トルコ旅行記2012 (15) イスタンブール 地下宮殿とブルーモスク編
トルコ旅行記 2012/7/8-7/17 (旅行記の目次はこちら)
(15) イスタンブール 地下宮殿とブルーモスク編
2012年7月14日
昼食は、アヤソフィアの近くのロカンタで。
味は美味しくて申し分なかったが、観光地のど真ん中のせいか、まさに観光地価格だった。
地下宮殿に行く前に、ちいさなこれを紹介。
【ミリオン】
左側の写真中央の高い部分ではなく、中央左下の小さな石。
ビザンチン帝国の0キロポスト。
4分割統治状態だったローマ帝国を統一した皇帝コンスタンティヌス1世は紀元330年、
ローマ帝国の都をここに移した。
この地が、皇帝の名にちなんでコンスタンティノポリスと命名されると、
まさに「すべての道」の距離の基準をここに作った。
それがこのミリオンだ。この地点を基準に帝国各地への距離が計測された。
観光客でも気にしている人はほんとに少ないが、見逃すわけにはいかないだろう。
(見たからと言って石柱自体になにがあるわけでもないけれど。)
【地下宮殿】
その名の通り、地下に降りていくと、こんな感じで見え始める。
失われてしまった柱もあるようだが、元は336本もの柱があった。高さ約9m。
ここは地下宮殿と呼ばれているが宮殿ではない。地下の大貯水池だ。
もともとは単なる都市の「みずがめ」。
今は観光客が入れるようになっているが、もちろん使われているころは水の底だ。
水の中に、この壮大さ、美しさ。 しかも千五百年前。
4世紀から6世紀にかけて作られたものだという。
貯水池の水は20kmも離れた郊外の森から、土管や水道橋を流れてここにやってきた。
ヴァレンス水道橋という4世紀に作らた水道橋が旧市街には残っているが、
その水道橋こそここへの水道だ。
トプカプ宮殿の水ももちろんここから供給されていた。
スルタンの喉を潤していたわけだ。
コリント様式が主とはいえ、柱にはいろいろな種類の石が使われている。
帝国領各地の古い神殿から運ばれ流用されたためらしい。
4世紀から見ての「古い神殿から」だ。
1984年の大改修時、2mにもおよぶ底の泥を取り除いたところ、
巨大なメドゥーサの頭部がふたつ見つかった。
どこから運ばれてきたものかもわかっていない。
その意味も、「魔除け」という説と「単に土台の石として使っただけ」という説があり、不明。
いずれにせよ、誰の目にも触れない水中に千五百年以上も眠っていたことになる。
なお、こういった地下貯水池は、市内各所に残っているらしい。
一部は改修されてホールとして使われていたりもする。
地下宮殿を出ると、観光客相手の屋台、出店が並んでいた。
【スルタンアフメット・ジャーミィ:通称ブルーモスク】
入り口にはイスラム教の説明パンフレットが用意してある。
英語、日本語、フランス語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、中国語の8言語が揃っている。
入り口では全員靴を脱ぐように言われるが、
同時に、肌の露出が多い女性には大きなスカーフを貸し出していた。
中は、まさにブルーを基調としたタイルが美しく息をのむ。
1616年の完成。徳川家康の没した年、江戸時代が始まったころだ。
中央ドームは高さ42m。中は2万枚におよぶイズニックタイルで飾られている。
モスクには、全部で260にものぼる小窓があるため、思ったよりも内部が明るく、
ステンドグラスの色と合わせてタイルの色が映えている。
美しい独特な空間ではあるが、全員が素足になっているせいか、臭い。そう、くさい。
真夏の一番暑い盛りだったのでよけいそうだったのかもしれない。
少し引いて見ないと柱かどうかもわからないほど太い。
モスクの尖塔、ミナレットが6本もあるモスクは世界でも珍しいとのこと。
6本が入った写真は夜、撮ったものにあったのでそれを添えておく。
そうそう、モスクに入る前には、こうして足を清める場所もある。
そうしているのは信者さんだけ、という感じではあったが。
今日はここまで。
お別れに、トプカプ宮殿のそばで出逢った猫を。
(16) イスタンブール グランド・バザール編に続く。 (旅行記の目次はこちら)
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コメント
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美しい独特な空間ではあるが、全員が素足になっているせいか、臭い。そう、くさい。
真夏の一番暑い盛りだったのでよけいそうだったのかもしれない。
↑ 笑い
投稿: | 2013年1月23日 (水) 17時32分