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2013年3月14日 (木)

日本の住宅の大きさ

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日本の住宅の大きさ

- 「四人世帯なら148平方メートル」 これが全国平均 -

 

ずいぶん前だが、外国から「ウサギ小屋のような住居」と言われた日本。

そもそも「ウサギ小屋」という言葉は原文の仏語の誤訳で、
揶揄されたわけではない、という話もあるらしいが、
誤訳であろうがなかろうが、
「そう言えなくもないかも」と聞いた人も多かったのではないだろうか。

では実際、
「日本に住んでいる人って、平均すると
 いったいどれくらいの広さの家に住んでいるのだろう」

酒の席で話題になったつまらない疑問のひとつだが、
考えてみると具体的な数値を聞いた覚えがない。

ちょっと調べてみよう。

「本の中に数式がひとつでも入ると、本の売上は1/10になると言われている」という記事を
どこかで読んだ気がするが、ブログではどうだろう。
簡単な四則演算のみなので、遠慮無く使って話を進めていこうと思う。

 

まずは国勢調査から。
国勢調査に床面積の情報ってあっただろうか?
数年前、自分で記入したはずなのに全く思い出せない。

で、軽い気持ちで総務省のホームページを見てみたら、あった、あった。
一般世帯については、住んでいるところの床面積情報もあるではないか。

ならば計算してみよう、とエクセルを立ち上げたが、一部言葉の意味がよくわからない。
「住宅以外に住む世帯」って何?

 

用語の定義から確認してみたい。

国勢調査では、
   世帯=「一般世帯」+「施設等の世帯」
としている。
「施設等の世帯」とは、寮、病院、拘置所などのことだ。

で、さらに「一般世帯」を
   一般世帯=「住宅に住む一般世帯」+「住宅以外に住む世帯」
と区分している。

 

さて、問題。
ここで言う「住宅以外に住む世帯」とはどんな世帯のことを指しているか?

 

正解:
「住宅以外に住む世帯」とは「下宿住まいの単身者、および会社などの独身寮の単身者」。

うーん。よくわからない。
単身だの独身だの、ひとりの人をずいぶん特別扱いしているように思えるが、
それよりなによりどうしてそれらは「住宅以外」なのだろう。
「住宅以外に住んでいます」と言われたら、橋の下、などが浮かんでしまうが。
まっ、アレコレ言ってもしかたがない。先に行こう。

二つの式をひとつにまとめると

   世帯=「住宅に住む一般世帯」+「住宅以外に住む世帯」+「施設等の世帯」


ということになる。

このうち、床面積データがあるのは「住宅に住む一般世帯」の部分のみなので、
今回の集計ではこの部分だけを計算対象とする。
対象外(「住宅以外に住む世帯」と「施設等の世帯」)に
どの程度の人が属するかというと、人数で342万人(人口の2.7%)。

つまり、「住宅に住む一般世帯」だけを対象とはするが、
人口的には97%以上の人が対象に入っていることになる。

これで準備OK。最新の平成22年国勢調査の結果で数字を見ていこう。

 

「住宅に住む一般世帯」は、5105万。
そこに住む人は、1億2463万人。

延べ面積は、(0-19m2) (20-29m2)と続いて(250m2以上)までの14区分。
(m2は平方メートル)
計算は、区分内の中央値を代表値として使う。(例:0-19m2については10m2)
ただし、(250m2以上)の区分については中央値が取れないので、
今回は便宜的に250m2を使った。
つまり「少なくとも」というか「最低でも」がわかることになる。

延面積区分代表値 x 世帯数

これを各区分で計算し、14区分全部について足し合わせる。

これは、5千万世帯を床面積を維持しながらビッシリ平屋でくっつけると、
どれだけの面積になるか、を示していることになる。
14区分の合計で4597 km2。
そこに1億2463万人が住んでいるので、単純に人数で割って
一人あたりの面積を求めると37m2。

Photo_2

代表値のところに書いた通り、
(250m2以上)の区分には最低値250m2を代表値に使っているので、
実際にはそれ以上の値となるが、この区分は105万世帯(2%)と比率的には大きくないので
仮に350m2で計算しても37が38(m2)になる程度の影響度。

 

一人あたりの床面積で考えると四人家族なら148m2。これが全国平均ということになる。
首都圏の狭いマンション住まいのせいか、
「みんな広いところに住んでいるンだなぁ」が正直な感想。

 

ちなみに面積合計はだいたい京都府の大きさ。
つまり5千万世帯を面積を維持しながらビッシリ平屋でくっつけると、
日本中の家が京都府内に入ってしまう。

1_2

なお、国勢調査については、総務省のページ(ここ)に詳しい説明と調査結果がある。

(*1)
今回初めて国勢調査の結果を検索してみたが、総務省のページからは、
国勢調査の結果をcsvファイルとして簡単にダウンロードすることができる。
デジタル化された情報はデジタルのまま提供する道を作っておく、には個人的に大賛成。
歓迎すべきことだと思う。
なので今回の計算も、数字を見て手打ちする、といったバカバカしい手間は一切なく、
計算結果の表はわずか数分で作ることができた。

(*2)
「住宅に住む一般世帯」は、
持ち家と借家(持ち家以外:借家、給与住宅、間借り)を区別しているので、
この区分で分けて上と同じ計算をすると、
 持ち家(人口比で71%が住む):ひとりあたりの平均床面積 42m2
 借家(人口比で29%が住む):ひとりあたりの平均床面積  25m2
ずいぶん大きな差があることがわかる。

(*3)
上の表、世帯数の方は区分別の数の合計値と一行目の総数がぴったり合うが、
世帯人員のほうはわずかだが合わない。理由はもちろん不明。

 

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