カーナビの進む道
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カーナビの進む道
- 日米のカーナビを比べてみて -
米国ノースキャロライナ州と、カリフォルニア州を回る海外出張から無事帰ってきた。
出発は9月23日。半袖で発ったものの、帰ってくるとすっかり秋の空気になっていた。
今回の出張では二度、Hertsでレンタカーを借りた。
Hertsの車はNeverLostという名のカーナビを装備している。
(ちなみにカーナビは英語では一般的にGPSと呼ばれている)
二台、それぞれこんな感じだ。どちらもご覧の通り画面が小さい。
しかも、表示される地図がこれまたpoorだ。
十数年前のゲーム画面のよう。悲しいくらいに単純なものだ。
自家用車を手放して以来、日本でもレンタカーをよく利用している。
なので、レンタカーに装備された最新のカーナビに触れる機会も多いのだが、
日本のカーナビの進歩には毎回、驚かされるばかりだ。
車が一台も走っていなければ、カーナビの画面だけを見ても走れるのではないかと思うくらい、
リアルな表示となっている。
特に交差点まわりの車線情報や3D表示はそこまでやるか、というレベル。
最近の機種のカタログにはこんな画面が当然のように載っている。
再度、このNeverLostの画面表示と見比べてみてほしい。
確かに、米国NeverLostの画面は単純なものだ。
しかし、実際に使ってみると、道案内(ナビゲート)という本来の機能において、
特に不足があるわけではない。
ちゃんと目的地に着けるし、名前の通りLost(道に迷う)ということもない。
「カーナビとしてどちらが進んでいるか」と問われれば、間違いなく日本だ。
しかし、
「だから米国のカーナビは、日本のカーナビのようになろうとしている」
と言われると、ちょっと違うような気がする。
エンジニアとして、つい作る側の視点で見てしまうが、
日本のカーナビのあの機能の実装には、
表示技術の点においても、基礎データの取得や更新という点においても、
相当な工数が投入されているはずだ。
そこまでの投資をしてまで、今のNeverLostの機能を強化する必要性を、
米国人が感じているようには思えない。
「カーナビの進む道」は日本と米国、それぞれどこに向かっているのだろう。
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