トルコ旅行記2012 (17) イスタンブール シュレイマニエ・ジャーミィ編
トルコ旅行記 2012/7/8-7/17 (旅行記の目次はこちら)
(17) イスタンブール シュレイマニエ・ジャーミィ編
2012年7月14日
【シュレイマニエ・ジャーミィ】
シュレイマニエ・ジャーミィは、海峡クルーズの船から旧市街を見た時、
小高い丘の上に建っているせいかアヤソフィア以上に目立っていた。
下の写真の右上の大きなジャーミィだ。
オスマン帝国が最も繁栄した時代のスルタン、シュレイマンが造らせたもの。
完成は1557年。川中島の合戦と桶狭間の戦いの間。
日本では、上杉謙信、武田信玄、織田信長らの名前が並ぶ頃だ。
グランド・バザールから歩いていける距離にあるが、観光客は驚くほど少ない。
でも、静かな寺院はいいものだ。
ドームの高さは53m。あのアヤソフィアが56mだからわずかに低いだけ。
造られたのはアヤソフィアの約千年後ではあるが。
中のカーペットの文様は、ひとりひとりの礼拝の位置を示しているという。
多くの人が整然とならべるわけだ。
オスマン帝国黄金期の建築ではあるが、内部は華美に走っていない美しい装飾だ。
設計はオスマン建築の巨匠ミマール・スィナン。
500もの建築を残したと言われる大建築家スィナンも、実は異教徒の子弟が集められた精鋭集団、
非トルコ人による軍隊「イエニチェリ」の出身だ。
遠征軍の橋梁の建築に関わったことがきっかけで頭角をあらわしていく。
セリム1世、シュレイマン1世の征戦に従って諸国を巡り、建築技術を実地で習得しながら見聞を広め、
そしてついに1538年、シュレイマン1世により建築家の長に任じられる。
その後、100歳近い高齢で没するまで、建築家長としてセリム2世、ムラト3世と三代にわたり、
宮廷建築家として仕えている。
スィナンの責任で建てられた建造物は、ジャーミィ、神学校、隊商宿、橋梁などまさに多岐にわたり、
合わせて500にものぼる。
モスクの建設において、大ドームを発展させ、細長いミナレット(尖塔)を特色とする
オスマン建築特有の様式を完成させたのもスィナンだ。
広い中庭も大理石が敷き詰められている。
シュレイマニエ・ジャーミィのとなりには、イスタンブール大学がある。
大学の門のひとつ。 正門ではない、というかむしろ裏門、でこれ。
ぶらぶらと歩いて金角湾のほうに向かう。明るいが午後7時過ぎ。裏通りの商店街は閉まっている。
途中エジプシャン・バザールの近所では、急に賑やかになる。
そうそう、歩いている途中で、ATMでお金をおろしてみた。
イスタンブール市内、各種銀行のATMコーナをほんとうによく見かける。
「cirrus」マークのあるカードを持っているのでそれを使ってみた。
キャッシングだと利息がついてしまうので、口座からの外貨引出し。
画面が英語に切り替えられないと「キャンセル」ボタンすらわからなくなってしまうので、
通常のトルコ語表示が英語に切り替えられるかどうかだけが心配だったのだが、
カードを入れたらなぜかいきなり英語表示に。
外国のカードが来ると英語になるの? 仕組みはよくわからないが、まぁ操作できればOK。
現金が必要というよりも、銀行のカードが使えるかどうかを確認してみる、という興味から。
手数料は一回につき210円かかるが、換金レート自体はまったく悪くなく、
24時間いつでもおろせるので緊急時のキャッシュ調達用としては充分使えそう。
いよいよ日も傾いて街があかく染まる。
ガラタ橋下のレストラン街の灯りが見える。
7月14日、一日の分だけを書くのに計6回。
トプカプ宮殿、アヤソフィア、地下宮殿、ブルーモスク、
グランド・バザール、シュレイマニエ・ジャーミィ
以上、これだけ見所満載の見学先を、今日は一日徒歩のみで回ってきたことになる。
バスもトラムも一切使っていない。徒歩圏にこれだけの大物が詰まっている旧市街。
しかも、国立考古学博物館や、トルコ・イスラーム美術博物館など、
時間さえあればこの圏内にもまだまだ見たいものがたくさんある。
ものすごい密度の濃さだ。さてさて、明日はどうなることか。
今日はここまで。
お別れに、ガラタ橋の近くで釣りをしていた人の写真を。
左側、橋の下側はレストラン街になっているが、橋の上には釣りをしている人がずらりと並んでいる。
(18) イスタンブール ルメリ・ヒサール編に続く。 (旅行記の目次はこちら)
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