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2013年3月31日 (日)

日本に持ち込んではいけない本やビデオは

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日本に持ち込んではいけない本やビデオは

- 税関検査官の肩 -

 

メーカのエンジニアとしてずいぶん多くの海外出張を経験した。
現地メンバとの共同開発で、ということもあったし、
機器のトラブルが発生し、お客様のところに調査と謝罪に、ということもあった。

職場では、そういった出張者の土産がよく回っていた。
配りやすく、かつ無難なチョコレートが圧倒的に多かったが、
地元のマニアックなお菓子を狙って、
「珍しさ」や「話題性」で盛り上げるのが上手な人もいた。

ヨーロッパ出張の土産「リコリス」「サルミアッキ」といったお菓子は、
いまでもその「まずさ」が職場で語り継がれている。
地元ではかなりポピュラーなお菓子らしいが、
あれを「おいしい」と言って食べている人がいるのは、いまでも信じられない。

 

土産と言えば、インターネットなんていうものが普及するよりもずっと前、
写真の多い雑誌を買ってきて、茶封筒に入れ若い男性陣の間でだけ回覧する、
ということも時としてあった。

もちろん会社で開けることはなく、回覧表を見るとすぐにそれとわかるので、
コッソリ回していたのだが、
職場には少ないとはいえ女性がひとりもいなかったわけではなく、
中身はコソコソ具合から想像できたであろうから、
今ならセクハラと大きな問題になっていたことだろう。

で、その中身の日本への持ち込みだが、
通関時、もし見つかれば没収にでもなったのであろうか。
なぜか(?!)「実際に没収された」という話を身近で聞いたことはない。

 

私自身も、カバンを開けられて、形式的ではない、
詳細な荷物チェックを受けたことは数十回の通過で一度だけだ。

ただ、理由はよくわからないが、その時は
「そこまで見るか」と言うほど、まさに隅々まで執拗に調べられた。

雑誌2,3冊とは言え、
運良くその時は、怪しいものは何ひとつ持っていなかったので、
「さぁ、好きなだけ調べてくれ」とかなり余裕のある態度だったと思う。

荷物を確認しながら検査官が質問した。

「日本に持ち込んではいけない本やビデオは持っていませんね」

気が緩んでいた私はさらりと答えた。

「はい、今日は持っていません」

 

下を向いて荷物検査をしていた検査官の手が止まった。
肩がヒクヒクと動いている。

検査官 「ィャ、き、きょう、持っていなければいいンですよ」

と明らかに、笑いをこらえた不自然な声。

二十年以上も前の話なのに、通関するたびに
あのときの検査官の肩のヒクヒクを妙にリアルに思い出してしまう。

 

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コメント

こういう冗談、アメリカ、カナダでは厳禁です。友達に税関で「何か買ってきた物は?」と聞かれて、「みんな腹の中」と答えた為に、車を全部ばらされひどい目に遭ったヤツがいます。ばらばらにしても、彼ら戻す義務はないのです。全くジョークが通じないと言うか、虫の居所が悪いと言うか、暇だったのか?

Kurahashiさん、
コメントをありがとうございます。

通関時の抜き打ち的な荷物検査、
検査官が見ているのは、荷物の中ではなく、
回りの人の様子だ、というのも聞いたことがあります。

それにしても、米国の入国審査はESTAを導入したりしても、
ちっとも改善されませんね。
先週もカリフォルニアに出張だったのですが、
ロサンゼルス空港(LAX)、
カウンタの数は以前に比べて多くなったものの、
行列の長さと待ち時間は、ほとんど変化なし。
なんとかならないものでしょうか。

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