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2014年4月26日 (土)

オリコンチャート1位 381曲目から500曲目、そして1000曲目まで

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オリコンチャート1位 381曲目から500曲目、そして1000曲目まで

- 道は変わっても -

 

「オリコンチャート1位ヒットソング集500」を見ながら、
「歌謡曲」が元気だった頃を振り返ってみる第四回目。

 

「1曲目から140曲目まで」 「141曲目から250曲目まで」 「251曲目から380曲目まで」に引き続き、
今回は381曲目から。

一覧表は前回と同じ形式で500曲目まで。
Dateは1位登場日付、Weeksは1位滞在週数、万枚は100位以内滞在期間中の売上枚数を示している。

これまでの表と同様、
「作詞が松本隆さんの曲」は紫字、「作詞が秋元康さんの曲」は緑字にしてみたが、
ご覧の通りこの表においてはおふたり分を合わせても3曲しかない。

 

オリコンチャート1位 曲一覧 381曲目から500曲目まで

曲名 歌手 Date Weeks 万枚
381 さよならベイビー サザンオールスターズ 19890619 1 24.4
382 まいったネ今夜 少年隊 19890703 1 19.9
383 世界でいちばん熱い夏 プリンセス・プリンセス 19890710 1 86.5
384 淋しい熱帯魚 Wink 19890717 2 56.4
385 太陽がいっぱい 光GENJI 19890731 5 69.3
386 SUMMER GAME 氷室京介 19890807 1 31
387 ROCKIN' MY SOUL/CROSS TO YOU 男闘呼組 19890814 1 23
388 黄砂に吹かれて 工藤静香 19890918 6 58.6
389 虹をみたかい 渡辺美里 19891030 1 21.8
390 RUNNING TO HORIZON 小室哲哉 19891106 1 18.9
391 One Night In Heaven Wink 19891113 2 42.3
392 GRAVITY OF LOVE 小室哲哉 19891127 1 11.3
393 白いクリスマス JUN SKY WALKER(S) 19891204 1 29.6
394 フィルムの向こう側 南野陽子 19891211 1 12.3
395 しょっぱい三日月の夜 長渕剛 19891218 1 34.4
396 クリスマス・イブ 山下達郎 19891225 4 49.4
397 くちびるから媚薬 工藤静香 19900122 2 48.9
398 Midnight Taxi 中山美穂 19900129 1 18.1
399 黒の華 BUCK-TICK 19900205 1 22.1
400 荒野のメガロポリス 光GENJI 19900219 1 26.4
401 NO TITLIST 宮沢りえ 19900226 1 25.7
402 今すぐKiss Me LINDBERG 19900305 3 61
403 見逃してくれよ! 小泉今日子 19900312 1 26
404 1990 COMPLEX 19900326 1 19.7
405 Sexy Music Wink 19900409 2 32.9
406 浪漫飛行 米米CLUB 19900423 1 66.5
407 OH YEAH! プリンセス・プリンセス 19900430 2 57.5
408 さよなら人類 たま 19900514 2 58.9
409 千流の雫 工藤静香 19900521 1 29.5
410 JEALOUSYを眠らせて 氷室京介 19900528 2 45.4
411 PURE GOLD 矢沢永吉 19900604 1 18
412 太陽のkomachi Angel B'z 19900625 1 38.2
413 にちようび JITTERIN'JINN 19900702 1 31.9
414 おどるポンポコリン B.B.クィーンズ 19900709 7 164.4
415 THE POINT OF LOVERS' NIGHT TM NETWORK 19900716 1 32.7
416 Dear Friend 中森明菜 19900730 2 54.8
417 情熱の薔薇 THE BLUE HEARTS 19900806 1 51.1
418 COCORO 光GENJI 19900827 1 20.6
419 私について 工藤静香 19901001 1 26.5
420 TIME TO COUNT DOWN TMN 19901008 1 26.4
421 EASY COME EASY GO! B'z 19901015 3 38.7
422 "愛しい人よ" Good Night ・・・ B'z 19901105 1 27.3
423 笑ってよ 光GENJI 19901112 1 19.2
424 水に挿した花 中森明菜 19901119 1 34
425 サイレント・イヴ 辛島美登里 19901126 3 80
426 ジュリアン プリンセス・プリンセス 19901203 1 58.8
427 愛は勝つ KAN 19901224 8 201.2
428 Oh! Yeah! / ラブ・ストーリーは突然に 小田和正 19910218 7 258.8
429 LADY NAVIGATION B'z 19910408 3 108.7
430 Wednesday Moon 徳永英明 19910422 1 22.6
431 Eyes to me / 彼は友達 ドリームズ・カム・トゥルー 19910506 2 74.1
432 KISS プリンセス・プリンセス 19910520 1 40.1
433 Please 工藤静香 19910527 1 19.1
434 LOVE Train / We love the EARTH TMN 19910603 1 53.3
435 あなたに会えてよかった 小泉今日子 19910610 5 105.4
436 BEAT EMOTION 布袋寅泰 19910708 1 25
437 ネオ・ブラボー!! サザンオールスターズ 19910722 1 41.3
438 どんなときも。 槇原敬之 19910729 1 167
439 Say Yes CHAGE&ASKA 19910805 13 282.2
440 しゃぼん玉 長渕剛 19911104 1 110.8
441 ALONE B'z 19911111 2 104.3
442 WILD HEAVEN TMN 19911125 1 39.9
443 僕はこの瞳で嘘をつく CHAGE&ASKA 19911202 1 81.1
444 PIECE OF MY WISH 今井美樹 19911209 3 125.4
445 それが大事 大事MANブラザーズバンド 19911230 5 160.3
446 ガラガラヘビがやってくる とんねるず 19920203 2 140.9
447 悲しみは雪のように 浜田省吾 19920210 10 170.3
448 LOVE SONG CHAGE&ASKA 19920427 1 49.9
449 恋をしようよYeah!Yeah! LINDBERG 19920504 1 39.6
450 いつまでも変わらぬ愛を 織田哲郎 19920511 1 92.9
451 君がいるだけで/愛してる 米米CLUB 19920518 6 289.5
452 BLOWIN' / TIME B'z 19920608 2 168
453 if CHAGE&ASKA 19920713 2 108.3
454 涙のキッス サザンオールスターズ 19920727 7 153.5
455 一番偉い人へ とんねるず 19920914 2 60.6
456 決戦は金曜日/太陽が見てる ドリームズ・カム・トゥルー 19920928 3 107
457 ZERO B'z 19921019 2 122.4
458 晴れたらいいね ドリームズ・カム・トゥルー 19921102 1 68.5
459 巡恋歌 長渕剛 19921109 1 67.5
460 クリスマスキャロルの頃には 稲垣潤一 19921116 4 140.6
461 愛のWAVE カールスモーキー石井・松任谷由実 19921123 1 46.6
462 KISS ME 氷室京介 19921221 1 123.1
463 世界中の誰よりきっと 中山美穂&WANDS 19921228 4 183.3
464 もっと強く抱きしめたなら WANDS 19930125 2 166.3
465 がじゃいも とんねるず 19930208 1 73.4
466 慟哭 工藤静香 19930215 1 93.9
467 おさえきれないこの気持ち T-BOLAN 19930222 1 82.6
468 負けないで ZARD 19930301 1 164.5
469 時の扉 WANDS 19930308 1 144.3
470 YAH YAH YAH / 夢の番人 CHAGE&ASKA 19930315 2 241.9
471 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない B'z 19930329 4 193.2
472 愛を語るより口づけをかわそう WANDS 19930426 4 112.1
473 夏を待ちきれなくて チューブ 19930524 1 79.7
474 揺れる想い ZARD 19930531 2 139.6
475 裸足の女神 B'z 19930614 2 165.3
476 刹那さを消せやしない T-BOLAN 19930628 2 73.2
477 だって夏じゃない チューブ 19930712 1 61.9
478 恋せよ乙女 WANDS 19930719 2 81.9
479 エロティカ・セブン サザンオールスターズ 19930802 2 172.7
480 真夏の夜の夢 松任谷由実 19930809 2 143.2
481 sons and daughters CHAGE&ASKA 19930830 2 79.9
482 No.1 槇原敬之 19930913 1 68
483 go for it! ドリームズ・カム・トゥルー 19930920 2 105.2
484 RUN 長渕剛 19931004 1 99
485 一途な恋 TMN 19931011 1 30.6
486 真夜中のダンディー 桑田佳祐 19931018 1 71.1
487 風に吹かれて 森高千里 19931025 1 38.1
488 だってそうじゃない!? LINDBERG 19931101 2 46.9
489 きっと忘れない ZARD 19931115 1 87.2
490 TRUE LOVE 藤井フミヤ 19931122 5 202
491 ロマンスの神様 広瀬香美 19931227 5 174.9
492 WINTER SONG ドリームズ・カム・トゥルー 19940124 1 98.7
493 OH MY LITTLE GIRL 尾崎豊 19940207 1 107.8
494 この愛に泳ぎ疲れても ZARD 19940214 1 88.7
495 Don't Leave Me B'z 19940221 3 144.4
496 ただ泣きたくなるの 中山美穂 19940314 1 103.2
497 Hey Hey おおきに毎度あり SMAP 19940321 1 39.7
498 GAMBAらなくちゃね LINDBERG 19940328 1 30.3
499 IT'S ONLY LOVE 福山雅治 19940404 4 88.4
500 Nights of The Knife TMN 19940502 1 34.8

 

各曲が1位滞在期間中のトピックスを少し見てみよう。

「世界でいちばん熱い夏」 1989年7月 カルピスの登録商標「黒人」マークが65年目で廃止。
「SUMMER GAME」 1989年8月10日 別件逮捕の宮崎勤が野本綾子ちゃん殺害を自供。
「虹をみたかい」 1989年10月30日 17歳貴花田が史上最年少関取に。
「RUNNING TO HORIZON」 1989年11月10日 1961年に作られた"ベルリンの壁"取り壊し作業開始。
「浪漫飛行」 1990年4月29日 近鉄の新人・野茂が17奪三振のプロ野球タイ記録。
「LOVE Train / We love the EARTH」 1991年6月6日 オートマチック車専用の限定免許新設が決定。
「Say Yes」 1991年10月13日 ヤクルト投手陣が首位打者狙う中日・落合に6四球。
「ALONE」 1991年11月13日 宮沢りえ写真集「Santa Fe」発売で話題騒然。
「涙のキッス」 1992年9月12日 全国47000校で学校週五日制スタート。
「エロティカ・セブン」 1993年8月6日 細川・日本新党代表が第79代首相に指名される。

 

歌番組衰退後、音楽シーンを制したのはタイアップ作品だった。
特に猛威をふるったのが、TVドラマ関連。
人気番組がヒット曲を生むパターンがすっかり定着した。

との説明とともに、こんなページもある。

Oricon500b_5

 

今回の区分の特徴は、100万枚以上のメガヒットが続出していること。(枚数欄赤字)
オリジナル・カラオケがついたことと、ドラマとのタイアップが、セールスを後押ししていたようだ。
ネットによる音楽配信もiPodもなく、CDがCDとして売れていた時代だった。

 

以上、四回に分けて500曲目までを見てきた。
ここまで見ても、まだ、浜崎あゆみもKinKi Kidsも登場していない。

冒頭に書いた通り今回の参考図書は、1位の曲、500曲を記念に1994年に発行されたものだが、
上巻のORICON No.1 REVIEWにはこんな記述がある。

単純計算で行くと1000曲目の1位曲が出るのは2021年ということになる。

パッケージ問題を含め、世の中をリードするのが一体どんな曲なのか。
オリコンは時代と共に見守っていきたいと思う。

 

ところがところが、ここで2021年と予測された1000曲目は、
予想よりも14年も早く登場することになる。

オリコン1位 1000曲目は2007年2月26日付 「道(完全限定生産盤)」 歌手は EXILE

ヒット曲の短命化はますます進んでしまったようだ。

 

以下緑色部は1000曲目が決まった時のオリコンのHPの記述から。

“ロングヒット”が中心の時代から変わりつつある現代

 まずは1000曲の内訳を1年毎に弾き出してみた。

1年間で最も1位の入れ替えが少なかった年は1970年度の8曲。
皆川おさむ「黒ネコのタンゴ」に始まり、渚ゆう子「京都の恋」で締めくくられるまで、
1週だけの1位曲が1曲もないという“ロングヒット”が中心の時代だった。

これに次ぐのが1976年度、1980年度の9曲。

10曲未満はこの3年だが、
1976年にはあの「およげ!たいやきくん」が史上初の“初登場1位”を記録し、
1980年には「スニーカーぶる~す」で近藤真彦が
史上初の“デビュー作初登場1位”を記録するという興味深い符合も生まれている。

一方、最もめまぐるしく1位が変わったのは2006年度の49曲。次いで1987年度の47曲。
いずれも群雄割拠という表現がピッタリの状況だが、この両年に共通するのは“アイドル勢の活躍”。

2006年度はジャニーズアーティストの勢いが凄まじかったが、
1987年度のシングルシーンを引っ張ったのは女性アーティスト。
前年に社会現象化したおニャン子クラブを核としたヒットへのポテンシャルは強力だった。

 次に最も多く1位を獲得したアーティストを取り上げてみる。
これは38曲のB'zがトップ
1990年に発表した「太陽のKomachi Angel」から17年にわたって築き上げてきたJ-POP不滅の金字塔。
唯一の30作品オーバーは圧巻の一言だ。

次いで、女性アーティストで最も1位を獲得しているのは浜崎あゆみ。
1990年代末にシーンに登場した歌姫はこの分野の記録を次々と塗り替え、
今なおトップに君臨し続けている。

以下、男性部門2位のMr.Children、女性部門2位の松田聖子、
KinKi Kids、
さらに中森明菜、GLAYとビッグネームが続く。
いずれもが20曲以上をNo.1に送り込んだ凄腕。

さらっと20曲なんていうけれど、1000曲のうちの20曲――
すなわち、39年にわたるオリコンの歴史の50分の1以上を“占有”していた、
とんでもないアーティストたちなのである。

 

オリコン1位の価値も意味も、時代とともに大きく変わった。
ダウンロードが増え、いまや「枚数」も意味がなくなりつつある。
ヒット曲は、音楽は、今後どうなっていくのであろうか。

ソロ活動35周年記念のベスト盤を「2012年」に出したとき、
山下達郎さんは次のように言っていた。(2012年10月6日朝日新聞の記事から)

音楽配信によってパッケージのCDが殲滅(せんめつ)されていくことは
時代の趨勢(すうせい)で、止めようがない。

今回のアルバムを出した最大の理由は、CDがまだ健全な流通に乗っている間に
ベスト盤を出しておきたかったから。
CD時代の終わりに際しての、まとめです。

そして同時に、これからの音楽についてこうコメントしている。

音楽がなくなるわけじゃない。
音楽を届け、利益を生むための方策が変わるだけ。

音楽を人に伝えたいと思うパッションがあるなら、道は必ずある。

 

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コメント

「はまめも」通算100回目、おめでとうございます。
そして、4回にわたる「オリコンチャート1位」シリーズ、読み応えありました。
「歌は世につれ、世は歌につれ」という言葉がありますが、「オリコンチャート」の1位を見ていくだけでも、音楽界の移り変わりが見えてきますね。
ますます多様化する音楽界、これからどうなっていくのか、興味は尽きません。
すごい資料とコメント、読ませてもらいました。

Ossan-takaさん、
いつもコメントをありがとうございます。
溜まっていく一方の種々の記録・メモと、切り取ったままになっているスクラップを
整理するつもりではじめた「はまめも」ですが、
なんとか100回の区切りを迎えることができました。

気ままに楽しみながら書いているとはいえ、
続けるうえで、やはり一番の励みになるのは、
Ossan-takaさんを始め、読んで下さった方々からのコメントやメッセージです。

ほんとうにありがとうございます。
これからもボチボチと続けていくつもりです。
ときどきお立ち寄りいただければこれにまさる喜びはありません。

これからもよろしくお願いします。

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