

一時期は、まさにシングル業界を救った「8cm CDシングル」、
いまやこれさえもほとんど目にすることはなくなってしまった。

 

(全体の目次はこちら

 

 

 

 

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