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2014年1月 5日 (日)

伊奈かっぺいさんの詩 雪~ほんもの~

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伊奈かっぺいさんの詩 雪~ほんもの~

- 寒び寒びィど思らさてまる -

 

関東地方は天気に恵まれ、
穏やかな年明けとなった。

「千年に一度」とも言われた
東日本大震災があった2011年の暮れ、
新聞にこんな川柳が載っていた。

千年に一度のいい年やってこい

毎年のことながら、新年に手を合わせて
祈る思いに偽りはない。


さて、年が明けたのに
昨年の話になってしまい恐縮だが、
昨年末は家族で
京都に小旅行にでかけていた。

京都は予想通り寒く、
銀閣寺では手摺となっていた竹の節に、
こんな氷を見ることができた。

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嵐山の天龍寺は、
冬の庭が引き締まっていて美しく、

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低い太陽光の竹林も
緑とはいえ冬の色になっていた。

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12月28日の夕刻には雪になったので、
翌日の清水寺にはまだ雪が残っていた。

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28日夕、雪を払いながら入った
町屋を改装した
カウンターだけの小さな割烹では、
「雪見酒がよければこちらにどうぞ」
と窓に近い席を案内された。

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今は三箇所に別れて暮らしている家族が
全員揃い、美味しい京料理とともに
京都の「純米 徳次郎」や
「吟醸 富翁」を味わいながら、
降る雪を眺めていると、
さっきまで本当に寒くて凍えていたのに、
白い雪がちょっと違った温度に見えてくる。

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そういえば、
伊奈かっぺいさんの詩に
「雪 ~ほんもの~」
という
津軽弁で書かれた詩がある。

このCD

伊奈かっぺい
消しゴムでかいた落書き

日本コロムビア

(書名または表紙画像をクリックすると
 別タブでAmazon該当ページに。
 以下、水色部は本からの引用)

で、伊奈かっぺいさん自身による
味わいのある
津軽弁の朗読を聞くことができる。

津軽弁で聞いてこそ完成する、
そんな詩だが、
ほんものの雪を感じていただきたく
CDのライナーノーツから写した詩を
下に添えます。
「寒び寒びィ」と思いながら
ゆっくり味わってみて下さい。

雪 ~ほんもの~
         伊奈かっぺい
あんだぁ
あんだ 芝居コで降る雪(ゆぎ)
見だごと あれしがぁ?

あれだきゃ
白い紙ば細(こめ)ぐ切たぎて
舞台の上がら投げでるんだぉん
あれぁ
切たぎた紙コだど わがてでも
寒び寒びィどした場面になれば
落ぢで来るもんだどごで
見でる方も
寒び寒びィど思らさてまる

テレビの雪だきゃ
あれ
発泡スチロールとがいうもんだそォで
やっぱし
寒び寒びィどした場面になれば
降て来るもだどごで
見でる方も
寒び寒びィど思らさてまる

  作り物の雪ァ
  寒びィと思わへるために
  降らさへるんだもの
  あれァ・・・寒び・・・

したばて あんだぁ
本当に天がら落ぢで来る
本物の雪ぁ
あたらに寒びぐねぇ


まぁるい ぼやらどした
電信柱の光の輪の中さだけ見る
本物の雪ぁ
襟立ででも ぼのごサ入(はい)て来る(*1)
サラサラどした
本物の雪

眼鏡(めがね)サねぱて - 溶げて(*2)
世の中 にじんで見さへる
本物の雪ぁ・・・

あんだぁ
暖(ぬぐ)い ど思いませんが?
可愛(めご)い ど思らさった事(ごた)ァ
ありませんが?

私(おら)ぁ
津軽 好ぎだんだ
私(おら)ぁ
津軽(こご)の人達 好ぎだんだ
私(おら)ぁ
津軽(こご)サ降る本物の雪 好ぎだんだ

したはで
暖(ぬぐ)いど思らさるんだべが…
可愛(めご)いど思らさるんだべが…

あんだぁ
暖(ぬぐ)いど思らさった事(ごた)ぁ…?
可愛(めご)いど思らさった事(ごた)ぁ…?
思らさった事(ごた)ぁ・・・?

   *1:ぼのご(えりくび)
   *2:ねぱて(くっついて)


今年もよろしくお願いします。

 

 

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コメント

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