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2012年9月26日 (水)

トルコ旅行記2012 (6) カッパドキア ギョレメ編

トルコ旅行記 2012/7/8-7/17 (旅行記の目次はこちら


(6) カッパドキア ギョレメ編


2012年7月11日

夜行バスは朝7時半頃、ネブシェヒルに到着。
ギョレメに行く人はここで乗り換える、とのことで降ろされる。
世界一周旅行中の日本人女性Yさんと
台湾人バックパッカーもギョレメに行くとのことで一緒に降りる。

降りるとすかさず旅行会社の客引きが数名寄ってきた。
もちろんカッパドキアのツアーの勧誘。
パムッカレで少し話を聞いたため、逆にこちらも交渉のポイントがわかっている。
自力で回ることが難しいものに関しては現地ツアーを利用しようと思っていた。

ギョレメ行きのバスがいつ来るのかわからずヒヤヒヤしているのに、
あちらにオフィスがあるのでそちらに行こう、としつこくうるさい。

 

我々夫婦は二人で一人の客引きを相手にしていたわけだが、その間、
Yさんはもちろん一対一で別の客引きの相手をしていた。
途中「こちらは、**って言っていますよ」と日本語で横の情報交換も。

Yさん、実に冷静。ひとりでもたいしたものだ。
「ほんとうに女性ひとりなのか」と客引きの方が驚いている。
まぁ、その程度でなければここまでの5ヶ月間、一人旅を続けて来ることはできなかっただろう。
結局、我々もYさんも、そこにいた客引きとは契約せず連絡用の名刺だけをもらった。
パムッカレ、ネブシェヒルと交渉を重ねたことでかなりの情報が得られたので、
あとは現地で決着をつけるだけだ。

 

一時間以上待たされたのち、ようやくギョレメ行きのバスが来た。
あと30分ほど乗ればいよいよカッパドキアだ。

途中から、奇岩の景色に変わっていく。
地形が異様なのに、今まさにそこに住んでいる、というのがさらに不思議。
キョロキョロしているうちにギョレメのオトガルに到着。

結果として、クシャダスからギョレメへ、当初の計画と現地で提案されたルート、
それに実際に乗ったバスのルートをまとめておくとこういうことなる。

5

 

ギョレメのオトガル(バスターミナル)でYさんとも台湾人ともお別れ。

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「おふたりとも、いい旅が続き、無事に自国に帰れますように」と祈らずにはいられない。

オトガル前の旅行会社のオフィスにはこちらから出向き、ツアーの最終交渉。
気球ツアーの方は、最終的に90ユーロまで下がったので、ここで決めることにした。
160→110→100→90とこれまでの3箇所での交渉はそれなりに活かせた感じ。
もうひとつ申し込もうとしていたグリーンツアーのほうは、
安いツアーとは寄る場所の数が違う、などと言って、あまり値引きしてもらえなかったが、
ツアーごとに全訪問先を一対一で比較することもできないので、
気球代が大きく下がったことで良しとして、一緒に申し込んだ。
ちなみに、ここでの支払いも気球ツアーはユーロで、グリーンツアーはトルコリラだ。

ホテルにチェックインしたら部屋番号を知らせてくれ、と言われる。
気球ツアーの出迎えが朝4:45と早いので、
朝、その部屋だけをノックするようにするので、とのこと。
契約したからか、ホテル名を言うとホテルに電話して出迎えの車を呼んでくれた。

 

朝10時頃ホテルに到着、チェックイン。
部屋が用意できるのは11時になるが、ホテルの方曰く
「夜行バスで来たのなら、おなかが空いていることでしょう、
 それまで、よかったらホテルの朝食バッフェを召し上がれ」

まさに、空腹状態だったためラッキー!

さらに狭いながら「トイレ+シャワー」の個室を使ってもいいという。
夜行バスでの到着客が多いので、そのあたり設備も含めて慣れている感じ。
夜行で着いた直後の食事とシャワーはほんとうにありがたい。

ホテルで朝食を食べながら部屋の準備が整うのを待つ。

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パンとスープ、薄焼きのパンケーキがうまい。

 

部屋の用意ができたとのこと。こんな部屋だ。

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まさに岩をくり抜いたままの洞窟部屋。
外は暑いのに部屋の石は冷たい。シャワー部分も石をくり抜いたまま。

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シャワーを浴びてひと休み。地図を見ながら今日のプランを検討。
ギョレメ野外博物館とウチヒサルに行くことに決めた。
野外博物館は歩いて。ウチヒサルへは路線バスで。

 

ホテルから出るといきなりこの景色だ。

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ホテル自体、岩山の斜面と岩自体に完全に同化してしまっている。

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村の中を歩いていると、洗濯物を干しているところに遭遇。
さて、問題。右側の洗濯物はどうやって干したのでしょう。

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正解はこれ。

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お母さんの左上の青い滑車。左端で干してはロープを回して動かしていっている。

 

奇岩は街の至る所に。

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途中、郵便局で両替。
貨幣も含めてトルコリラに慣れたことと、空港での「手数料あり?」の疑問もあったので、
少し注意深く確認をした。すると空港での両替時同様やはり計算値より少し少ない。
今日は、行列になっていたわけでもないので、
印刷されたレシートを見せながら「少ない」と訴えると、
言い訳をするでもなく、説明をするでもなく、悪びれるでもなく、
だまって足りない分を足してくれた。
黙っていれば、つまりは担当者のポケットに入ることになるのだろうか。
請求したので受け取ったけれど、200円程度の額、彼が喜ぶならチップとして無視してもいいかも、
という気もしてくる。

私が両替に行っている間、妻がちょっとおもしろそうな陶器店をみつける。
ガラス越しのショウウィンドウに並べられた品々が、
観光客だけを相手にして安物を積み上げているような店とは違い、
かなり期待できる感じ。ちょっと覗いたところお店の感じもいいという。
「あした、みやげ探しも兼ねてゆっくり寄ろう」ということにした。
翌日、このお店では、意外な時間が流れることになる。

ギョレメ博物館まで暑い中を歩く。

どちらの写真も左下に小さく人間が写っているのだが見えるだろうか。クリックしてご覧あれ。

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岩の大きさもさることながら、どうやってあの穴を掘ったのか、
どうやってあの穴に入るのか、という位置に穴がある。

舗装ではなく石畳の道は、車が通るとブルブルとタイヤが鳴ってうるさい。

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【ギョレメ野外博物館】
ギョレメ谷には、5~12世紀にかけて、
迫害から逃れ定住したキリスト教徒が作った岩窟教会が30ほども集まっている。

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外見はご覧の通りの岩山だが、教会の内部は、十字平面になっていたり、丸天井になっていたりと、
狭いながらもなんとか地上の教会をそのまま再現しようとしている。
一千年近くも前、いったいどうやって掘ったのだろう。

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特に内部に残っているフレスコ画は、一見の価値がある。
「暗闇の教会」とまで名付けられた教会もある通り、岩窟、
つまり光による劣化を避けられたことが、画の保存にとっては好都合だったのだろう。
11~13世紀ごろのものとは思えない、かなり色鮮やかなものもあってお見せしたいところだが、
残念ながら大部分は写真撮影禁止。フラッシュによるダメージを避けようとしている。

なお、教会でもあるが住んでいたところでもあるので、食堂なども内部にある。
テーブルはこんな感じ。

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写真撮影が許可されていた教会の内部。

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煤の汚れがそのまま残っているところもある。

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ツアー客も多い一大観光スポットだ。

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カッパドキアは、ご覧の通り、奇景による自然遺産の要素と、
洞窟住居や教会などによる文化遺産の要素があるため、
パムッカレと同様、複合遺産として世界遺産に登録されている。

続いての、ウチヒサルへは路線バスで行くことにした。
乗り場はオトガル(バスターミナル)のインフォメーションで教えてもらった。
30分に一本とのこと。ウチヒサルへ行く事を確認のうえ乗り込んだ。

 

近くの女性に、
「ウチヒサルへ行くか」と再度確認すると、
「行く」という。
「どこで降りればいいのかわからないので、
 降りる時になったら教えて欲しい」と頼むと、
「行く事は間違いないが、どこで降りるのかは私はわからない」
という。
子どもたちが興味深そうに振り返ったりしているので、その時になれば
「まぁ、だれか教えてくれるだろう」と
楽観的に考えてそのまま乗っていることにした。

 

このあたりかな、と思った時、
スカーフをし、暑いのにコートをピシッと着ているムスリムの女性が
「ここですよ」とやさしく教えてくれた。
我々夫婦と彼女の3人がバスを降りる。
ここで聞いておかねば、と思ったのは、
「帰りのバスを乗る場所」と「これからどの道を歩けばいいのか」の二点。
とにかく、多くの場合、明確なバス停を示す標識がないため、
観光客には、どこからならバスに乗れるのかがさっぱりわからない。

英語は全く通じなかったが、何を聞いているのかは、わかってもらえた模様。
バス停の位置は、分りやすい指標が反対車線にあったのですぐにわかった。

すると彼女、バス停の位置だけでなくバスの時間を教えようとしてくれている。
でも数字が英語ででてこない。
こちらだってトルコ語で10までの数字すら言えないし、聞き取れないレベルだから、
双方まさに探りあい状態。
ちょっとの間ののち、彼女は押し出すようにゆっくり「スリー」、「ナイン」と言った。
「15分と45分か!」。

ほとんど同時に、思いついたように腕を伸ばし、コートの長袖の下から左手首の腕時計をだして
念を押すように数字の3と9を指さした。典型的なアナログ時計だ。
こちらの「わかった!」が伝わった瞬間、彼女の顔がふわぁっと明るくなった。
私も妙にうれしくなってしまった。

15が言えなくても3でわかる。アナログはすごい!
3から15にほぼ無意識のうちに自動変換できる世界共通のルールはすごい!
デジタル時計ではこうはいかない。
来る時の「30分に一本」とも辻褄が合う。

歩く方向も一緒に教わり、礼を言って別れた。

暑いのにちゃんとした格好をしている容姿も美しかったが、質問に回答するだけではなく、
我々の気持ちを察して一歩踏み込んで助けてくれようとする心配りに触れるとさらに美しく見える。
写真を撮らせてもらえればよかった、と思いながらウチヒサルを目指す。

 

ウチヒサルは巨大な岩山(いわやま)ながら、近くまで来るとなぜかちっとも見えない。
教えてもらった道は、地元の住宅地の中。
方向が間違っていないことはわかるが、対象が巨大な分、
「入り口へはこの道でいいのだろうか?」

周りの様子も奇観だが、寄って見てみると今も人が住んでいる様子がよくわかる。

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途中出会った村の人に
「ウチヒサルはこっちか?」と聞いてみる。
すると、中年女性にも、こどもにも
「カレのことか?」と聞き返される。
トルコ語の本で調べると「KALE」とは「城」のこと。
そう言えば、前日に訪問したパムッカレ(綿の城)のカレだ。

地元では「ウチヒサル」ではなく「KALE」と呼ばれているようだ。
何度か確認しながらようやく到着。

 

【ウチヒサル】

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ウチヒサルはまさに城と呼ばれるにふさわしい風格。
歩いて頂上まで登ることができる。

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登ると360度の絶景が楽しめる。すばらしい眺めだ。

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カッパドキアが多くの渓谷で構成されていることがよくわかる。

カッパドキアの土壌を作った火山のひとつエルジエス山も遠くに見える。

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帰りは教えてもらったバス停を目指す。針はちょうど45分近くを指していたが、
バスの時間の正確さにはもともと全く期待していなかったので、
遠くにバス停が見えてきてものんびりと歩いていた。

するとぴったり45分に例のバス停の位置をまさにバスが通過しているではないか。
私は思わず駆け出していた。
これまでのトルコでのミニバスの乗り降りを見ていて、
バス停でなくても止まってもらえるような気がしたからだ。

大きく手を振るとあっさり止まって道の途中で乗せてもらえた。ラッキー!
後で聞くと走りだすバスを見て妻は30分待てばいいや、と思っていたらしい。
トルコでバスに乗り始めて三日目、だんだん慣れてきたかもしれない。

 

夕食はオトガルのそばのレストランでカッパドキア名物のテスティ・ケバブを。
素焼きの壺に具材を入れてフタをし、壺ごと火にかけて煮込む。
食べるときは、ハンマーで壺を割って中身をだす。

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中身はこんな感じ。よく煮込まれており肉も柔らかいうえ味がよくしみている。

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トルコ料理の定番、キョフテと呼ばれるミートボール。ナスを使った料理も多い。

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キョフテ右側のピラウは、松の実の入ったシンプルなバターライス。

パンと塩味ヨーグルト「アイラン」も店によって違いがあり楽しめる。

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もちろん味はどれも◎。

 

翌朝は気球ツアーの出迎えが朝4:45にホテルに来る予定。
夜行バスで到着したうえ、よく歩いた一日だったので、ベッドに入った途端爆睡。
朝、ちゃんと迎えが来ますように。

今日はここまで。

 

お別れに、お腹に赤ちゃんのいるお母さん猫を。

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(6) カッパドキア 気球ツアー編に続く。 (旅行記の目次はこちら

 

 

 

 

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印刷されたレシート見せながら「少ない」と訴えると、
言い訳をするでもなく、説明をするでもなく、悪びれるでもなく、
だまって足りない分を足してくれた。
黙っていれば、つまりは担当者のポケットに入ることになるのだろうか。

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